
EPUB metadataの基本をそろえるなら、作品名、著者、出版社、言語、発行日の五項目を一枚の情報カードで確定し、その値をEPUBパッケージ文書の対応要素へ渡します。画面ごとに思い出して入力すると、「著者」と「出版社」が入れ替わる、言語が日本語表記とjaで揺れる、発行日が更新日へ変わる、といった意味のずれが起きます。
この記事では「星屑航路/水城澪/凪文庫/ja/2026-08-30」を一冊の例にします。ISBN、シリーズ巻、説明文、KDPの商品登録、税務情報は扱いません。五項目の意味とpackage内の確認先を理解し、再び開いたときも同じカードへ戻れることが目的です。
五項目は見た目が似ていても役割が違う
作品名はその版の書名です。シリーズ名やファイル名を代用しません。例では「星屑航路」が採用値です。副題が正式書名に含まれるならカードの同じ値へ含め、宣伝用の短縮名と混ぜません。
著者は作品のcreatorです。「水城澪」を採用し、読み仮名やローマ字が別途必要なら同じ欄へ無説明で連結せず、補助情報として分けます。出版社は発行主体であり、著者の所属や販売ストア名ではありません。自費出版で著者名と発行者名が同じでも、二項目の意味は残ります。
言語は本文の主言語を機械が判別できるコードで持ちます。日本語ならjaです。「日本語」とjaを別の候補として競わせず、人向け表示とpackageへ渡す値をカードで対応させます。発行日はこの版を発行する日で、原稿作成日や最終保存日ではありません。例ではISO形式の2026-08-30に固定します。
情報カードへ値、意味、表記規則を一緒に置く
カードの各行には、項目、採用値、packageでの役割、表記規則を書きます。titleは「星屑航路」、creatorは「水城澪」、publisherは「凪文庫」、languageはja、dateは2026-08-30です。値が空なら「未定」とし、以前の値をそのまま残して確定扱いにしません。
表記規則は将来の揺れを防ぎます。著者名は姓と名の間を空けない、出版社名の法人格を正式表記に含めるか、日付はYYYY-MM-DD、言語はBCP 47の短いコード、といった作品内の決め事です。表記を直したら採用値と規則を同時に更新します。
カードには版を付けます。metadata-card-v1のような識別で十分です。原稿の題名を直してカードを更新したらv2にし、どのEPUBがどのカードから作られたかを出力名または記録で結び付けます。
packageでは対応する要素を一件ずつ確認する
EPUBを生成したら、複製を展開してcontent.opfのmetadata部分を確認します。作品名はdc:title、著者はdc:creator、出版社はdc:publisher、言語はdc:language、発行日はdc:dateに対応します。接頭辞や詳細属性は制作環境で異なる場合がありますが、五つの意味を取り違えないことが中心です。
確認は「五項目がどこかにある」では足りません。水城澪がpublisherへ入り、凪文庫がcreatorへ入っていれば文字列は存在しても不合格です。カードの項目名、採用値、package要素を横に追います。
言語はjaのようなコードになっているかを見ます。発行日は2026/8/30や「2026年8月30日」が意図せず混ざっていないかを見ます。人向け奥付の表示とpackage値は形式が違ってもよい場合がありますが、意味する日付は同じでなければなりません。
再起動後は情報カードから同じ五項目を復元する
制作を中断するときは、アプリ画面のスクリーンショットだけに値を残しません。カードの保存場所、版、対応する原稿版、次に確認する項目を一行で残します。再開後は画面の値を先に信用せず、カードを開いて五項目を読み、作品設定と照合します。
再起動によって値が消えた場合は、記憶から入力せずカードから戻します。逆に画面に旧値が残っている場合もカードが現行版ならカードを優先します。正本を一枚にする意味は、どちらが新しいかを毎回推測しないことです。
再生成後は五項目を全部確認します。作品名だけを直したつもりでも、別プロジェクトの出版社や言語が残ることがあります。一件の変更だから一件だけ見るのではなく、小さい五項目セットを一周させます。
Rune Studioで五項目を入力する範囲
Rune Studioの現行Mac版では、6ページのEPUBウィザードのシリーズ情報で作品名、著者、出版社、言語を設定します。発行日は後段のメタデータページで、バージョンや表紙とともに設定します。生成内容にはcontent.opfのメタデータが含まれます。
ここで説明している入力欄と生成範囲は、現行Mac版の公開資料で確認できます。ただし、例の情報カードを入力し、再起動後に復元し、生成したpackageの五項目が一致したという実測結果ではありません。KDPの登録画面への自動転記、ISBNの取得、販売先の受理も主張しません。
Rune Studioを候補にする場合も、ウィザード画面を新しい正本にしないでください。情報カードを正本にし、画面は生成のための入力先、content.opfは結果の確認先とします。

KDP転記と出力承認へ広げない
作品名・著者・出版社をKDPの登録前転記表へ移し、外部画面と逆照合する作業は、本記事の後工程です。本記事は外部画面へ進まず、言語と発行日を含むEPUB packageの五項目で止まります。
書誌票、章順票、生成計画を並べ、章と目次も含めて一回の出力を承認する作業も別工程です。本記事は章順や目次を判定せず、五つの基本metadataを意味ごとにそろえることだけを答えます。
表記変更と版変更を区別する
誤字を直して「水城零」から「水城澪」へ変えるのは著者表記の修正です。作品名に「改訂版」を加え、本文も更新するなら出版版の変更として扱う場合があります。同じカードを無言で上書きせず、何を変えたかを履歴へ残します。
発行日も自動的に今日へ更新しません。改訂版の発行日を変える方針なら新しい値を採用し、単なる再生成なら元の発行日を保つことがあります。制作方針に基づいて決め、ファイル更新時刻を代用しないでください。
結論:五行のカードをpackageまで追う
まず五行だけの情報カードを作り、「星屑航路」「水城澪」「凪文庫」「ja」「2026-08-30」を項目名と表記規則に結び付けます。制作画面へ入力し、生成後はcontent.opfのtitle、creator、publisher、language、date相当を一行ずつ照合します。
最初の行動は、既存の作品名をカードのtitle行へ一つだけ書くことです。Rune Studioを候補にする場合は、Rune Studioの商品ページでシリーズ情報とメタデータページの現行入力範囲を確認できます。


