違いがひと目で分かる!小説用テキストエディタ、章・設定資料を管理する方法

章の四つの変更操作と関連資料の参照修復を管理するアイキャッチ

小説の章管理で事故が起きやすいのは、最初にフォルダを作るときより、執筆途中で章を追加、改題、移動、削除するときです。本文だけを動かすと、章順表、伏線メモ、人物設定の参照、EPUBの出力対象が古いまま残ります。変更票を一件ずつ閉じれば、どこを直したか説明できます。

この記事は、作品ルートを四区分へ初期設計する記事でも、散在資料を棚卸しする記事でもありません。章構成が変わる場面に限定し、追加・改題・移動・削除の四操作と参照修復を扱います。

変更前の状態を保存する

作品の正本を確認し、章ファイル一覧、章順、設定資料からの参照、現在の出力対象を一枚へ記録します。ファイル名だけでなく、章IDと見出しも残してください。章番号は移動で変わりますが、章IDは同じ内容を追う印になります。

操作前に作品フォルダを複製するか、利用中の版管理で復帰点を作ります。削除予定の章もすぐ消さず、退避場所へ移せる状態にします。復帰方法を試さずに大規模な章移動を始めないでください。

変更票には、変更種類、対象章ID、旧名称・旧位置、新名称・新位置、変更理由、影響しそうな資料、完了条件を書きます。一枚へ複数の章変更を詰め込まず、一件ずつ終わらせます。

追加は入口と出口を決める

新章を追加するときは、前章の出口と次章の入口を書きます。登場人物の所在、持ち越す小道具、時刻、未解決の目的をそれぞれ一行で残します。新しいファイルを作っただけでは、物語の接続は管理できません。

章IDを付け、ファイルツリー、章順表、EPUB出力対象へ同じ章を追加します。設定資料から新章を参照する場合は、章番号ではなく章IDまたは固有見出しを使うと、後の移動で追跡しやすくなります。

追加後に新章の先頭と末尾を検索し、前後章からたどれることを確認します。空の章を出力対象へ入れた場合の扱いも決めます。

改題は旧名を再検索する

章見出しとファイル名は別項目です。読者に見せる章題だけ変えるのか、管理用ファイル名も変えるのかを変更票で分けます。両方を一度に変える場合は旧名から新名への対応を残します。

改題後、作品全体で旧章題と旧ファイル名を検索します。章順表、伏線メモ、人物年表、リンク、出力設定の残りを確認します。引用として意図的に残す旧名は、誤りと数えず理由を記録します。

新章題も検索し、意図した箇所以外へ誤置換していないか見ます。一括置換より、参照の種類ごとに判断する方が安全です。

移動は物語順とファイル順を分ける

章を移動するときは、ファイルツリー上の並び、作品の読書順、EPUBのspine順を分けて確認します。ファイル名を変えただけで三つが自動一致すると仮定しないでください。

移動前後の章について、時刻、人物の知識、小道具、伏線の提示と回収を読みます。第8章を第5章へ動かすと、登場人物がまだ知らない情報を話すことがあります。設定資料の出来事順も更新します。

移動後は章順表を正本として再入力し、プレビューまたは試験出力で前後の見出しを開きます。章番号を本文中に書いている場合は再検索します。

削除は退避と参照ゼロを確認する

削除する章は、まず出力対象から外し、退避フォルダへ移します。本文の正本から完全に消すのは、参照修復と試験出力が終わった後です。

章ID、章題、固有の台詞や出来事を検索し、他章の「前章で起きたこと」、設定資料、伏線表、画像参照が残っていないか確認します。削除した出来事を別章へ移すなら、新しい所在を変更票へ書きます。

参照ゼロは検索結果0件だけで決めません。同じ出来事を別表記で参照している場合があるため、人物・小道具・場所の設定も読みます。

一件ごとに試験出力して閉じる

四種類の変更は、一件が終わるたびに章順を保存し、二章以上を含む試験出力を作ります。目次から変更章へ移動し、前後章が期待順に開き、本文や画像が欠けていないかを確認します。

rune Studioの既存検証では、フォルダ型ワークスペース、検索・保存・再検索、二章の章順設定とEPUB生成を段階4で確認しています。既存の実画面では、第一章と第二章が同じワークスペースのタブで開かれ、EPUB生成前の確認画面ではページ順に第一章と第二章が並ぶ状態を確認しました。ただしGUIでのファイル改名・移動、参照の自動修復、四変更への自動追随を確認した結果ではありません。変更票と再検索を手動の完了条件にしてください。

Rune Studioで第一章と第二章を同じワークスペースのタブに開いた画面
第一章と第二章を同じワークスペースのタブで開いた画面。
Rune StudioのEPUB作成画面で作品情報、ページ順、出力ファイル名を確認するページ6
ページ6「確認」で、作品情報、ページ順、出力ファイル名を生成前に確認する画面。

完了票には、正本の章順、修復した参照、残した例外、試験出力名、復帰点を記録します。次の変更は前の票を閉じてから始めます。

影響の大きい変更票は、閉じる前にワークスペースを一度開き直します。安定した章IDを検索し、直前・直後の章を開いて、表示順を変更票と照合してください。古い章順へ戻る、または退避したコピーが開く場合は中断し、復帰点から戻します。現在のセッションだけで正しく見えた変更と、次の執筆でも保たれる変更を分けます。

シリーズ作品では、変更した章を後続巻が参照していないかも記録します。今回の変更票で後続巻まで直さず、関連する別の変更票を作って現在の作業範囲を閉じてください。

結論:章ではなく参照まで一件ずつ動かす

小説の章・設定資料を管理するには、追加、改題、移動、削除を別の変更として扱います。章ID付きの変更票を作り、章順、設定資料、検索結果、EPUB出力対象を一件ずつ修復してください。

ファイルが動いたことではなく、旧参照を説明でき、試験出力から新しい章順を確認できることが完了条件です。これなら長編の途中で構成を変えても、初稿と現在の正本を見失いません。