
Mac向けEPUB Metadata Editorは、著者名を書き換えられるだけでは選べません。一項目を直したとき、本文、章順、目次、表紙、識別子まで意図せず変わらないかを確認する必要があります。変更対象と非対象を分けて比較すると、既存EPUBの直接編集型と原稿正本からの再生成型を、自分の修正経路に合わせて選べます。
この記事は、必要な書誌項目を列挙する記事でも、入力漏れを防ぐ記事でもありません。基準EPUBの著者名だけを変更し、変更前後の非対象保持を二周確かめる購入前試験です。
直接編集型と再生成型を分ける
最初に候補の入口を確認します。既存EPUBファイルを開いてOPFを直接変更するのが直接編集型です。原稿、書誌、章順、画像を作品フォルダへ保持し、EPUBを作り直すのが再生成型です。
直接編集型は納品済みEPUBの小さな修正に向く場合がありますが、原稿正本へ同じ変更を戻さないと二重管理になります。再生成型は正本を一か所に置きやすい一方、生成のたびに識別子や更新日時などが変わる設計もあるため、非対象差分を確認します。
候補を同じ点数表へ入れる前に、自分が直す入口を決めてください。販売中EPUBだけを受け取って直すのか、原稿と設定を持っているのかで適切な型が変わります。
二章の基準EPUBを棚卸しする
著作権上問題のない二章の試験作品を用意し、変更前の基準EPUBを生成または複製します。元ファイルは読み取り用として残し、操作はコピーで行います。
変更前に次の値を記録します。
- title、creator、language、identifier、date
- manifestの項目数と主要ファイル名
- spineの章順
- navとNCXの有無、目次リンク数
- 表紙と画像のファイル名
- 本文XHTMLのハッシュまたは更新日時
すべての内部差分を人手で読む必要はありません。自分が保持したい項目を先に決め、対象外の値が同じかを後で照合できるようにします。dateは種類に注意します。Editorの発行日、EPUB生成日時、ストア公開日は同じ項目とは限りません。
著者名だけを変更する
最初の試験では著者名だけを「山田A」から「山田B」へ変えます。タイトル、言語、識別子、発行日、章順、表紙は触りません。直接編集型ならコピーしたEPUBを別名保存し、再生成型なら書誌正本を変更して新しい名前でEPUBを生成します。
操作中に候補が「全項目を正規化」「識別子を再作成」「目次を再構築」などを示したら、その選択と結果を記録します。便利そうだから無条件に許可するのではなく、今回の変更対象に必要かを判断します。
生成または保存が終わったら、まずcreatorが期待どおり変わったことを確認します。次に元EPUBと同じ検査を行い、非対象を比較します。
非対象の変更を四分類する
差分は四つに分けます。第一は期待変更で、creatorと、それに伴って仕様上必要な更新項目です。第二は説明可能な生成変更で、生成日時や圧縮順など、本文意味を変えず理由を説明できる差です。
第三は要確認変更です。identifier、章順、目次リンク、表紙参照が変わった場合は、候補の仕様と出版先への影響を確認します。第四は不許可変更で、本文内容、画像、章の欠落、無関係な書誌の消失などです。
EPUB全体のファイルハッシュは再圧縮だけでも変わるため、違うこと自体を失敗にしません。パッケージ内部の意味ある項目へ分解します。逆に検査がissues 0でも、意図しない著者以外の変更を許可したことにはなりません。
二回目は元へ戻して再現性を見る
変更後のコピーで著者名を元へ戻すか、正本設定を復元し、三つ目の名前でEPUBを保存・生成します。二回目も同じ非対象が保持されるか確認します。
一回目だけ成功して二回目に目次や識別子が変わるなら、操作履歴や自動更新の影響があります。毎回説明できる差なら運用へ記録できます。結果が揺れ、どのファイルが正本か分からなくなる候補は保留にします。
rune Studioの既存実操作では、二章へ作品名、著者、第1巻、版1.0、発行日、書字方向、章順を設定し、5,444バイトのEPUBを生成しました。navとNCXがあり、issues 0でした。これは原稿正本から生成・検査した根拠で、既存EPUB内部を直接編集した結果でも、本記事の著者名往復試験を完了した結果でもありません。

また、既存のメタデータ検証ではpublishDateと生成OPFのdc:dateを同一視せず照合しています。Editor画面の「日付」が何を意味するか、候補ごとに確認してください。
保持・再生成・保留を決める
直接編集型を採用するのは、既存EPUBが正本で、著者名変更後も本文・章順・目次・表紙・識別子を保持し、変更記録を残せる場合です。再生成型を採用するのは、原稿と設定が正本で、同じ入力から説明可能な出力を繰り返せる場合です。
条件付き採用では、毎回変わる項目と確認手順を書きます。識別子の扱いや生成日時など、出版先へ影響する項目は先にルールを決めます。不許可変更が一つでもある、または差の理由を説明できない候補は保留です。
結論:一項目を直した後の非対象で選ぶ
Mac向けEPUB Metadata Editorは、二章の基準EPUBで著者名だけを変更し、本文、章順、目次、表紙、識別子がどうなるかを比較して選びます。全体ハッシュではなく、期待変更、説明可能な生成変更、要確認変更、不許可変更へ分けてください。
メタデータを入力できることより、一項目を直した後も他の資産を守り、元へ戻す二周目を再現できることが重要です。その結果から、直接編集型、再生成型、保留を決めましょう。


