用途に合う一本が分かる!EPUB編集ソフト、Mac向けソフトを選ぶ判断基準

三種類の校正修正を一つの正本へ戻し、新しい電子書籍を再生成するアイキャッチ

Mac向けのEPUB編集ソフトを選ぶときは、機能表を見るだけでなく、校正後の修正をどこへ戻す設計かを確かめてください。本文、章名、書誌情報の3か所を実際に直し、もう一度EPUBにするまでを試すと、自分に合うソフトが分かります。

同じ「編集ソフト」でも、原稿を直してEPUBを作り直す型と、完成済みEPUBのXHTMLやCSSを直接直す型では、正本になるファイルが違います。ここを曖昧にすると、次版で修正が消えたり、原稿とEPUBで内容が食い違ったりします。

この記事では、Mac対応やプレビューなど機能の有無を広く比べません。校正戻しを一周させ、修正経路が一本に戻るかで選ぶ方法に絞ります。

最初に「何を正本にするか」を決める

完成EPUBに誤字を見つけた場面を想像してください。EPUBだけを直せば、その場の修正は早く終わります。しかし、元原稿が古いままだと、次に原稿から出力したときに誤字が復活します。

原稿を正本にする制作では、本文や章名を原稿側へ戻し、EPUBを再生成します。修正の入口が一つなので、改訂版や別巻にも同じ手順を使いやすいのが利点です。一方、納品されたEPUBしかなく、内部のCSSやOPFを直す必要があるなら、直接編集型が必要です。

候補を開く前に、次のどちらかを書き出してください。

  1. 原稿・設定を正本にし、EPUBは毎回生成する
  2. 受け取ったEPUB自体を正本にし、内部ファイルを直す

この二つを一つのソフトに無理に求めるより、主な仕事に合う側を選ぶほうが迷いません。

Rune Studioで第一章と第二章を同じ作品ワークスペースに開いた画面
第一章と第二章を同じワークスペースのタブで開いた画面。

3種類の校正戻しを同じ作品で試す

候補ソフトには、短いサンプルではなく、二章以上の同じテスト作品を入れます。そこで次の3か所を一つずつ変更してください。

1. 本文の誤字を直す

第一章の一文を修正し、保存後に再出力します。修正場所がすぐ分かるか、出力のたびに別形式へコピーする必要がないかを見ます。前回のEPUBだけを直す工程が残るなら、原稿側との二重管理が起きやすくなります。

2. 章名または章順を直す

第二章の見出しを変えるか、二章の順序を入れ替えます。本文だけでなく、ナビゲーションや目次にも変更が反映されるかを確認してください。目次だけを別画面で手直しする設計では、再修正のたびに確認箇所が増えます。

Rune StudioのEPUB作成画面で章順と目次掲載を修正するページ4
ページ4「原稿の順番」で、タイトルページ、目次、第一章、第二章の順序と目次掲載を確認する画面。

3. 作品名や版を直す

作品名、著者名、巻、版、発行日のうち、実際の刊行で変える項目を一つ更新します。設定をどこに保存するか、次回出力でも残るかを見ます。本文と書誌情報の保存場所が分かれていても、再出力時に一つの手順へ集まれば問題ありません。

Rune StudioのEPUB作成画面で作品情報と版を確認するページ6
ページ6「確認」で、作品名、著者名、出版社名、巻、版、発行日とページ順を再生成前に確認する画面。

速さより「修正が残らないこと」を採点する

3種類の修正後、各候補を次の4段階で採点します。

一回の出力が数秒速いことより、CやDを避けるほうが長期的な改訂では重要です。あわせて、旧版を上書きせず、版や日付が分かる名前で出力できる運用にしてください。

採点時は、変更した場所、変更後の値、再出力したファイル名、確認結果を一行ずつ残します。たとえば「第一章の誤字/修正済み/第2版EPUB/本文一致」のように記録すれば、単に出力できたかではなく、修正が最後まで届いたかを比較できます。候補ごとに同じ記録用紙を使うと、慣れているソフトだけを高く評価する偏りも減らせます。

また、失敗時にどこまで戻ればよいかも確認します。原稿の保存前、設定変更後、EPUB生成後のどこに復帰点があるか分かれば、納品直前の修正でも慌てません。自動保存やバックアップの有無は製品ごとに異なるため、ここでは実際に復元できた範囲だけを評価してください。

rune Studioは原稿を直して再生成する側

rune Studioの現行Mac版は、フォルダ内の原稿をワークスペースとして扱い、作品名・著者、巻、版、発行日などを設定してEPUBを生成する制作環境です。検証では二つの原稿を二章として出力し、navとNCXを含む目次、章数、欠落画像、記法残り、空ページを内部検査できました。

したがって、原稿と設定を正本にし、修正後にEPUBを作り直す運用に向きます。既存EPUBのXHTML、CSS、OPFを開いて直接修復する用途ではありません。すでにEPUBしか残っていない案件や、内部コードの一点修正が中心なら、直接編集に対応した専用ソフトを選んでください。

内部検査は、ストア審査や全リーダーでの表示確認を置き換えるものでもありません。最終候補では、実際に使うリーダーと配信先の要件も別途確認します。

結論:校正戻しを一周してから選ぶ

EPUB編集ソフトの選択で見るべきなのは、機能名の多さだけではありません。本文、章名、書誌情報を直し、再出力し、変更を確認するまでに、正本が一つへ戻るかが判断基準です。

原稿から繰り返し改訂するなら原稿正本型、受け取ったEPUB内部を直すなら直接編集型を選びます。候補ごとに同じ3修正を行い、二重管理が残らない一本を選んでください。