リンク切れを持ち越さない!Mac向けEPUB編集、表紙・画像を編集

表紙・画像を編集の工程を、原稿・検査装置・完成物の言語中立な3D静物で抽象的に示したアイキャッチ

MacでEPUBの表紙や画像を編集するときは、完成したEPUBを直接直すより、元の原稿と画像へ戻って再生成するほうが安全です。EPUBは配布用の成果物、原稿フォルダは次の版を作る正本、と役割を分けます。

「表紙だけ差し替え」が複雑になる理由

二章の本に本文画像二枚と表紙一枚があるとします。表紙を新版へ替えるだけでも、古い表紙がパッケージに残っていないか、本文画像を誤って表紙にしていないか、章順が変わっていないかを見なければなりません。展開したEPUBへ新画像を上書きすれば、その場では見えても、次回の再生成で元に戻ることがあります。

まず作品フォルダの cover と images を分け、表紙の旧版と新版を別名で置きます。本文中の画像参照は触らず、変更点を表紙一枚に限定します。これなら二つのEPUBを比べたとき、差がどこから来たか説明できます。

汎用ツールで直す場合の注意

ZIPとして展開し、画像とパッケージ文書を手作業で更新する方法もあります。その場合は画像ファイルを置くだけでなく、収録資源の一覧、cover指定、ファイル形式、寸法を確認し、再圧縮後の構造も検査します。小さな修正に見えて確認箇所が多いため、原稿から再生成できるならそちらを優先します。

EPUB 3のパッケージ構造はW3C EPUB 3.3で確認できます。表紙の見た目と、パッケージ内でcoverとして登録されていることは別の問題です。

Rune Studioで表紙を交換する

Rune Studioで作品フォルダをワークスペースとして開き、ファイルツリーまたは独立ファイルブラウザから新版表紙を確認します。Quick Lookや情報表示で、本文画像と取り違えていないかを見ます。EPUBウィザードを開き、「シリーズ情報」と「巻選択」は既存値を読み、「ファイル選択」「チャプター順」で二章の順番を維持します。

「メタデータ」で新版の表紙画像を選び、「確認と出力」で表紙名、本文順、出力名を確認します。出力後は旧版と新版を別ファイルとして残し、表紙、二章、本文画像二枚、奥付がそろっているかを見ます。原稿を直した場合も同じ場所から再生成します。

表紙一枚を差し替えた確認では、前後の二冊がどちらもローカル構造検査を通り、収録画像数は一件を維持しながら出力内容が変わりました。これは表紙差し替えが再生成へ反映された証拠です。デザインの良し悪し、ストアのサムネイル加工、販売ページでの見え方は含みません。

画像が消えたら三方向から探す

本文画像だけが消えたら、原稿中の相対パスと実ファイルの位置を確認します。表紙だけが古ければ、ウィザードのメタデータで選んだファイルを見ます。すべての画像が欠けるなら、ファイル権限や移動後のフォルダ構造を疑います。症状に応じて戻る場所を変え、完成EPUBへ場当たり的な修正を足しません。

次の版でも再現できれば編集完了

編集の完了条件は、新表紙が見える一回の成功ではありません。正本の場所が分かり、同じ設定からもう一度同じ構成を作れ、次の誤字修正でも新表紙が残ることです。Macでローカル原稿を持ち、改訂を重ねる人にはRune Studioが候補になります。現行機能の説明を確認し、最終表示は配布予定の端末で見てください。

表紙ファイルの版を見失わない命名

cover-final.png を何度も上書きすると、どの版を選んだか後から説明できません。発行版や日付を含む名前を元資産へ付け、ウィザードが選んでいるファイルと一致させます。古い表紙は削除する前に、既刊版を再現する必要があるか判断します。

本文画像の差し替えでは、同じ縦横比でも内容が違うことがあります。原稿の代替文を読み、新画像と一致するか確認してください。表紙には本文中の代替文ではなく、販売・閲覧環境で使う表紙としての確認が必要です。資産の役割ごとに見る項目を変えると、「画像は出たが別の画像だった」という失敗を防げます。

元画像を加工するときの境界

トリミングや色調整は画像編集ソフトで行い、Rune Studioでは差し替える資産の選択と再生成を担当させます。アプリ内で画像を管理できることと、画像そのものを高品質に加工できることは別の能力です。必要なら加工前の元データも残します。

新しい画像を書き出すときは形式、透過、色空間、縦横比を確認します。これらは今回の構造検査だけでは合否を出せません。表紙が収録されたという技術結果のあとに、縮小表示で文字が読めるか、白い余白が意図どおりかを実際のプレビューで見ます。技術的な差し替えとデザイン検収を二人または二工程に分けても構いません。

完成EPUBを保管するとき

配布した版は、元原稿や作業用展開フォルダと区別して読み取り用の保管場所へ置きます。配布日と版を記録し、次の編集開始時は必ず原稿フォルダを開きます。過去版を再現したい場合に備え、当時の表紙と作品情報も残します。完成物を正本にしない運用を保てば、表紙差し替え後の誤字修正でも古い表紙へ戻る事故を避けられます。