
日本語小説には縦書きがよく使われますが、ジャンル名だけで縦書きと右から左の方向を選んではいけません。 KDPでは、日本語の横書き本文は左から右、縦書き本文は右から左として、内容の読む方向に設定を合わせます。
この記事では、本文を縦書きにするか横書きにするかを先に決め、その内容方向とEPUB・KDP側の読む方向をそろえる判断順を扱います。rune Studioで実際に確認できた自動処理は2桁の数字に限り、ほかの記号まで一括して自動処理されるとは広げません。
まず本文を縦に読むか、横に読むかを決める
縦書きが自然な日本語小説は多くあります。文章が日本語中心で、縦に流れる本文として読みたい作品なら、縦書きが候補です。
一方、小説でも英字、URL、コード、数式、横長の表が多ければ、横書きのほうが読みやすい場合があります。実用書や技術書でも、文章表現を重視して縦書きを選ぶことはあり得ます。作品の分類ではなく、実際の本文をどちら向きに組むかで決めます。
最初に1章分だけを縦と横で読み比べ、次を確認すると判断しやすくなります。
- 日本語の文章が自然に追えるか
- 英数字や記号が頻繁に読みを止めないか
- 図、表、URL、コードが本文の流れに収まるか
- 読者に前提としてほしい読む順番と合うか
KDPの読む方向は、本文の方向に合わせる
KDPの現行ヘルプでは、日本語は横書きなら左から右、縦書きなら右から左で読める言語として、読む方向を内容の方向に一致させるよう案内しています。したがって、次の組み合わせでそろえます。
- 日本語の横書き本文:左から右(LTR)
- 日本語の縦書き本文:右から左(RTL)
「小説だからRTL」「実用書だからLTR」と決めるのではありません。横書き小説ならLTR、縦書きの解説書ならRTLです。内容と異なる方向を選ぶと、ページを送る向きと本文の流れが食い違います。
KDPで設定するときは、KDP公式の「Language & Reading direction」で現行の案内も確認してください。販売先の仕様は更新されるため、制作時点の内容方向に合わせて最終確認します。
縦書きでは、数字の見せ方を先に決める
縦に組むと、算用数字をどの向きで見せるかが問題になります。とくに年齢や時刻などの2桁の数字は、縦に1文字ずつ並べるか、1文字分の幅へ横向きに収めるかで読み心地が変わります。
数字を漢数字で統一する方法もあります。「十二歳」「三十隻」と書けば、縦中横を使わず縦の流れに合わせられます。算用数字を残すなら、2桁をどう処理するかを確認します。
どちらが正しいかは作品によります。大切なのは、時代やジャンルだけの目安で機械的に決めず、固有名詞、年号、時刻、数量を含む実際の文章で読み比べることです。
rune Studioで確認できたのは2桁の自動処理
rune Studioでは、作品の書字方向を縦書きまたは横書きに設定してEPUBを書き出します。
開発版で「12歳」を含む原稿を書き出したところ、縦書きの本文では12に縦中横用の印が付き、横書きでは付きませんでした。 2桁の数字については、原稿側で1件ずつ専用の記法を付けなくても、書字方向に応じて処理されたことを確認できました。
ここから「すべての桁数」「感嘆符と疑問符の組み合わせ」「顔文字」「半角英字」も同じように自動処理されるとは断定しません。今回の操作検証で確かめた自動処理は2桁の数字です。それ以外は、実際の原稿を縦書きで表示し、必要なら表現を直します。
EPUB内部の方向も確認する
縦書きに設定して書き出した検証用EPUBでは、書字方向がvertical-rl、読む方向がrtlと記録されていました。横書きではhorizontal-tbとltrでした。
これは、rune Studioで指定した方向がEPUB内部に書き込まれたことの確認です。KDPの設定でも、同じ内容方向を選びます。EPUBが縦書き・RTLなのに、KDPで横書き・LTRを選ぶといった食い違いを避けます。
ルビと圏点は書き手が指定する
ルビと圏点は、どの文字へ付けるかが意味に関わります。rune Studioには選択した文字へルビや圏点を入れる操作があり、検証用EPUBではそれぞれ対応する形式へ変換されました。
2桁数字の処理とは違い、ルビや圏点の対象を作品のジャンルから自動決定するものではありません。書き手が本文を読み、必要な箇所へ指定します。
決定から書き出しまでの確認順
- 本文1章を縦書きと横書きで読み比べる
- 日本語中心か、英字・URL・コード・数式・表が多いかを見る
- 縦書きならRTL、横書きならLTRとして内容方向をそろえる
- 2桁数字を含む箇所を確認し、漢数字か算用数字かの方針を決める
- EPUBを書き出し、内部の書字方向と読む方向を確認する
- KDP側でも本文と同じ読む方向を選び、現行ヘルプとプレビューで確認する
件数だけで縦横を決める基準は置きません。2桁数字が何件あっても、本文全体が横書きに向くなら横書きです。反対に数が少なくても、日本語の読み味を縦書きにしたいなら縦書きを選びます。
向く人と、別の確認が必要な人
この判断順は、日本語の小説をKDPで出し、縦書きと横書きのどちらにするか迷っている人に向きます。すでに本文の方向が決まっている場合も、EPUBとKDPの読む方向が一致しているかの確認に使えます。
なお、rune Studioで確かめたのはEPUB内部へ方向が記録されることと、2桁数字の処理までです。KDPでの受理や端末ごとの表示は、この操作検証の範囲外です。公式の設定とプレビューを別に確認してください。
まとめ
- 縦書きか横書きかは、小説・実用書といったジャンルだけで決めず、実際の本文で選ぶ
- KDPでは、日本語の横書き本文はLTR、縦書き本文はRTLとして、読む方向を内容に合わせる
- rune Studioの検証で自動処理を確認できたのは、縦書きEPUBの2桁数字
- EPUB内部の方向とKDP側の読む方向を一致させる
- 数字の件数に一律の基準を置かず、読みやすさと内容方向で判断する
次の一歩として、英数字や記号を含む1章を縦と横で読み比べてください。本文の方向を決めたら、縦書きはRTL、横書きはLTRとして、EPUBとKDPの設定を同じ向きへそろえます。

