
30万字級の長編に対応するMacテキストエディタを確かめるなら、長い原稿を一つ開くだけでは不十分です。299,999文字、300,000文字、300,001文字の3ファイルを用意し、大容量判定の境界と、判定後に残る編集・検索・保存を分けて確認してください。
「大容量対応」という表示だけでは、何文字から挙動が変わるのか、止まるのが装飾か編集そのものか分かりません。境界の前後を同じ内容で比較すると、仕様と不具合を区別しやすくなります。
この記事は購入前の総合機能表や、本番中の執筆ルーティンではありません。30万文字の境界を再現する診断手順に絞ります。
大容量対応を二層に分ける
最初に、エディタの機能を二層へ分けます。
- 中核: 開く、カーソル移動、入力、検索、置換、保存、閉じて再開
- 表示補助: 色分け、編集記号、同一語強調、登録語ハイライト、行番号、文字数
長編で表示補助を止めることと、本文を編集できないことは同じではありません。候補を診断するときは、表示が減っただけで失格にせず、中核操作が完了するかを別の表へ記録します。
反対に、画面が開いただけで合格にもしません。既知の語を探し、一文を変え、保存後に再検索して初めて中核が残ったと判断します。
3つの境界ファイルを用意する
原本ではなく試験用ファイルを作ります。内容は同じ文字の反復でも、実原稿の複製でも構いません。重要なのは、候補が数える単位と文字数をそろえることです。
- 299,999文字: 閾値直前
- 300,000文字: 閾値ちょうど
- 300,001文字: 閾値直後
ファイル容量やバイト数ではなく、ツールが定義する文字数を確認します。日本語、改行、結合文字、絵文字などで数え方が変わる可能性があるため、仕様がUnicode文字数なら、その判定結果をツール自身で表示できるかを見ます。
三つのファイルは同じフォルダへ置き、名前に文字数を入れます。別内容を使うと、見出しや記法の量が結果へ影響するため、境界だけを調べる試験では内容をそろえてください。
まず大容量判定だけを確認する
各ファイルを順番に検査し、大容量判定が切り替わる場所を記録します。期待値が「30万文字以上」なら、299,999は通常、300,000と300,001は大容量です。
境界ちょうどで判定が変わらない場合は、「超える」と「以上」の表現違い、改行を含むか、文字数の定義を確認します。体感速度で推測せず、判定値を根拠にします。
次に、警告や無効状態から止まった表示機能を確認します。ユーザー設定が勝手に消えたのか、大容量ファイルを開いている間だけ停止しているのかも区別してください。
中核操作を同じ順番で実行する
大容量と判定された二つのファイルで、次の操作を同じ順番で試します。
- 先頭・中央・末尾へ移動する
- 必ず存在する語を検索する
- 試験用の一か所だけ置換する
- 手動保存する
- ファイルを閉じて再度開く
- 置換後の語を再検索する
所要時間を測る場合は、Mac、他のアプリ、電源状態、初回と二回目をそろえます。今回は完了可否を先に記録し、速度の優劣は別試験にします。
置換は必ず複製ファイルで一件に限定します。全体置換を性能試験にすると、誤操作時の影響が大きく、保存結果の確認も複雑になります。
表示停止が意図どおりか確認する
表示補助は、一項目ずつ「通常ファイルで利用可」「大容量で停止」「再び短いファイルで復帰」の三状態を確認します。短いファイルへ戻っても復帰しないなら、一時停止ではなく設定変更や不具合の可能性があります。
全表示を使う必要がある人は、長編を章ごとに分ける選択肢も記録します。ただし分割は、正本、検索範囲、章順、出力手順が変わる設計判断です。この診断だけで自動的に分割しません。
rune Studioで確認した境界
rune Studioの現行Mac版は、Unicode文字数で30万文字以上を大容量と判定します。CLIで「あ」を反復した三ファイルを検査した結果、299,999文字はisLargeFile false、300,000文字と300,001文字はtrueでした。
全機能一覧では、30万文字以上で色分け、編集記号、同一単語ハイライト、テキストハイライト、行番号、文字数カウントを自動停止します。すべての表示機能を使う場合はファイル分割を案内します。
別の919,514文字の検証では、検索、1件の限定置換、手動保存、再検索をCLIで完了し、保存後は919,517文字になりました。これは当該ファイルで中核操作を確認した結果です。GUIの体感速度、IME遅延、すべてのMac構成、さらに大きなファイルの限界を保証するものではありません。

結論:境界と中核を別々に合格させる
30万字級の長編対応は、長いファイルが開くかだけで判断しません。299,999、300,000、300,001文字で大容量判定を再現し、停止する表示補助を確認します。
その後、編集、検索、限定置換、保存、再開が残るかを同じ順番で試してください。仕様どおり重い表示だけが減り、中核操作を完了できる候補なら、30万文字の境界を説明できる長編対応として次の速度試験へ進めます。