一冊になるまで見通せる!EPUB制作、画像入りEPUBを仕上げる工程

画像入りEPUBの制作について、画像参照を原稿正本へ戻せる形で管理し、初回生成と再生成を同じ検査表で通す工程を抽象的に示したアイキャッチ

画像入りEPUBの制作では、完成ファイルだけを保存しても同じ一冊を再現できません。必要なのは、画像参照を原稿という正本へ戻って直せる形で保ち、どの章原稿、本文画像、表紙を入力にしたかを先に固定することです。その一覧どおりに出力し、初回生成と再生成へ同じ検査表を使えるよう、四章・本文画像二点・表紙一点の工程を「入力台帳→出力計画→完成検査」の一本道にします。

入力を作品単位の一組にする

標本は「はじまり」「地図」「画廊」「おわりに」の四章です。第二章は港の地図、第三章は夕暮れの港を参照し、別に表紙画像を指定します。原稿、画像フォルダ、表紙、作業場設定を同じ基準時点の一組として扱います。

ファイルが存在するだけでは台帳になりません。各入力について絶対パス、バイト数、SHA-256を記録し、四章の順番も配列として保存します。確認用の入力台帳は四章、本文画像二点、表紙一点を含み、台帳JSON自体のSHA-256は 494ba061703f0cfd3a7356ba8ab3d3ffd141a4c0820fafee7a33e94a54921466 でした。

出力前に計画だけを読む

いきなりEPUBを作る前に、同じ四ファイルを指定して出力計画を確認します。計画にはファイル数4、章数4、読書順のファイルパス、各章の目次掲載が現れました。この段階なら、章の選択漏れや順番違いを完成後より早く直せます。

表紙は章ファイルへ埋め込まず、巻の表紙指定として扱います。本文画像は章の相対参照、表紙は専用指定という入口の違いを台帳にも残します。

同じ入力から製作用EPUBを出力する

計画と入力台帳が一致したら、四章を同じ順で出力します。今回の製作用EPUBは、表紙と本文画像二点を含み、完成ファイルのSHA-256は c488280d5fedb913688aa2c058e6772dee398baea471555b7430846ec2374cc8 でした。

SHA-256は読みやすさを評価する値ではありません。同じ結果を再確認するときに、どのファイルを検査したかを取り違えないための識別値です。再出力で内容が変われば値も変わるため、新しい版として記録します。

完成物の構造を数値で確認する

EPUBの構造検査は合格し、収録画像3点、画像欠落0件でした。画像3点は表紙1点と本文図版2点です。目次とNCXも存在し、四章の本文ページが読書順へ収録されました。

数が合っていても画像の章が逆なら完成ではありません。第二章の生成ページが地図と代替文「港の地図」、第三章が写真と代替文「夕暮れの港」を持つことを読みます。表紙は cover-image の役割を持ち、本文図版と混ざっていないことを確認します。

入力台帳と生成物一覧を対にする

完成記録には、入力台帳のパスとSHA-256、実行した出力コマンド、終了コード、完成EPUBの絶対パスとSHA-256、検査結果をまとめます。原稿だけ、またはEPUBだけを後から渡しても、制作条件は復元できません。

画像を編集した場合は、新しい画像SHAを持つ入力台帳を作ってから再出力します。古い台帳を書き換えて履歴を消さず、どの入力がどのEPUBを生んだかを版ごとに結びます。

改稿は新しい入力版として扱う

本文の一語、画像の画素、表紙のどれかが変われば、完成ファイルの内容も変わります。変更対象を入力台帳で更新し、出力計画を読み直し、同じ構造検査を繰り返します。変更しない章まで書き直す必要はありませんが、最終的な四章順と画像欠落は一冊全体で確認します。

外部から画像を移して故障を作り、参照を手作業で直す診断はこの記事の目的ではありません。その前後比較は、画像リンク切れを扱う別の障害診断記事で説明します。ここでは、検証済みの入力一式から欠落のない製作用EPUBを再構築できることに集中します。

目視確認を数値検査の後へ置く

構造検査を通過したら、表紙、目次、四章、奥付の順に開きます。図版の内容、代替文、見出し、改ページ、表紙文字を読みます。自動検査は欠落や構造を狭く確認できますが、写真の取り違えや文章の意味までは判定しません。

納品物と制作根拠を分ける

読者へ渡すのは完成EPUBですが、次の改稿へ必要なのは入力台帳と原稿・素材の一組です。配布フォルダへ中間ファイルを混ぜず、制作根拠は別の保管場所へ残します。ファイル名だけでなくSHA-256も照合すれば、同名の旧版を誤って納品する危険を減らせます。

結論:入力から完成まで一つの鎖で残す

画像入りEPUB制作の完成条件は、入力台帳が四章・本文画像二点・表紙一点を特定し、出力計画が同じ読書順を示し、完成EPUBが画像3点・欠落0件で、目視でも役割が正しいことです。画像参照は生成物へ直接継ぎ足さず原稿側で修復可能に保ち、初回も再生成も同じ検査表で判定します。ストア提出、価格設定、端末ごとの色再現は別工程です。入力と出力を識別値で結べば、「前と同じはず」ではなく、一冊になるまで見通せる制作として次の版へ進めます。