
EPUBを自作するとき、まず自分で決めて用意するのは本文、見出し、書誌情報、必要なら表紙画像です。目次、パッケージ文書、本文ページは手で組むことも、道具に生成させることもできます。奥付はEPUB規格上の必須ページではありません。この記事では、その一般的な分担と、rune Studioを使う場合の分担を分けて説明します。
この記事は「外注せず自分で作りたいが、どこまで手作りするのか分からない」という段階のためのものです。決める順番の全体や、EPUBの中身の構造は別の記事に譲ります。
自作で判断する3つの要素
本文以外に、制作方針として判断する代表的な要素は次の3つです。
- 表紙:本棚に並ぶ絵。読者が最初に見るもの
- 目次:章の一覧。読者がここから章へ飛ぶ
- 奥付:必要なら設ける発行情報のページ。作品名、発行日、著者、発行者、著作権の表示など
表紙を付けるなら画像素材は自分で用意します。目次は見出しと行き先から組み立てられます。奥付を入れるかどうかと文面は制作者の判断です。道具が生成できる部分と、自分で決める部分を先に分けるのが自作の勘所です。
全部を手作りする、という方法
EPUBを手で組む場合は、表紙のページ、目次のページ、奥付のページを、それぞれファイルとして作ります。目次には章の名前と行き先を並べ、奥付には発行の情報を文章として書きます。
変換ソフトを使う場合は、表紙、目次、書誌、奥付のどこまでを入力・生成できるかを、その道具の資料で確認します。本文だけを変換する経路なら、残りを別工程で補います。
手作りの本当のコストは「毎回作り直すこと」
1回作って終わりなら、手作りでも困りません。困るのは2回目からです。
章を1つ足したら、目次に1行足します。章の順番を入れ替えたら、目次の並びを直します。発行日を変えたら、奥付の文章を直します。表紙を差し替えたら、表紙のページと書誌の両方を触ります。
自作の本を何度も出し直す場合、誤字や加筆のたびに関連ページを見直します。手作業では、変更点と目次・奥付・表紙設定の対応をその都度確認する必要があります。
もう一つ、奥付には決まり文句があります。著作権の表示や、フィクションである旨の断りです。これを毎回手で書くと、作品ごとに文面が微妙に違ってきます。
rune Studioでは、原稿・表紙・設定を入力する
rune Studioの制作経路では、原稿を選び、必要なら表紙画像を指定し、書誌と巻の設定を入力します。書き出すと、目次と製品所定の奥付が生成されます。
実際に開発版を命令から動かして確かめました。二章分の原稿と表紙の画像を用意し、作品名・作者・発行所・言語・書字方向・出力ファイル名を設定し、巻の版と発行日を入れて書き出しました。出来上がったEPUBの読む順番は「表紙、タイトル、目次、第一章、第二章、奥付」でした。
目次には第一章と第二章が並んでいました。奥付には次が並んでいました。
- 作品名
- 「2026年9月5日 電子書籍 ver 1.0 発行」
- 「作者:佐々木直也」
- 「発行所:disolo」
- 著作権の表示
- 実在の人物・団体とは関係がない旨の断り
目次のページも奥付のページも、自分では書いていません。 章の名前は原稿の見出しから、奥付の内容は書誌の値から作られています。
表紙の指定は、場所の書き方に気をつける
ひとつ、実際にやってみて分かったことがあります。表紙の画像を短い書き方で指定したところ、画像が見つからないと言われて止まりました。フルの場所で指定し直すと通り、読む順番の先頭に表紙のページが増えました。表紙が付かないときは、まず画像の場所の書き方を疑ってください。
目次に載せたくない章も選べる
扉のページやあとがきなど、目次に並べたくない章があります。章ごとに目次へ載せるかどうかを選べ、外しても本文からは消えません。実際に第三章を外して書き出したところ、目次からは消え、読む順番にはページが残っていました。
表紙は「空のページ」として挙がることがある
表紙を付けて書き出したあと、EPUBを解いて中を読むと、表紙のページには画像だけが入っていて文字がありませんでした。
表紙は画像だけのページなので、文字がないのは当たり前です。挙がったからといって異常ではありません。 検査の結果を見るときは、挙がったページが何のページかまで見て判断してください。初めて見ると不安になる箇所なので、先に知っておくと迷わずに済みます。
向く人と、別の方法が向く人
向いているのは、自作の本を何度も出し直す人です。 誤字直しや加筆のたびに関連ページを手で同期したくない場合に合います。
1回きりで、章も2つしかないなら、手作りでも構いません。 目次が2行なら、手で書いても間違えません。
なお、確かめたのはEPUBのファイルが作られることまでです。販売先の審査や、端末ごとの見え方は範囲外です。奥付の文面は決まった形で、自由な文章に差し替える方法は確かめていません。
まとめ
- 自作では本文・見出し・書誌情報・必要なら表紙素材を決め、どこまでを道具に生成させるか選ぶ
- 手作りのコストは1回目ではなく2回目以降。出し直すたびに3ページを見直すことになる
- rune Studioは原稿の見出しから目次を、書誌の値から奥付を作る
- 表紙の画像は場所の書き方に注意。目次に載せない章も章ごとに選べる
次の一歩として、いまの本で「内容として自分が決めるもの」と「道具に生成させるファイル」を二列に書き分けてください。Rune Studioを使うなら、入力は原稿・必要な表紙画像・書誌と巻の設定、生成されるのは目次・パッケージ・製品所定の奥付です。


