縦書きで崩さない!小説用テキストエディタ、縦書きで推敲する方法

縦書き原稿を目視確認と音読確認の二巡に分けて推敲するアイキャッチ

小説を縦書きで推敲するときは、横書きの編集画面をそのまま縦へ変えて眺めるだけで終わらせず、構造確認と音読確認の二巡に分けてください。一巡目は会話、句読点、段落の崩れを記録し、原稿へ戻して修正します。二巡目は未修正箇所と読みのリズムを確認します。

縦書きにすると、横書きでは気にならなかった短い台詞の連続、閉じ括弧付近の句点、段落の長さが目に入りやすくなります。ただし、プレビューを直接直したつもりになり、正本の原稿へ反映し忘れると意味がありません。

この記事は数字や英字の向き、完成EPUBの右開き、縦書きソフトの購入比較を扱いません。会話と段落を二巡で推敲する手順に絞ります。

執筆と縦書き確認の時間を分ける

執筆中に一文ごと縦書きへ切り替えると、表示確認が思考を中断します。章または場面を書き終えた時点で、縦書き推敲の時間を別に取ってください。

確認対象は一度に一章までにします。長い巻全体を開いて上から読むと、修正記録が増え、原稿へ戻す途中で抜けが起きます。章が長い場合は、場面区切りごとに範囲を決めます。

推敲前に原稿を保存し、必要なら複製を作ります。正本の場所、対象章、確認日を記録してから始めます。

修正記録を先に用意する

縦書きプレビューで見つけた問題は、次の四列で記録します。

  1. 検索できる本文の一部
  2. 問題の種類
  3. 直す内容
  4. 原稿反映済みか

ページ番号や画面上の行だけでは、ウィンドウ幅やフォントが変わると場所を探せません。固有の一文を短く控え、原稿検索で戻れるようにします。

問題の種類は「会話」「句読点」「段落」「空行」の四つで十分です。数字・英字の向きは別の確認表へ分けます。項目を増やしすぎると、一巡目の目的がぼやけます。

一巡目:構造を目で確認する

会話のまとまり

かぎ括弧の開始と終了、話者が変わる位置、短い台詞が連続する箇所を確認します。台詞だけが縦に並び、誰の発言か戻って読まなければ分からない場合は、地の文や動作を補う候補として記録します。

ここでは台詞の内容を書き直しません。問題箇所を記録し、章を最後まで見てから原稿へ戻ります。途中で直すと、プレビューの位置が変わり、見落としが増えます。

句読点と括弧

閉じ括弧の直前・直後、感嘆符や疑問符の後、三点リーダーやダッシュが続く箇所を見ます。表記ルールが作品内で統一されているかを確認し、例外を意図して使った場所には理由を残します。

行頭・行末に見える位置は表示幅で変わるため、プレビュー上の一画面だけで禁則処理の合格とはしません。完成EPUBと実リーダーの確認は別工程です。

段落と空行

一つの段落が長く縦に続きすぎないか、場面転換の空行が多すぎたり消えたりしていないかを見ます。段落分けは見た目だけでなく、視点、時間、話題の変化と一致しているかを判断します。

短い段落が連続する箇所では、意図した速度感か、単に文を細かく切っただけかを記録します。表示に合わせて機械的に改行を増やさないでください。

Rune Studioで日本語小説の章見出しと本文を縦書き表示したプレビュー
日本語小説の章見出しと本文を縦書きで表示したプレビュー画面。

原稿へ戻して一括で反映する

一巡目が終わったら、修正記録の本文断片を検索し、正本の原稿を直します。一件ずつ保存し、反映済みに印を付けます。

同じ表記を複数箇所で直す場合も、最初から全置換せず、検索結果を確認します。台詞の句読点は文脈による例外が多いため、範囲を限定してください。

修正後は、記録した本文断片の旧形が残っていないか再検索します。保存しただけではなく、検索結果で反映を確認します。

二巡目:別の速度で音読する

原稿を保存してプレビューを更新し、二巡目は声に出すか、口の中で区切りを意識して読みます。一巡目と同じ速度で目だけを滑らせると、内容を覚えていて見落とします。

二巡目では、修正した箇所の前後を読み、台詞から地の文への移行、句読点で息を置く位置、段落の切り替わりを確認します。新しい問題を見つけたら別記録にし、一巡目の反映漏れと混ぜません。

章の最後まで読み、未反映の印がゼロになったら縦書き推敲を完了します。翌日、章の冒頭と末尾だけ再確認すると、内容を覚えた直後の偏りを減らせます。

rune Studioで使える範囲

rune Studioの現行Mac版には、EPUB編集記法を反映するHTMLプレビューと、縦書き・横書きの切り替えがあります。全機能一覧ではショートカットはCmd+Option+Jです。

原稿側では検索と保存を使い、修正記録の本文断片へ戻せます。既存のCLI検証では、検索、限定置換、手動保存、再検索を確認しました。

このプレビューは、完成EPUBの右開き、実リーダーの禁則処理、個別の数字・英字の向きを合格とする根拠ではありません。完成ファイルの検査は別に行ってください。

結論:見る一巡、読む一巡に分ける

小説の縦書き推敲は、一巡目に会話、句読点、段落、空行を構造として確認し、原稿へまとめて反映します。二巡目は別の速度で音読し、修正箇所の前後とリズムを確認してください。

修正場所は画面の行ではなく本文断片で記録し、原稿検索と再検索で反映を追います。数字の向きや完成EPUBのページ進行を別工程へ分けることで、この手順は会話と段落を読みやすくする役割に集中できます。