
章ごとにファイルを分けて書いている原稿をEPUBにするとき、本の順番はファイル名ではなく、原稿を選んだ順で決まります。 01_第一章.txt のように名前へ番号を付けても、選ぶ順が違えばその順になります。ここを取り違えると、章が入れ替わった本ができます。
この記事では、確認済みの方法として、章ごとの原稿ファイルを選ぶ順番、見出しから作られる目次、表紙画像の指定を扱います。1つのファイル内へ改ページの印を置く操作までは確認済みですが、その印から複数章を作る結果や、章ファイルとの混在構成は完遂確認していません。表紙や目次の位置の決め方、書誌の入力は別の記事に譲ります。
確認済みの経路は「1ファイル=1章」
原稿の分け方には、章ごとにファイルを分ける方法と、1つのファイル内へ章境界を置く方法があります。ただし、この記事で書き出し後まで確認できているのは前者です。
第一章.txt、第二章.txtのように、今回EPUBへ入れる章を1ファイルずつ用意する- 各ファイルの見出しに、目次へ出したい章名を書く
- EPUBへ入れる原稿を、読ませたい順番で選ぶ
この経路なら、二章分の原稿から、選択順どおりの読む順番と見出しどおりの目次が作られるところまで確認済みです。1ファイル内の複数境界や混在構成を採用する場合は、同じ結果になると推定せず、その構成を実際に書き出して章数、読む順番、目次を別に確認してください。
よくあるやり方
ファイル名の先頭に番号を付けて、名前順に並ぶようにする方法が多いはずです。01_、02_ と付けておけば、フォルダで見たときの並びと本の並びが一致します。
1つのファイルにまとめている場合は、章の切れ目を空行や記号で示します。
名前順に頼ると、途中で章を足したときに崩れる
番号を名前に埋め込む方法は、章を足すまでは快適です。
第二章と第三章のあいだに新しい章を入れることになったとします。02_ と 03_ のあいだに入れる番号がありません。02_5_ のような名前にするか、以降を全部付け替えるかです。番号を章順の根拠にすると、追加のたびに名前の保守が増えます。ファイル名を変える場合は、本文や別資料にその名前を書いていないかを含め、関連する参照を確認してください。
もう一つが、空行で章を区切る方法の危うさです。本文の場面転換で空行を入れることは普通にあります。それを章の切れ目と区別する手段がないと、意図しない場所で章が切れます。逆に、章の切れ目に空行を1つしか入れていなくて、切れないこともあります。
ファイル名と選択順が違う問題は、書き出し前の並び確認で見つけられます。空行や独自の区切りを章境界として使う場合は、その規則を採用した変換処理で結果まで確認しなければ、章数を確定できません。
rune Studioでは、選んだ順が本の順になる
rune Studioは、EPUBに入れる原稿を選び、その並びをそのまま本の並びとします。ファイル名の番号は見ていません。
実際に開発版を命令から動かして確かめました。二章分の原稿を選んで章の並びを確認したところ、次のように返りました。
タイトルページ → 目次ページ → 第一章 旅立ちの朝 → 第二章 港町
章の名前は原稿の見出しから拾われ、それぞれに目次へ載せるかどうかの印が付いていました。順番を変えたければ、選ぶ順を変えるだけです。 ファイル名を付け替える必要がありません。
1つのファイルを複数の章に分ける
1つのファイルの中へ区切りの候補を明示したいときは、改ページの印を入れる操作があります。実際に開発版で確かめたのは、指定位置へ 《《|Page Break|》》 が入ることまでです。この記事では、その印が複数の章へ変換されることや、章ファイルと混ぜた構成が成立することを結果として約束しません。 その使い方を選ぶなら、複数の印を入れた原稿を実際に書き出し、読む順番、目次、章数を確認してから採用します。今回の確認済み経路だけで進めるなら、1章を1ファイルに分けます。
選んだ並びは覚えられる
選択と並びは記録されます。実際に確かめたところ、覚えている並びと、それぞれの原稿が今も開けるかどうかが返りました。次に作り直すときも、同じ並びから始められます。
書き出す前に、並びを確かめられる
書き出さずに、どういう並びで出るかだけを確認することもできます。実際に確かめたところ、章の数、出力先、目次へ載せる章の一覧が返りました。出来上がりを見てから章の数え違いに気づく、という順序を避けられます。
章の分け方は、確認済みの出力結果も含めて決める
ファイルを分けるか、1つにまとめるかは、執筆中の探しやすさだけでなく、出力結果まで確認できたかで決めます。
1つにまとめると、全体を横断して一度で探しやすくなります。 ただし、その利点だけでEPUBの章分割まで成立すると判断はできません。
章ごとに分けると、書いている章だけを開けます。 資料と本文を並べたいとき、開くファイルが小さいほど扱いやすくなります。
今回の確認済み結果をそのまま使うなら、章ごとのファイルを選択順に並べます。1ファイル方式を選ぶ場合は、別の検証として最終EPUBの章数、読む順番、目次まで完了させることが採用条件です。
表紙と目次は、章の並びとは別に決まる
タイトルにある「目次・表紙付きにする」の部分にも触れておきます。この2つは、章の並びとは別のところで決まります。
表紙は、巻に画像を指定します。 章の1つとして選ぶのではありません。実際に開発版で表紙の画像を指定して書き出したところ、読む順番の先頭に表紙のページが増えました。1つ注意があり、画像の場所を短い書き方で指定すると見つからないと言われて止まりました。フルの場所で指定し直すと通りました。
目次は、選んだ章の見出しから作られます。 実際に二章の原稿から書き出したところ、目次に第一章と第二章がそのまま並びました。章の並びを変えれば、目次の並びも一緒に変わります。目次を別に直す作業はありません。
つまり、章の並びを決めれば目次は付いてきて、表紙は画像を1つ指定すれば付く、という関係です。表紙やタイトルページを本のどこへ置くかは、また別に指定できます。
向く人と、別の方法が向く人
向いているのは、章の数が多い本や、書きながら章を足す人です。 連載をまとめる場合、章の追加は最後まで起きます。
章が2つ3つで、順番も決まっているなら、どのやり方でも困りません。 ファイル名の番号で足ります。
なお、確かめたのは章ファイルの並びと目次、表紙を含む書き出し、そして改ページの印を差し込めることまでです。印から最終EPUBがどう分割されるか、混在構成、販売先の審査や端末ごとの表示は、この検証の範囲外です。
まとめ
- 本の順番はファイル名ではなく、原稿を選んだ順で決まる
- 名前に番号を埋め込む方法は、途中に章を足すときに崩れる
- 確認済みの経路は1章を1ファイルにし、読ませたい順番で選ぶ方法
- 1ファイル内の改ページ印は挿入まで確認済みで、複数章への変換結果はこの記事では約束しない
- 書き出す前に並びを確認できるので、章の数え違いに後から気づく順序を避けられる
次の一歩として、今回入れる章ファイルを一覧にし、読ませたい順番で選んで書き出し前の章数と目次対象を確認してください。番号がなくてもその順番を説明できれば、名前に頼らない管理へ移れます。


