
epub 縦書きcssを確認するとき、vertical-rl を一箇所見つけただけでは不十分です。本文の文字が右から左へ列を送り、ページも右から左へ進むには、本文へ縦書きのクラスが適用され、書誌が縦書きを宣言し、背表紙順が右進行を示す必要があります。確認用EPUBを読み取ると、この三点はそれぞれ別の場所にありました。
縦書きの答えは三層に分かれる
第一層はCSSです。共通スタイルに .text_vertical_rl があり、writing-mode: vertical-rl が指定されます。第二層は本文XHTMLです。本文の body に class="text_vertical_rl" が付くことで、そのCSSが実際の章へ適用されます。第三層は書誌です。作品の文字方向が vertical-rl、ページ進行が rtl になります。
CSSの定義があっても本文がクラスを使っていなければ、その章は縦書きになりません。反対に本文だけを縦向きにしても、ページ進行が左から右なら、縦書きの読書順として不自然です。三つを一組で読みます。
短い標本を縦書きで作る
確認用原稿には「第12話は20!?で始まる。123ページでは(^_^)と笑った」と書き、作品設定を縦書きにしてEPUBを作りました。生成された本文の body には縦書きクラスが付き、書誌は vertical-rl、ページ進行は rtl でした。
この標本が役立つのは、文字方向だけでなく、数字や記号の処理も同じ章で見えるからです。ただし、個々の数字を縦中横にする規則は別の論点です。ここではCSSとページ進行が縦書きとしてつながるかに集中します。
横書き版と比べると誤読を防げる
同じ制作環境で横書き四章EPUBも作りました。そちらの書誌は horizontal-tb、ページ進行は ltr でした。共通CSSには縦書きクラスの定義が残っていますが、横書き本文の body にはそのクラスが適用されません。
つまり、CSSファイル内を文字検索して vertical-rl が出たかどうかだけでは、作品の方向を判定できません。縦書き版と横書き版で、書誌、本文クラス、ページ進行の差を表にすると確実です。
右開きにならないときの戻り先
書誌が horizontal-tb なら、作品の文字方向設定へ戻ります。書誌は縦書きなのに本文クラスがない場合は、出力対象や生成処理を見直して作り直します。本文は縦向きでも進行が ltr なら、縦書きの作品設定と出力全体の組み合わせを確認します。
端末で左右が逆に見える場合は、まず完成EPUBの page-progression-direction を読み、その後で読書アプリの独自設定を確認します。アプリ側の表示だけを見て原稿を直すと、正しいEPUBを壊す可能性があります。
表紙と目次も右開きの流れへ含める
本文だけが右から左へ進んでも、表紙や目次の位置が不自然なら読書体験は途切れます。背表紙順に表紙、書名、目次、章、奥付が並ぶかを確認します。目次から第一章へ移動した後、次ページ操作が読者の期待する方向と合うかも試します。CSSの値と実際の読書操作をつなげることで、記述上は正しいのに入口で迷う本を避けられます。
横書きへ戻す変更は別版で行う
縦書き作品を途中で横書きへ変えると、数字、英字、改ページ、画像寸法の判断も変わります。設定一つだけを切り替えて本番版へ上書きせず、別の出力として比較します。横書き版は horizontal-tb と ltr、縦書き版は vertical-rl と rtl という差を保ち、章本文のクラスも照合します。
入稿前の読み取り順
最初に書誌の文字方向を読みます。次に背表紙順のページ進行を読み、最後に代表的な章の body とCSSの対応を確認します。さらに表紙、目次、本文、奥付の並びを開き、右から左へ自然に進めるかを確認します。
確認用の縦書きEPUBは、vertical-rl、rtl、本文の縦書きクラスがそろい、目次も生成されました。この結果は、すべての読書端末で字形や余白が同じになることまでは示しません。入稿先のプレビュー確認は別途必要です。
確認値を版ごとに残す
改稿のたびに、作品名、出力日、書誌の文字方向、ページ進行、代表章の本文クラスを一行で記録します。前版が正しかったという記憶ではなく、新版の値を読み直します。章追加だけの改稿でも、作品設定を触っていないことを不変項目として確認すれば、入稿直前の方向違いを早く発見できます。
結論:CSS、本文、ページ進行を一組で見る
縦書きEPUBの合否は、vertical-rl という一語では決まりません。CSSに定義があり、本文がその定義を使い、書誌とページ進行が右開きを示すことを確認します。数字・記号の縦中横やルビの内容は、それぞれの生成XHTMLで別に調べます。入稿前に三層を順番に読めば、「画面は縦書きだがページが逆」という事故を見つけられます。

