
LF、CRLF、CRは、画面上で同じ改行に見えても、ファイル内では別のバイト列です。何を選ぶかは優劣ではなく、渡す相手の環境とプロジェクトの統一ルールで決めます。大切なのは、「見た目が同じだから同じ」と思い込まないことです。
三種類の違いを1行で整理する
LFは1バイトの改行、CRLFはCRとLFの2バイトの組み合わせ、CRは1バイトの別の改行です。現在のmacOSやUnix系ではLF、WindowsではCRLFがよく使われます。CRは古いMacの文書などで見かけることがあります。
ただし、拡張子や文章の内容だけでは決められません。同じ.txtでも3方式があり得ます。まず受け渡し先の指定を調べ、指定がなければ既存ファイルの方式を維持するのが無難です。
同じ20行のテストでは何が変わったか
同じ内容をLF、CRLF、CRの三つで保存して開き直すと、文面は同じでもファイルのバイト列は別物になりました。LFは10、CRLFは13,10、CRは13が改行位置に並び、3ファイルの内容指紋も異なります。
この結果は、「改行方式が違うと文章が壊れる」という意味ではありません。文章は正常に表示できても、差分ツールが全行を変更とみなしたり、取り込み先が想定外の改行として扱ったりするという意味です。
改行コードのせいで出る三つの症状
- Gitや比較画面で、一文字しか直していないのに全行変更に見える
- 読み込み先で行が一つにつながる、または空行が増える
- 保存のたびにLFとCRLFが往復し、共同作業の差分が落ち着かない
これらは、文字コードのUTF-8やShift_JISとは別軸の問題です。「UTF-8/LF」のように、文字コードと改行方式をセットで記録すると混同しません。
Rune Studioで変える前に見るところ
Rune Studioでは、開いているタブの文字コードと改行方式を確認できます。変更する前に、対象ファイルだけでよいか、プロジェクト全体で統一するか、渡す相手はどの方式を求めているかを決めます。
そのうえで作業用複製を別名保存し、改行方式を選びます。保存後に開き直し、行数、文末、意図した空行を確かめます。画面上の見た目だけでなく、ステータス表示の改行方式も再確認するのがポイントです。
統一しないほうがよい場面もある
古い業務システムへ取り込むデータ、テスト用に意図的に複数方式を残したファイル、対方の指定がある納品物は、MacではLFが一般的だからという理由で一括変換してはいけません。むしろ、既存方式を変えないことが正解です。
新規文書のルールを決めるなら、一つのプロジェクトで方式を固定し、エディタ側の表示を確認する運用が有効です。既存資産の移行なら、ファイル単位の変換記録を残します。
差が見えるテスト行を一つ用意する
改行コードを調べるとき、長い原稿全体を眺めるより、三行だけの複製で挙動をつかむ方が早くて安全です。たとえば「見出し」「本文」「末尾」という三行を作り、Rune Studioのステータス表示で現在の改行形式を確認します。LFへ切り替えて別名保存し、閉じて開き直した後も三行のままなら、文字としての改行と画面上の折り返しを取り違えていません。同じ確認をCRLFでも行えば、納品先の指定に合わせる判断材料になります。
Gitの差分が全行変更に見える場合は、本文を直す前に改行形式だけを疑います。内容と改行を同時に変更すると、どちらが差分の原因か追いにくくなるからです。まず原本を複製し、改行だけ変換して差分を確認し、その後に文章を編集する順序ならレビューも容易です。古いMac由来のCRは受け手側が対応しない場合があるため、指定がなければ勝手に採用せず、受け渡し条件を確かめます。
「保存できた」ではなく「再び読めた」で終える
ステータスの表示を切り替えただけでは、ディスク上のファイルが期待どおりになったとは限りません。保存、タブを閉じる、開き直す、行数と末尾を確認する、という順で完了を判断します。Rune Studioで改行コードを扱う記事を担当する開発チームが、異なるOS間の受け渡しを想定して整理しました。短い複製で手順を試せたら、ダウンロードしたRune Studioで本番ファイルを確認してください。
Web表示とファイルの改行を混同しない
ブラウザーやRune Studioの画面幅で生じる折り返しは、ファイルへ保存された改行ではありません。行番号が増える場所と、見た目だけ次の段へ回る場所を区別します。納品前には、検索で一行の特徴語を探し、同じ行番号のまま表示だけ折り返している箇所を確認すると理解しやすくなります。最後に受け手のOS、指定されたLFまたはCRLF、末尾改行の要否をメモし、変換したコピーだけを渡します。
執筆者:Rune Studio開発チーム。OS間の改行形式を再読込で確かめる手順を整理しました。
見た目ではなく、受け渡し条件で選ぶ
LF・CRLF・CRは、作者が好きなものを選ぶ設定ではなく、利用先と差分管理に合わせる約束です。「相手の指定」「現在の方式」「変換後の再読み込み」をこの順で確かめれば、必要のない全行差分を減らせます。方式を目で確かめながら作業したい場合は、Rune Studioの商品ページで対応状況を確認できます。