
KDP用のEPUBで「本文中に表示する目次」を作るときは、目次を一枚のページとして本文の読む順番に入れ、どこに置くかを決めます。 読書アプリのメニューから開く目次とは、読者から見た役割が違います。
この記事が扱うのは、目次ページの入れ忘れを防ぐための確認順と、前書きや本編との位置関係です。読書アプリ側の目次が参照する仕組み、項目名の決め方、章の選び方は別の記事に譲ります。
本文中の目次は「読むページ」
本文中の目次は、タイトルページや前書きと同じように、読者が順にめくって読むページです。ここでは章へ飛ぶことだけでなく、本の全体像を先に見せる役割があります。
一方、読書アプリのメニューから開く目次は、読んでいる場所から章へ移動するためのナビゲーションです。「目次があるか」を確かめるときは、この二つを分けて見ます。
まず、目次ページの入れ忘れを防ぐ
手でEPUBを組むなら、確認するのは次の3点です。
- 目次ページのファイルがEPUBに収録されているか
- そのページが本文の読む順番に入っているか
- タイトルページ、前書き、第一章との前後関係が意図どおりか
目次用のXHTMLファイルが存在するだけでは、読者が本文中でそのページを読めるとは限りません。本文の読む順番に含まれていることが必要です。
置く位置は、本の入り口から決める
目次ページは前に置けばよい、と一律には決められません。読者に最初に本の構成を見せたいなら、タイトルページの後が分かりやすい位置です。前書きを本の入り口にしたいなら、前書きの後へ動かす選択もあります。
位置を決めたら、ファイル名だけでなく、EPUBに記録された読む順番を確認します。「タイトル、目次、第一章」のように、実際の並びを文字で書き出してみると入れ忘れを見つけやすくなります。
rune Studioで確かめた目次ページの収録
開発版のrune Studioを命令から動かし、二章の原稿から書き出したEPUBを調べたところ、読む順番は「タイトル、目次、第一章、第二章、奥付」でした。
この結果から確認できたのは、目次のファイルが本文の読む順番に入っていることです。同じファイルがEPUBのナビゲーション文書としても登録されていましたが、この記事では本文ページとしての位置に絞ります。
Runeの操作単位とKDPの章・セクションを分ける
rune Studioでは、書き出し対象として並べた原稿単位ごとに目次掲載を切り替えられます。ただし、この製品上の操作単位を、そのまま「KDPで章を目次から外してよい」という意味にはできません。KDPの公式案内は、章やセクションを持つ本に動作する論理目次を求め、品質確認では各章・各セクションに目次項目があることを確認するよう案内しています。
KDP向けでは、本文の章とセクションを論理目次へ含めます。除外を検討できるのは、扉や装飾用の区切りなど、章・セクションとして扱わないページに限ります。
検証用の第三章を目次から外したテストでは、目次の一覧から項目が消えても、読む順番にはそのページが残ることを確認しました。これはRuneの掲載切り替えと読む順番が別であることを示すテスト結果であり、KDPの章を除外する推奨ではありません。
目次ページの有無を検査する
rune Studioの検査では、書き出したEPUBに目次があるかを確認できました。位置については、EPUB内部の読む順番を別に読み、意図した並びと照合します。
言語の設定で目次の見出しが変わる
言語を日本語にすると目次の見出しは「もくじ」、英語にすると「Table of Contents」になりました。英語版を出すときは、言語の設定を先に変えてください。 日本語のままだと、英語の本に日本語の見出しが残ります。
向く人と、目次ページが必須でない人
向いているのは、前書きや複数の章を持つKDP用の本を作る人です。 読者にどの順番で本の入り口を見せるかを、EPUB内部の並びとして確かめられます。
章が少なく、本編がすぐ始まる短い本なら、本文中の目次ページを設けない判断もあります。 不要なページを増やすより、読み始めまでの短さを優先できます。
なお、確かめたのはEPUBの中に目次ページが入り、読む順番に含まれることまでです。読書アプリごとの表示と操作は確かめていません。
まとめ
- 本文中の目次は、本の全体像を読者に見せる「読むページ」
- 入れ忘れを防ぐには、ファイルの有無だけでなく、EPUBの読む順番を確かめる
- 前書きを先に読ませるか、目次で全体を先に見せるかで、目次ページの位置を決める
- rune Studioで書き出した例では、目次ページが本文の読む順番に入っていた
次の一歩として、目次ページを「タイトルの後」と「前書きの後」のどちらに置くか決めてください。書き出し後は、EPUBの読む順番でその位置を確かめます。


