
KDPの形式を選ぶときは、「横書きになっている」と「画面幅に応じて本文がリフローする」を別の合否にします。今回の二章標本では、横書き出力、十個の段落マーカー、画像一枚、固定レイアウト宣言なしまで確認できました。一方、予定していた三つの画面幅での表示は確認していないため、記事固有のStage 4はpartialです。
横書き設定とリフロー表示は別の合否にする
横書きは読む方向を決める設定です。リフローは文字サイズや画面幅に応じて行とページが組み替わる表示方式です。選択時には、次のように判定を分けます。
| 判定 | 確認するもの | 今回の結果 |
|---|---|---|
| 横書き | 出力設定と本文の読む方向 | ローカル出力で確認済み |
| リフロー構造 | pre-paginated宣言の有無、段落・画像の収録 |
確認済み |
| リフロー表示 | 狭い・中間・広い画面幅での改行、画像位置 | 未確認 |
EPUB 3.3仕様では、プリページ型を宣言しない場合の既定がリフロー型です。ただし、パッケージがリフロー型であることと、三つの画面幅で読みやすいことは同じ証拠ではありません。
二章・十段落・画像一枚を三画面幅で試す計画
標本は横書き二章、段落マーカー十個、本文画像一枚です。開始値を数で固定すると、出力後に「文章は見えた」という印象だけで判断せずに済みます。
表示確認では、同じEPUBを狭い・中間・広い三つの画面幅で開く計画にしました。各幅で見るのは、十段落が順番どおりに流れるか、行が画面外へはみ出さないか、画像が本文の順序から離れないかです。今回は画像工程が対象外なので、この三幅比較は実施済みとはしません。
形式を選ぶ一般手順は二段階に分ける
最初の段階は構造です。原稿の複製を作り、章数、段落数、画像数を記録してEPUBを生成します。パッケージ文書で読む順番とレイアウト指定を、本文XHTMLで段落と画像参照を確認します。ここで不足があれば表示試験へ進まず、入力または変換へ戻ります。
次の段階が表示です。Amazonの対応原稿形式を確認し、Kindle Previewerで画面幅と文字サイズを変えます。三幅すべてで段落の順序、改行、画像位置を記録し、初めて「この原稿に横書き・リフロー形式が向く」と判断します。固定ページの位置関係を維持する必要がある本なら、同じ判断表ではなく固定レイアウト向けの検討が必要です。
九操作で構造は確認できたが表示は残った
記事専用の検証作業場で、シリーズを横書き・日本語に設定し、巻情報を設定しました。二章を選択して順番と目次掲載を決め、出力計画を確認し、EPUBを出力してローカル検査を行いました。command_countは9です。
観測値はvalid=true、spine=5、画像1、欠落0でした。navとNCXは存在し、各2項目がp001.xhtml、p002.xhtmlの順を指しています。入力二章と段落マーカー十個は出力XHTMLで確認でき、pre-paginated宣言はありませんでした。
ここまでで横書き設定とリフロー用パッケージの構造は確認できました。しかし三つの画面幅での描画は未確認です。そのためStage 4のstatusはpartialであり、横書き・リフロー形式の選択が表示面まで完了したとは結論づけません。
未確認の画面幅を残し、失敗した判定へ戻る
三幅表示、KDP受理、実機での操作、すべての読書環境での見た目は未確認です。失敗時の戻し先は判定別にします。
- 横書きにならない場合は、シリーズの書字方向設定へ戻る
- 二章の順番が違う場合は、原稿選択と章順へ戻る
- 段落マーカーが十個未満なら、入力本文またはXHTML変換へ戻る
- 画像が一枚収録されなければ、画像参照とパッケージ収録へ戻る
- 三幅の一つで横はみ出しや画像分離が出たら、該当CSSや画像寸法へ戻り、三幅すべてを再試験する
一つの幅だけを見て合格にしないことが、この形式選択で最も重要な停止条件です。
Rune Studioの公開機能と今回の実測を分ける
現行Mac版Rune Studioには、書字方向と言語、巻情報、原稿、章順、目次掲載、メタデータを設定するEPUB 3出力ウィザードがあります。EPUBナビゲーション文書、NCX、パッケージ文書、本文XHTMLを含む出力を作ることは、Rune Studioの商品ページと製品資料で確認できるStage 3の機能範囲です。
二章、十段落、画像一枚という数値は、この機能を専用標本で使ったStage 4の観測です。三幅の表示確認はそのどちらにも含まれません。製品機能の存在を、未実施の表示試験の代わりに使わないようにします。
結論:形式選択は三幅確認が終わるまで保留する
横書きとリフローの違いは、方向と表示方式の違いです。今回の標本は横書きで出力され、二章、十段落、画像一枚が残り、固定レイアウト宣言もありませんでした。構造面は確認済みです。ただし三つの画面幅を試していないため、記事全体の判定はpartialのままです。同じEPUBを三幅で確認し、すべての結果をそろえてからKDP用の形式を確定します。


