
大容量原稿を安全に扱う鍵は、「軽いか重いか」を感覚で決めず、境界の前後とさらに大きい原稿で、止まる表示と残る操作を分けることです。原稿を短く分割する前に、文字数、検索、保存コピーの一致を確認すれば、負荷対策で本文を失う事故を避けられます。
標本はUTF-8・LFの299,999字、300,000字、450,000字の3ファイルで、各ファイルに固定語FIXED-LARGE-519を1件置きました。操作は文字数と大容量判定の読取、固定語検索、名前付きコピーの作成、文字数とSHA-256の照合です。3コピーとも原本と文字数・SHAが一致しました。UI表示の停止状態と体感速度は未確認なのでstatusは partial です。戻し先は変更していない3原本です。
境界の前後を一字差で比べる
製品に依存しない最初の確認は、原稿の文字数、文字コード、改行、検索用目印を固定することです。299,999字と300,000字を一字差にすれば、どこで大容量扱いへ変わるかを推測せずに見られます。450,000字は境界を越えた後も、検索と保存コピーが成立するかを見る標本です。
「開けた」を合格にせず、各原稿で固定語が1件見つかること、別名保存したコピーの文字数が同じこと、コピーのSHA-256が原本と一致することを確認します。原本は上書きせず、テストコピーだけを破棄できる状態にします。
止まる表示と残す操作を別の表にする
Rune Studioの公開資料では、30万文字以上で記法の色分け、編集記号、同一語・登録語ハイライト、行番号、常時文字数計算を停止します。一方、本文編集、検索・置換、半角検索、保存、自動保存、カーソル操作、文字コードエラー確認は残るとされています。
これはStage 3の仕様です。「必ず速い」「MacBookなら待ち時間がない」という性能保証ではありません。実機確認では、停止対象が実際に消えたかと、残るはずの操作が一つずつ完了するかを別欄に記録します。特に自動保存は、設定の存在ではなく保存完了後の内容で確認する必要があります。
Stage 4では三つの原稿が同じ手順を通った
299,999字はis_large=false、300,000字と450,000字はis_large=trueでした。固定語FIXED-LARGE-519は各1件見つかりました。各原稿から名前付きコピーを作り、コピーの文字数はそれぞれ299,999、300,000、450,000で原本と一致し、SHA-256一致も3件ともtrueでした。
この結果から、30万字ちょうどで大容量判定が切り替わること、三つの標本で検索と名前付きコピーの整合を確認できたことは言えます。実際に色分けや行番号が停止した画面、自動保存の完了、編集の応答時間、他のMacとの速度比較は言えません。
本番へ広げる手順
まず本番原稿の複製を作り、文字数、UTF-8、LF、固定語1件を記録します。次に大容量判定を読み、固定語を検索します。一文だけをテストコピーで変更して別名保存し、閉じて開き直します。変更箇所、文字数、保存先が説明できたら、必要な本番作業へ進みます。
表示負荷を減らした結果、検索や保存まで使えないなら採用を止めます。コピーの文字数またはSHAが想定と違う場合も正本へ反映せず、変更していない原本へ戻ります。分割が必要なら、章境界と結合順を別に管理し、この境界試験の成功と混同しません。
テストコピーの名前には元の文字数と検証日を入れ、299,999字、300,000字、450,000字を取り違えないようにします。
固定語は本文の先頭ではなく、各標本で同じ比率付近に置きます。検索が見つかったという一値だけでなく、該当位置へ移動でき、前後文を読めることも画面検証で確かめます。大容量判定が変わっても、原稿の途中へ戻れることが実用上の停止線です。
partialの次に確認すること
同じ3標本をデスクトップ版で開き、299,999字と300,000字の画面を比較します。停止対象6項目と、残る操作7項目を一つずつ確認し、自動保存後に再読込します。操作時間を測る場合はMacの機種、メモリ、OS、初回/再回を固定し、「常に軽快」という一般化を避けます。
STUDIO-512は長文境界と縦書きEPUBを組み合わせた選定、STUDIO-514はMac版導入、STUDIO-295はEPUB制作全体の選定です。本記事は大容量原稿で本文を保ったまま負荷の高い表示だけを減らす運用に限定します。今回の結論は、境界判定・検索・コピー整合は確認済み、画面と性能は未確認です。Rune Studioの商品ページで公開仕様を確認できます。


