
シナリオのツリーは全体の地図、タブは今日の机です。全十五シーンをタブに並べると、場面を管理しているつもりで、毎回同じ探索を繰り返すことになります。この記事では三幕のシーンへ固定IDを与え、今日直す三場面だけをタブへ昇格させます。参照だけの場面は一時的に開き、終了時に収納することで、翌日も同じ目的から再開できる状態を作ります。
ツリーを三幕十五シーンの住所録にする
複製シナリオをACT1-S01〜S05、ACT2-S06〜S10、ACT3-S11〜S15のように分けます。IDは台詞や場所の名前ではなく、改稿しても変わらない住所です。見出しが変わっても同じ場面を追えるため、タブの位置や行番号より長く使えます。
ツリー側には全シーンを置き、幕の所属と正本パスを記録します。順序変更はツリーの正本へ戻し、タブの並びだけで構成を決めません。全体構造をツリーへ固定すると、作業中の机を小さくしても物語の地図を失いません。
今日の三場面を編集タブへ昇格する
朝の開始時に、今日変更する場面を三つだけ選びます。例ならS03-opening-v04、S08-midpoint-v07、S14-climax-v03です。各タブ名にシーンIDと版を残し、何を直すかを一行で添えます。タブ数は三本を基準にし、全体を開きっぱなしにしません。
昇格の条件は『今日、本文を変更する』ことです。読むだけの資料や比較用の旧稿は編集タブへ数えません。作業対象を絞ることで、中央の本文幅を守り、別場面へ誤入力する可能性を減らせます。
参照場面はツリーから借りて返す
伏線を確認するためS02を開く場合は、タブ名かメモに『参照のみ』と書きます。確認が終わったら閉じ、今日の三場面へ戻ります。参照タブを翌日まで残すと、編集対象と同じ顔をし始めるためです。
参照中に修正が必要だと分かったら、その場で書き換えず、次の作業候補へ登録します。編集へ昇格するなら、正本パスと目的を確認してから今日の集合へ追加します。この一段階が、コピーや旧稿を正本として直す事故を防ぎます。
場面IDで台本・人物表・メモを結ぶ
シーンを探す手掛かりはタブ位置ではなくIDに統一します。本文のS08、人物表のS08登場欄、改稿メモのS08課題を同じ検索語で結びます。行番号は加筆で動きますが、場面の意味を示すIDなら三つの資料を再びそろえられます。
検索で一致したからといって正本とは限りません。本文、参照資料、作業メモの役割をツリーに記録し、どれを編集できるかを明示します。IDは所在を見つける印、正本欄は更新権限を決める印として別々に使います。
終了時にタブを片付け、目的を三行で残す
作業の最後に、変更した三場面、最後に確認した位置、次の一手を三行で書きます。参照タブは閉じ、編集タブも翌日の課題がなければツリーへ戻します。開いたままの画面を記憶代わりにしないことが重要です。
終了メモの例は『S03導入を短縮済み』『S08対立の台詞まで確認』『次はS14の伏線語を照合』です。翌朝はこの三行から必要な場面だけを再び昇格します。画面状態が復元されなくても、作業の意図を再構成できます。
翌日に三場面の目的を復元する
再起動後、ツリーからS03、S08、S14へ戻り、それぞれの修正目的を一行で言えるか試します。タブが自動復元されたかではなく、正しい場面、正しい版、正しい目的へ戻れたかを見ます。三つのうち一つでも説明できなければ、終了メモか命名が不足しています。
誤ったファイルを開いた場合は、タブ数を増やして解決しません。ID、正本パス、版、終了メモのどこが曖昧だったかを直します。復帰試験はツールの便利さを競うものではなく、自分の運用が翌日も通じるかを見る健康診断です。
Rune Studioのツリーとタブへ役割を割り当てる
Rune Studioのファイル管理とタブは、全体構造と今日の作業集合を分ける候補になります。ツリーに全シーン、タブに今日の三場面という役割を与えれば、画面分割そのものを目的にせず、シーンIDで移動できます。
ただし、ツリーとタブは版履歴や共同編集権限を代替しません。どのファイルが正本か、誰が更新するか、過去版へどう戻るかは別の仕組みで管理します。この記事が評価するのは、場面の住所録と今日の机を分離できるかです。

第2幕だけで昇格ルールを試す
いきなり全十五シーンへ広げず、ACT2-S06〜S10で予行します。今日の三場面をS06、S08、S10と決め、各タブへ『本文修正』『対立確認』『結末接続』の役割を一つずつ付けます。S07とS09はツリーに残し、参照が必要になった時だけ開きます。
終了時に三つの役割を回収でき、翌日に誤ファイルゼロで戻れたら、同じ昇格規則を第一幕と第三幕へ広げます。失敗した場合はタブ数を増やさず、ID、版、役割メモのどれが足りなかったかを直します。
結論:タブを保管庫ではなく今日の机にする
まず第2幕の五シーンへ固定IDを付け、今日直す三つだけを開いてください。参照場面は借りたら閉じ、終了時に三行の引き継ぎを残します。翌日に三場面の目的を復元できれば、タブ数を増やさず長いシナリオを管理できます。
全シーンを見える場所へ並べる安心感より、必要な場面をツリーから確実に取り出せる仕組みのほうが長く働きます。全体は地図、タブは作業台という役割を崩さないことが、シナリオ管理の中心です。