
EPUBの目次を作るときは、本文に見える目次ページ、EPUB 3のnav、旧環境向けNCX、本文の読む順番を一つに混ぜないでください。似た章名が並んでいても、それぞれが別の役割を担います。入力漏れを防ぐには、章見出しと飛び先を表にしてから出力します。
四章の対応表を作る
第一章から第四章まで、章名、原稿ファイル、目次へ載せるか、読む順番を一行ずつ書きます。前書きを目次へ載せないなら、その判断も空欄ではなく「載せない」と記録します。空欄は意図した除外か入力忘れか区別できません。
一般にEPUB 3のナビゲーション文書は読者と閲覧システムが移動に使い、spineは既定の読む順番を示します。W3C EPUB 3.3で定義される役割です。NCXは旧来の閲覧環境との互換目的で見かける要素で、navの代わりとして同一視しません。
ウィザードでは順番と掲載を別に選ぶ
Rune StudioのEPUBウィザードで原稿を選んだら、「チャプター順」へ進みます。四章をドラッグして読む順番を決め、各章の目次掲載を確認します。目次へ載せないページも読む順番には含まれる場合があるため、チェックの有無だけで章を削除しません。
「確認と出力」では、タイトルページと目次ページの位置、四章の順序、目次対象を読み返します。生成後は端末の見た目だけでなく、navの各項目が対応する本文へ向くかを見ます。互換用NCXについても項目数と飛び先を照合します。
三章の確認用出力では、navに三つの本文リンクが入り、NCXにも三つの移動項目が生成されました。パッケージの読む順番は、タイトル、nav、本文三章、奥付の六項目でした。シリーズ名などの書誌値も収録され、ローカル構造検査は有効という結果です。四章の本なら、自分の四章の対応表と照合する必要があります。
項目数が合っても不合格になる例
三項目すべてが第一章へ向けば、数は合っても使えません。第二章と第三章が入れ替わっていれば、読む順番と目次の関係が崩れます。章名を改稿したのに古いラベルが残る場合も修正が必要です。件数ではなく「ラベル・飛び先・順番」の三点を一行ごとに見ます。
navがありNCXがないことを即座に不良と決めるかは、対象仕様と読者環境によります。この記事で扱うRune Studioの出力は両方を生成する確認済み範囲です。すべての旧端末で開けるという保証へ広げません。
目次の完成は移動して確かめる
最後に実際のリーダーで章を選び、目的の章へ着くかを確認します。静的な内部照合は入力漏れを見つけるのに役立ち、端末確認は操作結果を確かめます。まず四章の対応表を作り、Rune Studioの「チャプター順」で同じ順序へそろえるところから始めてください。現行EPUB機能の範囲も確認できます。
見出しを変えたあとの再点検
章名を直したら、本文見出し、navの表示名、NCXの表示名、本文内目次の四か所を確認します。生成処理が同じ原稿見出しから複数の情報を作る場合でも、旧版のファイルを開いていないか、対象章を選び直したかを見ます。
前書きや奥付を目次へ載せるかは作品ごとの方針です。掲載しないこと自体を欠落と決めず、対応表の「載せない」と一致すれば意図どおりとします。逆に本文三章のうち一章が空欄なら、意図した除外か入力漏れかを確定するまで出力を完成扱いにしません。この明示が、項目数だけの検査より強い理由です。
navとNCXの表記差をどう扱うか
原則として読者に見せる章名は一致させます。互換上の理由で表記を変える必要があるなら、その理由と対象環境を記録します。理由のない略称や古い仮題は、どの目次を使ったかによって読者の見える名前が変わるため修正します。
navのリンクが相対形式、NCXのリンクが別の基準に見えても、最終的に同じ本文資源へ解決されるかを確認します。文字列の見た目だけを完全一致させるのではなく、パッケージ内の位置関係を読みます。内部ファイルを手で直した場合は次の再生成で消えるため、可能なら原稿見出しとウィザード設定へ戻します。
目次に載せないページの扱い
扉や謝辞を読む順番へ含めても、端末メニューへ載せない設計はあり得ます。その場合、spineに存在しnavにないことは意図した差です。対応表に理由を書き、欠落と区別します。すべての資源を同じ件数へそろえるのではなく、読者が移動に必要な項目と、ページ送りで読む項目を分けることが目次設計です。
短編集で部タイトルと各話タイトルが混在する場合は、どの階層まで目次へ載せるかも先に決めます。同名の見出しがあるなら、リンク先の章を開いて本文冒頭まで確かめます。navとNCXの項目が存在するだけでは階層や到着先の正しさは分からないため、対応表へ段階と固有の章名を残します。最後は実際の読者操作へつなげます。


