
資料を横に置いて書いても、本文のどの文が資料のどこに基づくか分からなければ、確認のたびに読み直します。資料全体を常時表示するのではなく、一つの主張に必要な出典位置、確認した事実、許容できる表現、制限を根拠カードへ抜き出すと、本文と資料の対応を追えます。
この記事は、二ペインの一般配置や、シナリオの設定連続性を確認する記事ではありません。事実を伴うライティングに限定し、一主張ずつ根拠へ戻れる執筆環境を作ります。
資料を四種類に棚卸しする
執筆前に資料を、一次資料、公式説明、実操作記録、参考解説へ分けます。製品仕様なら公式資料、操作結果なら実記録を優先します。参考解説だけで現行機能を断定しません。
各資料に、資料ID、名称、版または確認日、保存場所、参照範囲を書きます。ウェブ資料はURLだけでなく見出し名と確認日を残します。PDFならページ、ローカル文書なら見出しまたは行の目印を記録します。
未公開資料や個人情報は、外部へ送らずローカルの安全な場所で扱います。本文へ必要のない秘密情報は根拠カードにも転記しません。
一主張につき一枚の根拠カードを作る
根拠カードには次の六項目を書きます。
- 本文で答える質問
- 資料IDと出典位置
- 資料から確認できる事実
- 本文で許容する表現
- 制限・除外
- 再確認が必要になる条件
資料の長文をそのまま貼らず、自分の言葉で事実を短く要約します。引用が必要な場合は必要最小限にし、引用符と出典を明示します。カードだけを読んでも、断定できる範囲とできない範囲が分かる状態にします。
たとえば「二章のEPUB生成に成功」という事実から、「すべての作品で必ず成功」とは書けません。許容表現と制限を分けることで、本文の誇張を防げます。
左に本文、右に根拠カードを置く
左ペインへ本文、右ペインへ現在の根拠カードを開きます。元資料は別タブに置き、カードの出典位置を再確認するときだけ開きます。右に資料集を何十件も並べるのではなく、一主張の判断面を固定します。

本文の対象文とカードに同じ主張IDを付けます。本文へ最終的にIDを残さない場合も、下書き中は検索できる印として使います。カードから本文へ、本文からカードへ一回の検索で移れることが完了条件です。
rune Studioの機能一覧には左右・上下・ネスト分割と比率設定があります。既存CLI検証では三タブ、h3、比率0.52/0.48/0.50、見出し連動、連動状態true/true/falseを保存し、close/open後にraw値が一致しました。これは設定保存・再読込であり、資料の自動引用や出典位置同期、GUIの実スクロールを確認した結果ではありません。
事実・解釈・提案を一段落で混ぜない
本文を書くときは、まず資料で確認した事実を書き、次にその事実からの解釈を書き、最後に読者への提案を書きます。三つを一文に詰めると、どこまでが資料の内容か分かりにくくなります。
解釈には「この結果から」「この検証範囲では」など境界を示します。提案は読者が行う手順であり、製品の実証結果とは分けます。未確認事項は消さず、カードの制限から本文へ必要な一文を移します。
数字を使う場合は、単位、対象、条件、確認日をカードと照合します。終了コード、文字数、ファイル数などが別の検証と混ざっていないか見ます。
相互検索で対応を確認する
一節を書き終えたら、本文中の主張IDを検索し、対応カードが一枚あることを確認します。次にカードのIDを検索し、本文の対象文が一つ以上あることを確認します。
本文だけ残りカードがない主張は、根拠不足または一般的な編集提案として分類し直します。カードだけ残り本文に使わなかった資料は、今回の本文から外します。資料量を記事の説得力と混同しません。
同じカードを複数文で使う場合は、各文がカードの許容表現内か確認します。一つの実操作結果を速度、使いやすさ、安全性の三つへ無制限に広げないでください。
資料更新時は影響主張だけ開く
公式資料や操作記録が更新されたら、資料IDと版を変えます。そのIDを検索し、対応するカードと本文文だけを再確認します。記事全体を最初から読むより、変更の影響範囲を限定できます。
新資料が以前の主張を否定する場合は、旧カードを削除せず失効日を付け、新カードへ置き換えます。本文の更新日と確認条件も直します。
執筆を閉じる前に、本文から一時的な主張IDを削除し、必要な出典リンクや注記を残します。削除後もカード側には掲載先の見出しを記録し、将来の更新経路を保ちます。
結論:横に置くのは資料ではなく判断範囲
テキストエディタで資料を横に置くなら、一主張ごとに出典位置、事実、許容表現、制限を根拠カードへまとめます。左本文・右カードにし、元資料は必要時だけ別タブで確認してください。
主張IDの相互検索と資料版の記録があれば、本文から根拠へ戻り、資料更新時も影響する文だけを直せます。分割表示が、資料を眺める画面から、断定範囲を守る執筆環境へ変わります。
最終監査では元資料をいったん閉じ、各重要主張をカードだけから再構成します。出典位置、条件、制限が曖昧なときだけ元資料を開き直してください。カードだけで再構成できない主張は、本文が説得的に見えてもカード未完成です。文章を磨く前にカードを直します。