
テキストエディタ 階層で長編原稿を整理するなら、フォルダを深くする前に、部・章・節・資料へ固定IDと役割を付けます。検索結果からファイルを開いた後、同名の資料や旧稿へ迷い込まず、編集すべき正本へ戻れることを完成条件にします。
この記事では、三部構成、各部三章、各章二節、人物・年表・画像の三資料フォルダを使います。画面上で素早く切り替える方法や未保存状態は未保存タブを含む切替手順へ譲り、階層の設計と検索後の帰路に集中します。自動プロット生成、クラウド同期、共同編集は扱いません。
結論:階層の深さではなく役割と固定IDを先に決める
最初に四種類のIDを決めます。
- 部:P01〜P03
- 章:C01〜C09
- 節:S01〜S18
- 資料:R-CHAR、R-TIME、R-IMAGE
フォルダ名や章タイトルが変わっても、固定IDは維持します。「第一部/第三章/駅での再会」という表示名だけに頼ると、章名変更や検索結果で正本を追えません。P01/C03/S05のように役割をたどれるIDを持たせれば、検索で別ファイルを開いても戻り先を説明できます。
階層は浅いほどよい、深いほどよいという問題ではありません。編集単位と参照単位を混ぜず、どのIDが本文正本で、どのIDが資料かを一意にすることが目的です。
三部九章十八節の正本地図を作る
作品ルートの下へ manuscript/、references/、assets/ を置きます。本文は manuscript/P01/C01/S01.mdのように、部・章・節をたどれる位置へ置きます。人物表は references/characters/、年表は references/timeline/、画像は assets/images/へ分けます。
各ファイルの先頭または台帳には、固定ID、表示名、役割、正本パス、親IDを書きます。C03の下にS05とS06があるなら、S05の親IDはC03です。人物資料 R-CHAR-01はC03から参照されても、C03の子本文にはしません。参照関係と親子関係を分けます。
九章を一つのフォルダへ並べるより、この地図の利点は変更時に現れます。第二部の章名を変更してもP02とC04〜C06の関係は変わりません。資料を別章から使っても、資料正本の場所は一つのままです。
検索語ごとに戻る正本を決める
試験用の検索語を三つ用意します。
- 人物名「高橋」:本文四件、人物表一件
- 出来事「停電」:本文二件、年表一件
- 画像名「station-night」:本文参照一件、画像資産一件
検索前に、編集目的と戻る正本IDを書きます。人物設定を確認してC03-S05を直すなら、「目的:人物年齢の確認/参照:R-CHAR-01/編集正本:S05」とします。検索結果で人物表を開いても、編集を始めるのはS05です。
検索結果一覧には本文と資料が混ざります。結果件数だけで判断せず、開いたファイルの固定ID、役割、正本パスを確認します。参照資料へ本文修正を書き込まないこと、検索結果の古い複製を正本へ昇格させないことが重要です。
検索後の帰路を三段階で記録する
検索から正本へ戻る手順は三段階です。
- 検索結果を開き、固定IDと役割を確認する
- 必要な事実だけをメモし、編集対象IDを確認する
- 正本地図から編集対象のパスを開き、変更IDを付けて編集する
たとえば「高橋」を検索し、R-CHAR-01で年齢を確認した後、正本地図のP01→C03→S05へ戻ります。変更記録は CHG-S05-01とし、資料ファイルではなくS05へ付けます。編集後は、検索語、参照ID、編集正本ID、変更IDを一行に残します。
この一行があれば、後から「検索結果を見た」ことと「どの正本を変更した」ことを分けられます。別の担当者も同じ帰路をたどれます。
階層設計を崩す三つの失敗
一つ目は、章タイトルをフォルダ名とIDの両方に使い、改題時に参照が分からなくなることです。表示名と固定IDを分けて直します。二つ目は、人物表や年表を章フォルダへ複製し、資料正本が複数になることです。資料は一か所に戻し、章側には参照IDだけを残します。
三つ目は、検索結果から開いたファイルをそのまま編集し、元の目的と正本を忘れることです。検索前の編集対象IDと正本地図へ戻ります。
これらは、未保存タブを含む切替手順の「切替時に未保存タブを見失う」事故とは別です。本記事では画面の選択状態ではなく、フォルダ構造とIDから正本へ戻れるかを判定します。
フォルダ移動の前に親IDと参照IDを照合する
階層を変更するときは、見た目だけでドラッグしません。例としてS05をC03からC04へ移すなら、親IDをC03からC04へ変更し、S05を参照する目次・作業票・リンクの一覧を先に作ります。資料R-CHAR-01は移動しません。
移動後は、S05の正本パス、親ID、表示名を確認します。検索語「高橋」でS05が見つかり、検索前に決めた編集対象へ戻れることも再試験します。旧パスに同名複製を残すと、検索結果が二件になり正本が曖昧になるため、退避する場合はarchive/と役割を明記します。
階層変更前後の正本地図を別版で残せば、必要な変更と予期しない複製を区別できます。
正本地図の矛盾を三方向から探す
正本地図が完成したら、親から子、子から親、資料から参照元の三方向で読みます。P01の子としてC01〜C03が並び、C03の子としてS05とS06が並ぶかを確認します。次にS05の親IDからC03へ戻り、地図上の所属と一致するかを確かめます。最後にR-CHAR-01の参照元一覧からS05を開き、資料の親子ではなく参照関係として登録されているかを見ます。
一方向だけ合う地図は不合格です。C03にはS05があるのにS05の親IDがC04、R-CHAR-01の複製が章内にある、旧S05が通常検索に混ざる、といった矛盾を修正します。三方向の照合後に「高橋」を検索し、R-CHAR-01を確認してS05へ戻れれば、フォルダ表示だけに依存しない帰路を証明できます。
この照合は画面切替中の未保存表示を確認するものではありません。正本地図のIDと関係が整った後の画面操作は未保存タブを含む切替手順の範囲とし、ここでは検索を閉じても同じ編集正本を再特定できる設計を合格条件にします。
Rune Studioで確認できる機能範囲
公開機能資料では、Rune Studioのファイルツリーはフォルダを先に並べ、展開状態を保持し、新規ファイル・フォルダ、パスコピー、選択場所検索を扱います。独立ファイルブラウザは、ワークスペース内で戻る・進む・親フォルダ・パスバーを使え、名前による再帰検索を最大500件まで表示します。
また、ワークスペース情報は作業フォルダ内の.rune-workspaceに保存され、バックアップから保存した作業状態を復元できる範囲が記載されています。これはワークスペース設定の保存・復元であり、本文正本や未保存内容が自動的に復元されるという主張ではありません。
これらの機能は、部・章・節・資料フォルダをたどり、検索後に親フォルダやパスから正本へ戻る候補になります。ただし、今回の三部九章十八節と三資料フォルダで合格した実測結果ではありません。自動プロット生成、クラウド同期、共同編集も別範囲です。

P01・C01・S01から正本地図の初版を作る
テキストエディタで階層管理を始めるなら、まずP01、C01、S01と、R-CHAR、R-TIME、R-IMAGEを書きます。それぞれに役割、親ID、正本パスを付け、本文の親子関係と資料の参照関係を分けます。
次に「高橋」など一語を検索し、資料を確認してから、検索前に決めたS05へ戻る試験をします。固定IDと正本地図から同じ編集対象へ戻れれば、章名やフォルダ表示が変わっても階層は機能しています。
Rune Studioで地図を試すなら、Rune Studioの商品ページでファイルツリーと検索の現行範囲を照合し、「高橋」の検索結果からS05へ戻った正本パスを地図の帰路欄へ追記してください。


