
テキストエディタのツリー表示で原稿を素早く切り替えられるかは、秒数だけで決めません。この記事では「一回選択・再検索なし・正本パス表と一致」の三条件を各遷移が満たすことを、探索のやり直しがない切替の採否基準にします。開始S0を含む五状態、画面を移る操作は四遷移です。各遷移の開始時刻、終了時刻、操作回数、再検索有無、到達パスを記録します。
この四遷移の速度は、まだ実測結果ではありません。読者が自分のワークスペースで使う検査計画です。実際に確認できたのは、ツリー、タブ、展開状態をワークスペースの再読込後も扱えたところまでです。
部・章・節の置き方を決めたい場合は、長編原稿の階層設計を扱う解説が適しています。十二ファイルをIDと実パスで見分けたい場合は、ファイル識別台帳を作る解説を参照してください。この記事では、自動構成生成、クラウド同期、共同編集、アプリ終了後の未保存本文復元も扱いません。
五状態・四遷移の試験へ固定する
切替ルートは次の一行です。
開始S0 C04 → 遷移1 人物表 → 遷移2 正本C07 → 遷移3 保管済みC07 → 遷移4 C04
開始状態は切替操作に数えません。開く対象が四回変わるため、正しい表現は「四遷移」です。各遷移の直前に開始時刻、直後に終了時刻を記録し、同じ行へ現在ID、タブ名、実パス、操作回数、再検索有無を書きます。
ここでいう「操作一回」は、展開済みツリーから目的の行を一度選択することです。フォルダを探し直す、ツリー検索を再実行する、同名タブを順番に開いて確かめる操作が入れば一回選択にはなりません。経過時間は終了時刻から開始時刻を計算しますが、未実測なので秒数の合格閾値は設けません。
ID・タブ名・実パスを一対一の表へ置く
試験で使う実体は次の四件です。
| ID | タブに出る実ファイル名 | 実パス | 役割 |
|---|---|---|---|
| C04 | C04.md | manuscript/chapters/C04.md | 未保存変更を持つ正本 |
| R-CHAR-01 | characters.md | references/characters.md | 人物表 |
| C07 | C07.md | manuscript/chapters/C07.md | 編集対象の正本 |
| A-C07 | C07.md | archive/old/C07.md | 編集しない保管済み旧稿 |
正本C07と保管済みC07は、どちらも実ファイル名とタブ名がC07.mdです。根拠のない別名へ読み替えません。同名を区別する証拠は、C07とA-C07のID、およびmanuscriptとarchiveの親パスです。
開始状態S0でC04を未保存にする
manuscript/chapters/C04.mdを開き、テストID U-C04-01を一行追記して保存しません。開始状態S0の記録は次の四点です。
- 現在ID:C04
- タブ名:C04.md
- 実パス:manuscript/chapters/C04.md
- 未保存タブ:C04.md
U-C04-01は開いているセッション内で未保存本文を追う目印です。アプリを終了しても自動復元される証拠にはしません。
遷移1:C04から人物表へ移る
一回目の遷移でreferences/characters.mdを開きます。遷移後の現在IDはR-CHAR-01、現在タブはcharacters.mdです。一方、未保存表示はC04.mdのタブに残っているかを確認します。
ツリーの選択色だけを証拠にしません。人物表が選択されていても、編集ペインに別タブが残る場合を区別するため、現在タブと実パスを同じ行へ書きます。
遷移2:人物表から正本C07へ移る
二回目の遷移でmanuscript/chapters/C07.mdを開きます。IDはC07、タブ名はC07.md、役割は正本です。C04.mdの未保存表示がC07へ移っていないことも確認します。
正本かどうかは、更新日時やツリーの上側にあるかでは決めません。C07のIDとmanuscript/chapters/C07.mdの組み合わせを正本表と照合します。
遷移3:正本C07から保管済みC07へ移る
遷移3でarchive/old/C07.mdを開きます。タブ名は正本と同じC07.mdですが、IDはA-C07、親パスはarchive/oldです。この行の判定を「保管稿・編集なし」とします。
誤入口を開いた事実を記録から削除しません。同名タブでも親パスを読めば保管稿と分かり、編集前に停止できたことが試験の証拠です。
遷移4:保管済みC07からC04へ戻る
四回目の遷移でmanuscript/chapters/C04.mdへ戻ります。最終状態では、正本パス、U-C04-01、C04.mdの未保存表示が同時にそろうことを確認します。
ここでU-C04-01が見えない、未保存表示が別タブへ付いている、archive側C04を開いている、のいずれかなら不合格です。開始S0と最終C04の四点を並べ、変えてよい現在タブと、保持すべき未保存状態を分けます。
五状態・四遷移の計測票を埋める
開始S0は切替前の基準状態です。基準時刻、現在ID、実パス、未保存タブを記録します。遷移1〜4は、選択する直前の開始時刻と、目的ファイルのパスを確認した直後の終了時刻を記録します。
| 行 | 切替元→切替先 | 開始時刻 | 終了時刻 | 操作回数 | 再検索 | 到達すべき実パス | 採否 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| S0 | —→C04 | 基準時刻を記入 | — | 0 | なし | manuscript/chapters/C04.md | 基準状態 |
| 1 | C04→R-CHAR-01 | 実測時に記入 | 実測時に記入 | 実測時に記入(採用は1) | 実測時に記入(採用はなし) | references/characters.md | 未実測 |
| 2 | R-CHAR-01→C07 | 実測時に記入 | 実測時に記入 | 実測時に記入(採用は1) | 実測時に記入(採用はなし) | manuscript/chapters/C07.md | 未実測 |
| 3 | C07→A-C07 | 実測時に記入 | 実測時に記入 | 実測時に記入(採用は1) | 実測時に記入(採用はなし) | archive/old/C07.md | 未実測 |
| 4 | A-C07→C04 | 実測時に記入 | 実測時に記入 | 実測時に記入(採用は1) | 実測時に記入(採用はなし) | manuscript/chapters/C04.md | 未実測 |
採用するのは、各遷移が一回選択、再検索なし、到達パスが上の正本パス表と一致、の三条件を同時に満たした場合だけです。遷移3は意図的に保管稿を開くため、A-C07として登録したarchive/old/C07.mdとの一致を確認し、編集はしません。四行のうち一行でも選び直しや再検索があれば、「素早く切り替えられた」という結論は保留します。
Rune Studioで確認できる範囲を限定する
Rune Studioの公開機能資料では、ファイルツリーにフォルダ優先表示、展開状態保持、内部表示、パスコピー、Finder表示があります。タブ管理には未保存表示、ファイル選択、パスコピー、未保存タブを閉じる前の確認があります。レイアウト情報は各ペインのタブとアクティブタブを保存対象に含みます。
実際の確認で確認済みなのは、ツリー、タブ、展開状態をワークスペース再読込後も扱えたところまでです。ただし、この記事固有のC04→人物表→正本C07→保管済みC07→C04について、四遷移の開始・終了時刻、操作回数、再検索有無を測った記録はありません。速度は読者検査計画で未実測です。タブ情報から、未保存本文そのものの終了後復元も推測しません。

三条件を満たしたときだけ素早い切替と判定する
テキストエディタのツリー表示で原稿を切り替える前に、開始C04の正本パス、U-C04-01、未保存表示をS0へ固定してください。その後、四遷移の開始時刻、終了時刻、操作回数、再検索有無、到達パスを省略せず記録します。
最終状態でmanuscript/chapters/C04.md、U-C04-01、C04.mdの未保存表示がそろい、さらに四遷移すべてが一回選択・再検索なし・正本パス表一致なら、探索のやり直しがない切替として採用できます。実測前に「速かった」とは判定しません。Rune Studioで試す場合は、Rune Studioの商品ページで現行範囲を確認し、この五状態・四遷移の計測票へ結果を残してください。


