
画像入りEPUBのファイル作り方で迷う原因は、元画像の名前と完成EPUB内の名前を同じだと思うことです。変換時には、章ごとに画像がまとめ直され、別名で収録されることがあります。必要なのは、原稿の参照から生成された画像までを一本につなぐ対応表です。ここでは第二章の地図一枚を、移動前後も追跡します。
出発点を四列で記録する
第二章の原稿は chapters/02-map.md、画像は images/body-a.png、原稿内の参照は ../images/body-a.png、代替文は「港の地図」です。この四つを出力前に記録します。画像ファイルだけを一覧にしても、どの章から使われるかが分かりません。
第一回のEPUBでは、第二章が Text/p002.xhtml、画像が Images/p002.png になり、本文の画像要素は ../Images/p002.png を指しました。元の body-a.png という名前は残っていませんが、第二章、代替文、収録先が対応しているため同じ図版だと追えます。
ファイル名ではなく章を軸にたどる
複数の章に画像がある場合、生成名は章の順番に依存することがあります。途中で章を並べ替えれば、p002.png が別の章を示す可能性もあります。そのため「body-a.pngは必ずp002.pngになる」という規則にしないでください。
確認表には、原稿ファイル、画像参照、代替文、生成された本文ページ、生成画像の五つをその都度書きます。これなら章順が変わっても対応を作り直せます。
移動直後の失敗から参照切れを見つける
地図を images/maps/body-a.png へ移した後、第二章を読むと参照は古い ../images/body-a.png のままでした。この状態で再出力すると、第二章は p002.png を参照しているのに画像自体が収録されず、欠落が一件になりました。
対応表の鎖を意図的に切るため、地図ファイルをRune Studioの外側で移し、第二章に残った旧相対参照を手作業で更新しました。この結果が示すのは、元画像、章参照、生成ページ、収録画像を追い直す方法です。アプリ内移動・改名による参照パス自動更新の成否は、この試験からは判断しません。
この失敗は有用です。「画像を移動した」「原稿参照が更新された」「EPUBに収録された」は別の出来事だと分かるからです。ファイル管理画面で新しい場所を見ただけで完成にしてはいけません。
参照を直し、同じ章から再び追う
第二章の参照を ../images/maps/body-a.png へ直して同じ四章を再出力しました。今度は生成された第二章が ../Images/p002.png を指し、Images/p002.png が実際に収録され、画像欠落はゼロでした。代替文「港の地図」も残りました。
復旧後は、元ファイルの新しい場所、原稿の新しい参照、生成本文の参照、生成画像の存在を順に読みます。どれか一つを飛ばすと、たまたまキャッシュで見えた画像を完成と誤認する恐れがあります。
同じ画像を二章で使う場合
同じ地図を二つの章から参照すると、生成側が一つへまとめる場合と章ごとに複製する場合があります。どちらでも、二つの本文ページが正しい画像を指し、代替文が文脈に合っていれば目的は達成できます。収録画像数だけで「一枚少ない」と判断せず、各章の参照先を読みます。反対に似た画像が二枚ある場合は、代替文を変えて対応を明確にします。
名前変更も移動と同じ鎖で追う
フォルダを動かさず body-a.png を harbor-map.png へ変えた場合も、原稿の古い名前は切れます。新しい実在位置、原稿参照、生成ページ、収録画像の順で追います。画像管理の見やすさのための改名が、完成ファイルの欠落を生まないよう、一件ずつ変更して再出力します。
画像が見えないときの切り分け
まず元画像が存在するか、次に原稿から見た相対位置が正しいかを確認します。続いて出力時の欠落通知を読み、完成EPUBの本文ページと画像一覧を照合します。代替文だけが違う場合は、画像ファイルではなく原稿の画像記法へ戻ります。
表紙画像はこの追跡に混ぜません。表紙は書誌設定で指定され、本文図版とは別の cover-image 役割を持ちます。この記事が扱うのは、章原稿から本文画像がどの収録名へ変わったかです。
対応表の更新時点
対応表は出力前の予定ではなく、完成EPUBを読んだ後に確定します。章を追加・削除・並べ替えたときは生成名が変わり得るため、前版の表をコピーして未確認のまま使いません。変更した章だけでなく、その後ろの章の生成ページも確認し、最新版の出力ファイル名と一緒に保存します。
結論:相対参照と収録名を橋渡しする
画像入りEPUBファイルを安全に作るには、元の名前が完成ファイルに残ると期待しないことです。原稿、相対参照、代替文、生成本文、生成画像の対応を章ごとに記録します。画像を移動したら、古い参照のまま一度失敗しないよう出力前に読み直し、修正後のEPUBで欠落ゼロまで確認してください。ファイル整理の正しさは、移動先ではなく、完成EPUBまで参照がつながったことで証明できます。


