出力後のルビ抜けを防ぐ!EPUBルビ、ルビ記法を正しく入れる手順

ルビ記法の入れ方について、ルビの原文・読み・適用範囲を記録し、生成XHTMLのruby要素まで確認する工程を抽象的に示したアイキャッチ

epub ルビは、編集画面で読みが見えたことより、生成されたXHTMLに親文字と読みが残ったことが重要です。確認用原稿で「東京」に「とうきょう」、「紫陽花」に「あじさい」を付けてEPUBへ出力すると、どちらも ruby の中に親文字と rt の読みが生成されました。ここでは、一語の範囲を決めるところから出力後の確認までをたどります。

親文字を一語だけ選ぶ

「東京へ向かう」という文なら、親文字は「東京」の二文字です。「東京へ」まで選ぶと助詞もルビの範囲に入り、意図と違う構造になります。固有名詞が繰り返される場合は、何番目の語へ付けるかを文脈で確認します。

読みはひらがなで「とうきょう」と入力します。原稿上では |東京《とうきょう》 の形になりました。同じ手順で |紫陽花《あじさい》 も作ります。縦線と山括弧を手で増減させる前に、対象語と読みを声に出して対応させると間違いを減らせます。

対象外の語を先に決める

確認文は「京都と東京と紫陽花を読む」です。このうち「京都」にはルビを付けず、東京と紫陽花だけを対象にします。すべての京都へ機械的に読みを付けると、一般語まで過剰になり、本文が読みにくくなります。

対象外を一つ置くと、出力後の確認が明確です。東京と紫陽花にルビがあり、京都にはない状態が正解です。

EPUBへ出力し、生成XHTMLを読む

確認用の横書きEPUBでは、第三章の本文が <ruby>東京<rt>とうきょう</rt></ruby> と <ruby>紫陽花<rt>あじさい</rt></ruby> になりました。親文字と読みの二組が対応し、原稿の縦線や括弧はそのまま漏れていませんでした。対象外の「京都」は通常の文字列として残りました。

EPUB 3では ruby と rt が中心の構造として使われます。環境によっては rb を明示しない形も正しいため、「rbがないから失敗」と一律に判断しないでください。重要なのは ruby 内の親文字と rt の読みが正しいことです。

読みを直したら他の語も再確認する

「紫陽花」の読みだけを直す場合、東京のルビ範囲まで選択しないようにします。修正後は紫陽花の rt、東京の rt、対象外の京都を順に読みます。一語の修正が他のルビへ影響していないことを確かめます。

生成後のXHTMLを直接書き換えるのではなく、原稿の親文字範囲と読みを直して再出力します。直接修正は次回の作成で消え、正本と完成物がずれます。

長い固有名詞は意味の区切りで試す

長い人名や地名へ一つの読みを付けると、端末によっては親文字と読みの対応が見づらくなります。まず一語全体で作り、必要なら意味の区切りごとに分けた版を比較します。ただし、機械的に一文字ずつ分割すると読みが不自然になります。作者が読ませたい単位と、生成された ruby の範囲が一致する形を選びます。

検索でルビ候補を棚卸しする

人物名の初出だけへルビを付ける方針なら、対象名を検索し、初出位置と以後の出現を区別します。同じ表記でも読みが違う語は前後の文脈を見ます。出力後はルビ要素の件数だけで判断せず、代表的な初出、再出、対象外を読み、方針どおりかを確認します。

ルビが連続する文を読みやすくする

固有名詞が続く文へルビを重ねると、読みの行が混み合います。語の間へ適切な助詞や読点があるかを本文として見直し、ルビ記法だけで解決しようとしません。東京と紫陽花のように別の語へ連続して付ける標本では、それぞれが別の ruby になり、読みが混ざっていないかを確認します。

見出しへルビを付ける場合は、目次名へどう反映されるかも確認が必要です。今回の実例は本文段落内であり、目次見出しのルビ結果までは扱っていません。用途が違えば専用の一章で試します。

ルビが抜けたときの診断

まず原稿に縦線、親文字、二重山括弧、読みがそろっているかを確認します。次に対象語が出力した章へ含まれているか、完成EPUBの該当XHTMLに ruby と rt があるかを見ます。文字化けがある場合は、原稿の文字コードも確認します。

表示位置や字体が端末によって少し異なることはあります。構造が正しくても、入稿先のプレビューで読みやすさを確認する工程は残ります。

完成前に音読する

生成構造が正しくても、読みそのものが作品の意図と違うことがあります。完成前に親文字とルビを続けて音読し、人名、地名、難読語の読みを原稿資料と照合します。複数の読みが許される語は作品内の方針を決め、初出と再出で揺れていないか検索します。技術的な変換確認と編集上の読み確認を両方終えて初めて完成です。

結論:親文字、読み、生成構造の三点を結ぶ

ルビを正しく入れる手順は、親文字を一語だけ選び、読みを対応させ、生成XHTMLの ruby と rt を読むことです。対象外の語も一つ決めると、過剰なルビを見つけられます。この記事は生成後のルビ構造に限定し、縦中横やページ進行は扱いません。原稿記法が見えるだけで終わらず、東京と紫陽花の読みが完成EPUBに残ったところまで確認してください。