
EPUB制作ソフトを画像管理重視で選ぶなら、同じ画像付き原稿を渡し、「画像を一枚移動したあとも再生成できるか」を試してください。価格、テンプレート数、出力形式の多さでは、長く使ううちに起きる参照切れの手間までは分かりません。
比較用の小さな本を一つ作る
二章の原稿、本文画像三枚、表紙一枚を用意します。第一章は地図、第二章は図表を参照し、残り一枚は未使用にします。未使用画像を混ぜるのは、ソフトがフォルダ内の画像を無条件で詰め込むのか、原稿が使う画像を区別するのかを見るためです。
候補Aと候補Bへは、同じフォルダの複製を渡します。最初に一度EPUBを作り、本文画像と表紙が見えることを確認します。その後、地図を images から assets/maps へ移し、第一章の参照がどう扱われるかを見ます。比較中に片方だけ別の画像名へ直すと条件が崩れるので、変更は一件に絞ります。
採点するのは三つの場面
一つ目は移動前です。使用中の画像と参照元を事前に確認できるか。二つ目は移動時です。相対パスを追従するか、少なくとも修正すべき原稿を示すか。三つ目は再出力後です。収録画像数、欠落画像、目次と章順を確認できるか。この三場面を同じ重みで見ます。
手作業でパスを直せるソフトでも、参照元が一目で分かれば実用的です。自動修正があっても、対応形式や除外対象が分からないものは過信できません。「自動」という表示より、失敗時にどこへ戻れるかを優先してください。
Rune Studioを候補に入れる場合
Rune Studioでは作品フォルダをワークスペースとして開き、ファイルツリーまたは独立ファイルブラウザで原稿と画像を管理します。txt、text、md、markdown内のMarkdown画像・リンク記法について、移動・名前変更後の相対パスを追従修正する範囲があります。外部URLや任意の独自記法まで書き換える機能ではありません。
画像を移動する前に利用ファイル数と出現箇所数を確認し、移動後は原稿タブで新パスを読みます。続いてEPUBウィザードの「ファイル選択」「チャプター順」「メタデータ」で二章と表紙を確定し、「確認と出力」からワークスペース内のEPUBフォルダへ書き出します。
一ファイル・一参照の試験では、画像移動後に一件の相対パスが新しい場所へ書き換わり、再読込でも新パスを確認できました。別の出力試験では、表紙を含むEPUBが構造検査を通っています。ただし、この結果だけで三枚すべての視覚品質や販売先の受理を保証することはできません。
合わない候補を見分ける質問
「画像フォルダを整理したら、どの原稿を直せばよいですか」と聞いて、答えが“書き出してエラーを探す”だけなら、長編では負担が残ります。「外部URLも全部変えます」としか説明されない場合も危険です。ローカル相対参照と外部リンクを区別できる候補を選びます。
最終的には、移動前の参照一覧、新しい相対パス、旧パスゼロ件、欠落画像ゼロ件を候補ごとに記録します。その結果で選べば、機能表の印象ではなく、自分の原稿に必要な復旧力を比べられます。Rune Studioの対応範囲は製品ページで確認できます。
比較結果を四段階で残す
各候補を「参照元を事前表示できた」「移動と同時に修復できた」「修正対象だけを案内できた」「完成後に欠落して初めて分かった」の四段階で記録します。自動修復だけを満点にせず、手動でも安全な情報が出る候補を評価できます。
さらに、閉じた原稿の文字コードが保たれるか、未保存タブの内容がどう扱われるか、取り消しや復元の道があるかを確認します。画像一枚の試験で十分です。候補AとBの結果を同じ表に入れ、月に何回フォルダ整理をするかを掛け合わせれば、価格差より実際の手戻り差を想像できます。書き出し速度だけで決めないことが、画像管理重視の選び方です。
画像三枚で役割の違いを見る
地図は本文中で一度、図表は複数章で共有、装飾画像は未使用という条件にすると、候補の挙動を広く見られます。共有画像を動かしたとき、参照元が複数あることを知らせるか。未使用画像を動かしたとき、不要な原稿変更を行わないか。役割別の結果を残します。
表紙は本文参照と別の設定から選ばれるため、第四の資産として扱います。本文画像の修復に合格しても、表紙パスの追従を同じ結果だと推測しません。比較表には本文一回参照、本文複数参照、未使用、表紙の四行を作り、自分が最も頻繁に使う行を重く評価します。
最後に本番と同じ階層で試す
小さな比較に合格した候補は、本番原稿の複製でも一度だけ確認します。深いフォルダ、共有画像、閉じた章など、小規模標本にない条件があるからです。ただし本番比較でも変更は画像一枚に限定します。合格条件は、意図した参照だけが変わり、旧パスが残らず、再生成したEPUBで欠落がないこと。ここまでそろって初めて、自分の制作環境に向くと判断します。


