入力漏れを防ぐ!EPUBのメタデータ、シリーズ名・巻番号

シリーズ名・巻番号の確認工程を、白い原稿用紙と紫色の半透明装置で抽象的に示したアイキャッチ

EPUBのシリーズ名と巻番号は、一枚の情報カードを正本にして、設定値と生成後のパッケージ文書を照合すると取り違えを防げます。ただし、今回の実測ではシリーズ『北風航路』と巻番号3は確認できた一方、巻タイトル『白い岬』を独立して設定する欄は現行CLIにありませんでした。したがって、シリーズ名と巻番号は確認済み、巻タイトルは未設定のままというのがこの記事の答えです。

答え:確認できた二項目と、止める一項目を分ける

シリーズもののEPUBメタデータでは、「シリーズ名」「巻番号」「巻タイトル」を一つの文字列に押し込まず、別々の欄として管理するのが安全です。一般的な作業では、まず編集用の情報カードを作り、入力値、生成されたEPUB内の値、照合結果を同じ行に残します。

今回のRune Studio検証で確認できたのは、シリーズ名「北風航路」と巻番号3です。生成後のcontent.opfではタイトルが「北風航路Vol.3」となり、巻設定を読み戻した値も3でした。いっぽう、依頼した巻タイトル「白い岬」には独立した設定項目がなく、OPFとの照合はできていません。ここを成功へ読み替えてはいけません。

標本:『北風航路』第3巻の情報カード

検証用の情報カードには、シリーズ名「北風航路」、巻番号3、巻タイトル「白い岬」、著者「高瀬凪」、発行日2026年8月31日を置きました。作業前に、少なくとも次の列を用意します。

この表の利点は、設定できなかった項目を空欄のまま成功扱いしないことです。「白い岬」は情報カードには残し、製品側で設定できる別項目へ勝手に移しません。シリーズ名を「北風航路 白い岬」に変えて帳尻を合わせると、元の設計と別のメタデータになります。

操作:シリーズを作り、第3巻を選んで出力する

製品に依存しない手順は、情報カードを固定し、シリーズ名と巻番号を入力し、EPUBを生成してからパッケージ文書を読む、という順です。設定画面が正しく見えても、出力された値までは保証しないためです。

今回の実操作では、専用ワークスペースを作成し、epub series setでシリーズ名「北風航路」、著者「高瀬凪」、横書き、言語jaを設定しました。次に巻を1、2、3の順で追加し、第3巻へ版3.0と発行日2026年8月31日を設定。二章を選び、第3巻としてEPUBを書き出して、content.opfと巻設定を読み戻しました。記事固有の操作は12件です。

出力ファイル名にもvol003が入りました。これは巻番号3を選んだ今回の出力で観測した事実です。ただし、巻タイトルの独立設定を示すものではありません。

実測:シリーズ名と巻番号は一致、巻タイトルは未確認

記事固有のStage 4はpartialです。結果は次のとおりでした。

つまり、シリーズ名と巻番号の照合は通りましたが、巻タイトルはblockedです。記事全体を成功とはしません。

別に行った共通Stage 4では、STUDIO-414検証本を4章、横書き、版1.4で出力し、spine=8、画像1、欠落0、nav=true、NCX=true、valid=trueを確認しています。こちらはEPUB生成経路の共通確認であり、『北風航路』第3巻の巻タイトルを裏付ける証拠ではありません。

限界:ローカル構造検査と販売先の判定は別

valid=trueは、今回のローカルパッケージ検査で問題が報告されなかったという意味です。販売先への受理、全リーダーでの表示一致、販売ページ上のシリーズ情報を保証しません。販売先の商品情報欄、審査結果、サービス側での書誌変更も未確認です。

失敗時の戻し先も項目別にします。シリーズ名が違えば「シリーズ情報」へ、巻番号が違えば「巻選択」へ戻ります。巻タイトル欄が見つからない場合は出力を成功扱いせず、情報カードの「白い岬」を未設定のまま保持し、対応方法を別途決めるところへ戻ります。

Rune Studioで使える範囲

公開機能資料で確認できる現行Mac版の範囲は、6ページのEPUBウィザードで作品情報、巻、原稿順、目次、表紙、奥付情報を指定し、nav.xhtml、NCX、content.opfを含むEPUB 3を生成することです。シリーズ情報ページには作品名、著者、出版社、書字方向、ファイル名、言語などがあり、巻選択ページでは単巻または巻番号を扱います。

これは一般的なEPUB仕様そのものではなく、Rune Studioの製品機能です。一方、EPUB 3.3仕様が定めるパッケージメタデータの役割は業界標準です。製品の入力画面と標準仕様を同じものとして説明しません。

今回の結果からRune Studioはシリーズ名と巻番号を設定・出力して照合する候補にはできます。ただし、独立した巻タイトル欄が必要な運用には、そのままでは合格にできません。実装中のiPad版もこの記事の対象外です。

結論:第3巻は確認済み、巻タイトルは未確認のまま残す

『北風航路』第3巻では、シリーズ名「北風航路」、巻番号3、生成OPFの「北風航路Vol.3」、読み戻し値3が一致しました。巻タイトル「白い岬」は独立設定できず、照合も未完了です。

最初の一手は、シリーズ名・巻番号・巻タイトルを別行にした情報カードを作ることです。その後、設定できた二項目だけを生成物と照合し、設定できない一項目を赤字や未確認欄で残してください。言語メタデータの初期設定、日英版への変更、言語コードの対応範囲は別の記事で扱います。現行Mac版の製品範囲はRune Studioの商品ページで確認できます。