
長く書いていて目が疲れるとき、原因はフォントだけではありません。読みやすさは、書体と行間と文字の大きさの組み合わせで決まります。 書体を変えても行間が詰まったままだと、疲れは減りません。
この記事では、日本語の長文を書くときに何を見て決めるのか、どの順で調整するのかを扱います。強調表示や縦書きの表示は別の記事に譲ります。
日本語の長文で効くのは3つ
画面で日本語を長く読み書きするとき、疲れに効くのは次の3つです。
- 書体:明朝系かゴシック系か。線の太さ、字面の大きさ
- 文字の大きさ:小さすぎると目が寄る。大きすぎると1画面の情報が減って視線が動く
- 行間:行と行のあいだの空き。日本語は漢字とかなが混ざるので、欧文より広めが読みやすい
このうち、いちばん見落とされるのが行間です。 書体を選ぶ話は多いのに、行間はほとんど語られません。
書体だけで選ぶと、たいてい失敗する
「日本語 フォント おすすめ」で調べると、書体の名前が並びます。読みやすいとされる書体をいくつか試して、しっくりくるものを選ぶ。
これは間違いではありませんが、書体を変えると、その書体に合う行間も変わります。 字面の大きい書体は行間を広めにしないと詰まって見え、線の細い書体は行間が広すぎると散漫になります。
「フォントを変えたのに疲れる」の正体
書体だけを変えて行間を変えないと、変える前より読みにくくなることがあります。
たとえば、線の細い書体から字面の大きい書体に変えたとします。文字は読みやすくなりましたが、行間が同じままなので、行と行がくっついて見えます。目が次の行を探すのに時間がかかり、結果として疲れます。
そして、この原因には気づきにくいものです。 「書体を変えたのに疲れる」→「この書体は自分に合わない」と判断して、また別の書体を試す。行間に手を付けないまま、書体だけを何度も変えることになります。
もう一つが、設定の場所が分かれていることです。 書体は書体の設定、文字の大きさは別の設定、行間はさらに別。どれかを変えたときに他を見直す動線がないと、組み合わせで考えられません。
rune Studioは、3つを同じ設定画面で持つ
rune Studioは、本文の書体、文字の大きさ、行間を、それぞれ設定として持ちます。
実際に開発版を命令から動かして設定を読み出したところ、本文の書体、本文の文字の大きさ、行間が、それぞれ別の値として並んでいました。 同じ場所にあるので、書体を変えたときに行間も一緒に見直せます。
変更は画面へすぐ反映されます。 少しずつ動かして、読みやすいところで止める、という調整ができます。
調整の順番
実際に決めるなら、次の順が早く終わります。
- 文字の大きさを先に決める。 自分の画面と目の距離で、無理なく読める大きさにする
- 次に行間を広げる。 行を目で追いやすくなるところまで広げ、広げすぎて視線が飛ぶ手前で止める
- 最後に書体を選ぶ。 ここまでが決まっていれば、書体の違いが素直に比べられる
書体を最後にするのが要点です。 大きさと行間が決まっていない状態で書体を比べても、何を比べているのか分からなくなります。
設定を控えて戻せる
設定は書き出して控えを取り、あとから戻せます。実際に検証の前に控えを取り、終了時に戻しました。試しに大きく変えてみて、気に入らなければ戻す、という進め方ができます。
作業ごとに別の設定を持てる
画面の並べ方ごとに、そのときだけの文字の大きさを決めることもできます。初稿を書くときは大きめ、推敲で全体を見るときは小さめ、といった使い分けができます。実際に開発版で確かめたところ、画面の並べ方を追加し、そこに文字の大きさの上書きを持たせる操作がありました。
書くときと読み返すときで、設定を変える
もう一段進んだ使い方として、作業の種類ごとに設定を変えるという手があります。
初稿を書いているときは、目の前の1行に集中したいので、文字を大きめにして行間も広めにします。画面に入る文字数は減りますが、それでいいのです。 先を読み返す作業ではないからです。
推敲で全体を見るときは逆にします。文字を小さめにして、1画面に入る量を増やす。段落の切れ方や、会話の続き具合を、まとめて見たいからです。
同じ設定で両方をやろうとすると、どちらも中途半端になります。 rune Studioでは画面の並べ方ごとに文字の大きさを持てるので、この使い分けを設定として残せます。
向く人と、別の方法が向く人
向いているのは、1日に何時間も日本語を書く人です。 長編小説、技術書、翻訳。時間が長いほど、行間の差が効いてきます。
短い文章を書くだけなら、既定のままで構いません。 30分で書き終わる文章なら、設定の差は体感に出ません。
なお、確かめたのは設定として書体・大きさ・行間があること、控えを取って戻せること、画面の並べ方ごとに大きさを持てることまでです。どの書体が読みやすいかは人によります。 ここでは特定の書体を推していません。
まとめ
- 読みやすさは書体だけでなく、文字の大きさと行間の組み合わせで決まる
- 書体だけを変えて行間を変えないと、変える前より読みにくくなることがある
- rune Studioは書体・大きさ・行間を同じ設定として持ち、変更がすぐ反映される
- 決める順番は、文字の大きさ → 行間 → 書体
次の一歩として、いまの設定で行間だけを少し広げて、30分書いてみてください。それだけで変わるなら、書体を探す前にやることがあります。

