
日本語原稿の手直しを速くするには、ルビと圏点を「装飾」とひとまとめにせず、読みを補う箇所と、語を目立たせる箇所を先に分けます。マークダウン対応テキストエディタを選ぶときも、挿入ボタンの数より、底本文字を変えずに対象範囲を確認できるかが重要です。
この記事では、短編の校正で人名・専門語・強調語を一巡する順序を扱います。ルビ一語だけの入力方法は別記事へ譲り、ここでは複数種類の日本語記法を混在させたときの手直し設計に絞ります。
最初に「読み」と「強調」を仕分ける
原稿を上から直し始める前に、候補を三列へ分けます。「読みを補う」「視線を止める」「何もしない」です。たとえば、人名の「東雲」と専門語の「輻輳」は読みの列、決め台詞の一語は強調の列、会話中の中黒や傍線に見える記号は何もしない列へ置きます。
この仕分けがないと、似た記号を見つけるたびに判断をやり直します。逆に、役割を決めてから直せば、ルビ候補だけ、次に圏点候補だけと一方向に進められます。速さは一括処理を装うことではなく、判断の往復を減らすことで生まれます。
短編一章を使った手直しの順番
例として、人名四つ、専門語三つ、強調語二つを含む一章を複製します。原本ではなく複製を使い、次の順で確認します。
- 人名と専門語について、底本と読みを対にする
- 同じ語が複数回出る場合は、最初の一件だけで範囲を試す
- 強調語は前後の句読点を含めず、語だけを選ぶ
- ルビと圏点を別々に挿入し、原文の文字列が残っているか読む
- プレビューでは読み、強調範囲、改行位置を別々に見る
Rune Studioでは、選んだ文字へルビや圏点を挿入する機能が案内されています。このガイドの制作時に実際に確認できたのは「漢字」へのルビ一件と「強調」への圏点一件です。七件と二件をまとめて処理した結果や、生成したXHTML内の全要素までは確認できていないため、複数候補の一括成功を前提にはしません。
失敗は種類ごとに戻す
読みが違うなら、底本を消さず読みだけを直します。圏点が句読点まで伸びたなら、強調範囲だけを選び直します。両方が重なった語は、どちらを主目的にするか決めてから片方ずつ再適用します。原稿全体を元へ戻す必要はありません。
見た目が整っていても、底本文字が変わっていたら不合格です。また、特定のプレビューで読めたことは、すべてのEPUBリーダーで同じ字体や間隔になる保証ではありません。配布用EPUBでは、変換後の内容と実際に使う閲覧環境を別に確認します。
このガイドが扱わないこと
この記事の中心は、ルビと圏点が混在する原稿を種類別に手直しすることです。一語へルビを入れる最短手順は「テキストエディタのルビ、ルビ記法を挿入」、ルビと圏点のどちらを選ぶかという装飾判断は「テキストエディタの装飾、ルビ・圏点」が担当します。縦書きEPUBの右開きや縦中横も、ここでは合否に含めません。
校正表は語ごとではなく役割ごとに閉じる
ルビ候補の表には「底本・読み・出現回数」、圏点候補の表には「強調する理由・開始語・終了語」を書きます。同じ列を使い回さないことで、読みの確認と範囲の確認を混同しません。対象外にした似た記号も削除せず、なぜ触らなかったかを残します。
二周目では記法を増やさず、一覧と本文の件数だけを照合します。人名四件、専門語三件、圏点二件なら、合計九件の変更と二件の対象外が説明できる状態が目標です。ただし、この件数は作業設計上の標本であり、今回の製品操作で九件すべてを完了した実測値ではありません。
エディタを選ぶときの質問
候補のテキストエディタでは、親文字を残したまま読みを直せるか、圏点の範囲を視覚的に確かめられるか、元のテキストへ戻せるかを試します。大量処理の速さより、一件の誤りを小さく戻せることを優先してください。
本番へ進む前の確認票
ルビと圏点の混在校正を本番へ広げる前に、次の欄を一つずつ閉じます。結果が空欄のままなら、作業量が多くても完了とはしません。
- 対象:どの原稿、章、ファイルを扱ったか
- 開始値:底本文字、読み、強調範囲、対象外記号
- 中心操作:何を一つ変え、何を変えなかったか
- 結果:期待した状態と実際の状態
- 戻り先:失敗時に使う未変更の複製
- 未確認:外部リーダーでは標本ページを別途見る
ルビと圏点の混在校正の一覧は成功を飾るためではなく、途中で条件が変わったことへ気づくために使います。二回目に同じ結果を得られない場合は、範囲を増やさず最初の例へ戻ります。資料上の機能、画面上の項目、開始から結果まで終えた操作も、ルビと圏点の混在校正では別々の事実として記録します。
Rune Studioを使わない場合の進め方
専用機能を使わなくても、一種類ずつ一件から挿入することで目的へ近づけます。OSのファイル複製、普通の検索、別名保存、生成物の内容確認を組み合わせれば、未確認の自動処理へ賭けずに進められます。
Rune Studioを選ぶ意味は、ルビと圏点の混在校正で生じる手間を現行Mac版機能で減らせるか試せる点です。まだ記録のない結果は短い複製で確かめます。ルビと圏点の混在校正の結果を自分で読みたい人には向きますが、未確認の自動化を多数の原稿へ即時適用したい人には向きません。
次の一歩は、ルビと圏点の混在校正について上の確認票を一行埋められる最小の複製を作ることです。その結果を確かめてから、必要ならRune Studioの商品ページで現行Mac版の対応範囲を確認してください。
結論
マークダウン対応テキストエディタで日本語原稿を速く手直しするコツは、候補を拾う作業と、記法を入れる作業を分けることです。まず一章を複製し、読み、強調、対象外を仕分け、一種類ずつ直してください。Rune Studioを候補にする場合も、最初は一件ずつ結果を見てから対象を広げるのが安全です。Rune Studioの日本語編集機能を見る


