読者を章で迷わせない!電子書籍EPUBの作り方、目次・表紙・奥付付きへ仕上げる手順

目次・表紙・奥付付きの工程を、原稿・検査装置・完成物の言語中立な3D静物で抽象的に示したアイキャッチ

電子書籍の目次で読者を迷わせないコツは、目次を「章名の一覧」ではなく「目的の章へ戻るための案内」と考えることです。表紙や奥付まで付ける場合も、まず目次の項目名とリンク先を固め、第二章の名前を直したときに両方が変わるかを確かめます。

第二章の改題で起きやすいずれ

三章の短編を想像してください。初稿では第二章が「雨の駅」、推敲後は「雨上がりの駅」になりました。本文の見出しだけを直し、古い目次項目が残れば、読者には別の章があるように見えます。逆に目次だけを直してリンク先が古ければ、選んでも目的の場所へ行けません。

表紙と奥付はこの問題の原因ではありません。それでも再出力の際に落ちていないかを見る必要があります。修正対象は第二章見出し一件、維持対象は第一章と第三章、表紙、奥付。この区別を先に決めると、確認が短くなります。

目次を先に紙へ書いてみる

アプリを使わない方法なら、三章の見出しと順番を一枚のメモへ書き、各見出しの直下に「飛び先の章」を添えます。改題したら本文とメモを同時に直し、完成ファイルで一項目ずつ開きます。小さな本なら十分に実行できます。ただし改稿のたびに転記するため、変更回数が増えるほど見落としやすくなります。

EPUB 3.3の仕様では、読む順番とナビゲーションは別の役割を持ちます。そのため「ページをめくれば順番どおり」と「端末の目次から章へ移れる」は別々に確かめるのが筋です。

Rune Studioで改題を再出力する流れ

Rune Studioのファイルツリーで第二章の原稿を開き、見出しを「雨上がりの駅」へ直します。続いてEPUBウィザードを開き、「ファイル選択」で三章が選ばれていることを確認します。「チャプター順」では第一章、第二章、第三章の順を保ち、三項目とも目次掲載を有効にします。

「メタデータ」で表紙と発行日を確認したら、「確認と出力」で表紙、タイトルページ、目次、三章、奥付の並びを読みます。書き出し後は、目次の第二項目が新しい名前になり、その項目が第二章へ向くことを優先して見ます。表紙が先頭側、奥付が最後側に残っているかは維持確認です。

三章の原稿で一項目だけ直して二回出力した確認では、どちらのEPUBも構造検査を通り、読む順番の七項目は変わりませんでした。出力内容は改題に応じて変化しています。この結果から言えるのは、原稿へ戻した一件の修正を再生成へ反映しつつ、本の構成を保てたことまでです。

古い章名が残ったときの戻り先

目次に旧名が残ったら、完成EPUBを直接直す前に、ファイル選択とチャプター順へ戻ります。原稿の見出し、目次掲載の指定、選択したファイルが最新かを順に見ます。リンク先が違うなら、同名見出しや重複ファイルが選ばれていないかも確かめます。

表紙が消えた場合はメタデータ、奥付の情報が違う場合はシリーズ情報と発行日へ戻ります。原因ごとに戻るページを分ければ、最初から全設定をやり直す必要はありません。全リーダーでの見え方や販売先の受理は、このローカル確認の後に実機で判断してください。

読者が迷わない完成条件

完成は、三つの目次項目が三章へ正しく向き、第二章の新しい名前が本文と目次で一致し、表紙と奥付が残っている状態です。まず複製原稿で一章だけ改題し、この一連の戻り方まで試すと、長編の改稿でも目次修正を怖がらずに済みます。Rune StudioのEPUB機能は現行Mac版の範囲で確認できます。

改題が多い作品では仮題を印にする

推敲中に章名が何度も変わるなら、目次へ出す最終名とは別に、原稿ファイルには ch02 のような安定した番号を残します。表示名が「雨の駅」から「雨上がりの駅」へ変わっても、第二章そのものを見失いません。同じ章名が二つある場合も、番号と前後の章で区別できます。

目次確認では、改題した第二章を最初に開き、次に変更していない第一章と第三章を一つずつ開きます。変更箇所だけを見ると、古い設定が周囲へ残ったことに気づけないからです。章名の変更履歴は本文へ載せる必要はありませんが、制作メモへ残しておくと、旧名を検索してゼロ件にする確認へ使えます。

読者の戻り道も一度試す

章へ移動できるだけでなく、読書アプリの戻る操作や目次ボタンから再び章一覧へ戻れるかも、対象端末で確認します。内部リンクが正しくても、端末によって操作の見せ方は異なるからです。ローカルの構造検査と端末での使いやすさを別の結果として残します。

第二章を改題した例なら、旧名を覚えている読者はいませんが、制作側には旧名のファイルやメモが残ります。公開前に作品フォルダを旧名で検索し、読者へ見える本文と目次に残っていないことを確かめます。制作メモの履歴は削除せず、公開物との区別が分かる場所へ置きます。

目次修正を校正項目へ入れる

本文校正が終わったあとに章名を変えることもあります。校了前のチェックリストへ、本文見出しと目次表示名の一致、代表三項目の遷移、旧章名の残存検索を加えます。奥付の日付を更新した版では、改題と書誌変更を一度に判断せず、各変更を別の欄で確認します。こうしておけば、読者が迷わないかという問いへ、章名の印象ではなく実際の移動結果で答えられます。