推敲の見落としを減らす!テキストエディタのハイライト、選択中の同一語をハイライト

選択した語と同じ箇所だけを原稿内で一斉にハイライトするアイキャッチ

推敲中に一つの言い回しが気になったら、その語を選び、同じ文字列が近くに固まっていないかを見ると、反復を残すか直すかをその場で判断できます。選択中の同一語を示すハイライトは、原稿全体を検査する道具ではありません。気づいた一語から、同じ一語が使われた周辺へ視野を広げる道具です。

この記事が扱うのは、反復表現の判断です。表記ゆれの候補管理や、検索結果の件数確認、置換の実行は別の記事に譲ります。

見つけたいのは「同じ語」ではなく「不要な反復」

同じ語が複数あること自体は、誤りではありません。主語を明確にするための固有名詞、手順を支える専門用語、意図的な呼びかけは、繰り返したほうが伝わります。

一方で、書き手が無意識に重ねた副詞や言い回しは、近い範囲に並ぶと文章を重くします。たとえば二つの段落で「思わず」が続いていたら、どちらか一方だけで驚きが伝わるかもしれません。

必要なのは一律の削除ではなく、各使用箇所の役割を比べることです。 ハイライトは、その比較対象を一度に見つけやすくします。

一語から反復を判断する3つの軸

1. 距離を見る

同じ語が隣り合う二文にあるのか、数ページ離れているのかで印象は変わります。近い反復ほど読者の目に残りやすく、離れた反復は同じ役割でも気にならない場合があります。

画面内に同じ語が複数見えたら、まず前後の文まで読みます。原稿全体の数を先に求めるのではなく、いま読んでいる範囲で響きが重なるかを判断します。

2. 文中の役割を見る

同じ文字列でも、役割が違えば残せます。「静かに扉を閉めた」と「部屋は静かだった」では、一方は動作の様子、もう一方は場面の状態です。

反対に、どちらも同じ感情を補うだけなら、一方を削る、具体的な動作へ変える、文そのものをまとめる、といった選択ができます。単語だけを類義語へ置き換えると、意味は同じまま表面だけが変わることがあるので、文の役割から決めます。

3. 意図した反復かを見る

反復はリズムにもなります。短い言葉を段落の頭で繰り返す、台詞の中で呼びかけを重ねる、といった使い方です。

意図を一文で説明できる反復は残します。「何となく続いた」なら、片方を外した版も読んで比べます。ハイライトは誤りの印ではなく、判断が必要な候補の印として使うのが要点です。

同一語のハイライト結果を読む順番

同一語が示されたら、最初に表示された数ではなく前後の文を読みます。次に、距離、文中の役割、意図した反復かの3点で使用箇所を比べます。最後に、残す、削る、文を組み替える、のいずれかを決めます。

この順なら、ハイライトそのものを校正結果と誤解しません。機能が示すのは同じ文字列の候補であり、編集判断は前後の文章を読んだ書き手が行います。

rune Studioでの位置づけ

rune Studioの製品資料には、選択した文字列と同じ語を約0.3秒後に強調する機能が記載されています。この記事では、その機能を一語から反復候補へ視野を広げるための一時的な確認として位置づけます。

数を集計する機能、未知の口ぐせを自動で見つける機能、別表記まで同じ語と判断する機能とは扱いません。「出来る」を選んだときに「できる」も同じ候補になる、とは考えず、ここでは選んだ文字列そのものの反復だけを判断します。

ハイライトだけでは決められないこと

登場回数の多さだけでは、直す理由になりません。 作品名や人物名のように、正確さのため繰り返す語があります。

別表記の不一致は、この判断から分けます。 「引っ越し」と「引越し」は文字列が違うため、既知の候補を並べて統一する工程が必要です。

まだ気づいていない口ぐせも対象外です。 最初に一語を選ぶ必要があるため、未知の問題を網羅する機能ではありません。

この三つを切り分けると、ハイライトに「文章の悪いところを全部見つけてもらう」という役割を背負わせずに済みます。

向く人と、別の方法が向く人

向いているのは、読み返しの流れを止めずに反復だけをその場で判断したい人です。 小説の副詞、エッセイの言い回し、解説文の接続語など、一語に気づいた瞬間の確認に合います。

原稿全体の件数が必要な場合や、複数の表記候補をまとめて調べる場合は検索が向きます。長期的な表記ルールを管理したい場合は、候補表や用語リストを使います。

まとめ

次の一歩として、直近に書いた章で同一語のハイライトが示されたとき、数ではなく前後の文を読んでください。残す理由を説明できない反復だけを直します。

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