
KDPへ出す原稿は、提出するファイル形式と本のレイアウト方式を分けて選びます。2026年8月27日に確認したKDP公式案内では、DOC/DOCX、KPF、EPUB、HTML系、RTF、TXT、PDFが案内されています。ただしPDFは英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・スペイン語・カタルーニャ語・ガリシア語・バスク語に限られ、日本語は含まれません。文字中心の本を自分の手元で生成・検査したいなら、リフロー型EPUBが実用的な選択です。
この記事では、現行の提出形式を整理し、リフロー型と固定レイアウトを別軸で判断します。リフローの内部構造や、目次の作り方は別の記事に譲ります。
KDPのファイル形式とレイアウト方式は別の軸
KDPの対応ファイル形式には、主に次が挙げられています。
- DOC/DOCX:文書ファイルを提出し、Kindle向け変換を確認する
- KPF:Kindle Createで作るKindle Package Format
- EPUB:Kindle Publishing Guidelinesに合うEPUBを提出する
- そのほか:HTML(ZIP、HTM、HTML)、RTF、TXT。PDFは英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、カタルーニャ語、ガリシア語、バスク語に限って対応
一方、リフロー型/固定レイアウトはページの組み方です。ファイル拡張子と同じ分類ではありません。文字サイズや画面幅に応じて改行する本はリフロー型、ページの配置そのものを保つ本は固定レイアウトです。
文字中心で配置を固定する必要がない小説、実用書、技術書、エッセイはリフロー型が候補です。写真集や絵本のように、ページ上の位置関係が内容そのものなら固定レイアウトを検討します。
DOC/DOCXも提出前にプレビューできる
DOC/DOCXは、書き慣れた文書ファイルを元原稿にできる経路です。「KDPへ出すまで変換結果を確認できない」と考える必要はありません。
KDPのKindle Previewer公式案内では、Previewer 3がEPUB、HTML/XHTML、OPF、KPF、DOC、DOCXを開けると案内されています。DOC/DOCXでも、章の切れ目、目次、画像などをローカルで確認できます。
ただし、Previewerでのローカル確認と、KDPへのアップロード後の処理・受理は別です。 手元で開けたことだけで販売先の受理を保証することはできません。これはEPUBでも同じです。
形式は「どの成果物を自分で持ちたいか」で選ぶ
形式選びでは、「手元で開けるか」だけでなく、どの段階の成果物を自分で管理したいかを見ます。
- DOC/DOCX:文書ファイルを正本にし、PreviewerでKindle向け変換を確認したい
- KPF:Kindle Createの制作経路を使いたい
- EPUB:提出前のパッケージを自分で生成し、内部の書誌、目次、読む順番、画像参照まで検査したい
どれを選んでも、提出前のプレビューとKDPの最新要件確認は残ります。EPUBの利点は「KDPだけが持つ変換結果を待つ」ことではなく、提出するパッケージを自分の手元に保持し、作り直して比較できることです。
リフロー型ではページ番号が端末や文字サイズで変わります。「35ページの図を見てください」という指示は安定しません。章名、見出し、図の名前で参照します。固定レイアウトはページを固定するので、この判断は同じではありません。
rune Studioは、提出前のEPUBを生成して中身を調べる
rune Studioは、原稿からEPUB 3を書き出します。実際に開発版を命令から動かし、横書きで出力したファイルには横書き・左から右、縦書きでは縦書き・右から左が記録されることを確認しました。
出来上がったEPUBを調べる機能では、読む順番、目次の有無、画像の欠け、記法の取り残し、空のページを確認できます。正常な検証用EPUBでは、収録10件、読む順番5件、目次あり、問題なしという結果でした。
作り直した前後を残す
書き出したファイルには日時が入った名前が付きます。検証でも固定した時刻がファイル名に入りました。前の出力を上書きしにくいため、修正前後のEPUBを並べて確認できます。
向く人と、別の形式が向く人
リフロー型EPUBが向いているのは、文字が中心で、提出前のEPUBを自分で保持・検査したい人です。 DOC/DOCXの執筆環境とPreviewerの確認で目的を満たせるなら、その経路も選べます。Kindle Createを中心に使うならKPFが候補です。
写真集、絵本、図面中心の本は別です。 ページの見た目そのものが内容なら、固定レイアウトと、その制作に適した形式をKDPの最新案内で確認してください。
なお、Rune Studioで確認したのはEPUBの生成とファイル内検査までです。KDPの受理や端末ごとの表示は未確認です。
まとめ
- KDPの提出形式にはDOC/DOCX、KPF、EPUB、HTML系、RTF、TXTがあり、PDFは公式指定の9言語に限られる。リフロー/固定は別の軸
- Kindle Previewer 3はDOC/DOCXとEPUBの両方を開ける。ローカル確認とKDP側の受理は分ける
- 提出するパッケージを自分で保持・検査したい文字中心の本では、リフロー型EPUBが実用的
- rune Studioは手元でEPUBを生成し、書字方向、読む順番、目次、画像欠けなどを確認できる
次の一歩として、原稿の形式だけでなく「提出前のどの成果物を自分で保持したいか」を決めてください。EPUBそのものを検査したいならEPUB、文書原稿とPreviewerの組み合わせで足りるならDOC/DOCXが候補です。


