入稿前に縦書きを確認!EPUB作成、縦書きEPUBを作成する手順

一章の縦書き標本を検査してから五章へ広げる入稿前確認のアイキャッチ

縦書きEPUBを作成するときは、本文を最後まで書いてから一気に変換するより、「一章の試作→全章の組み立て→入稿前確認」の順に進めると戻り先が明確です。この記事では、一章2,000字、全五章、表紙一枚の小説を例に、章順、書誌情報、表紙、縦書き、右開きをどの段階で確定するかを説明します。

販売先への登録、価格設定、審査結果は扱いません。作る工程と、販売先が受理するかを分けて考えます。

一章だけで設計を試す

最初の試作には、第1章の本文だけでなく、章題、2桁数字、会話記号、ルビ、場面区切りを入れます。ここで見るのは文章の完成度ではなく、縦書きにしたときの基本要素です。

一章標本の判定は、五章へ展開する前に二周で完了させます。まず初回生成を行い、縦書き・右開き・数字・記号・ルビを検査します。次に本文の検査対象を一文字だけ修正し、初回版を上書きせず別名で再生成し、同じ箇所と維持すべき条件を再検査します。この「初回生成→検査→一文字修正→再生成→再検査」を一章で終えてから、全五章の組み立てへ進みます。

試作を開き、本文が縦に流れること、列が右から左へ進むこと、短い数字と記号が意図した向きになることを確かめます。横書きのままなら全五章を読み込まず、縦書き指定へ戻ります。数字だけがおかしいなら原稿の文字種と縦中横の範囲を直します。一章の段階で原因を小さく保つのが狙いです。

全五章を「読む順番」で組み立てる

試作が通ったら、前付け、第1章から第5章、奥付という読む順番を紙に書き出します。ファイル名の並びと読書順が同じとは限りません。「03_第三章」が「02_第二章」より前に入っていないか、目次の項目が各章の冒頭へ対応しているかを確認します。

章題を直したら、本文見出しと目次を片方だけ直して終わらせないでください。目次から各章へ移動し、戻ったときの順番も見ます。章が欠けた場合は文章を触らず、まず組み立て対象と読む順番へ戻ります。

書誌情報は本文と別に確定する

タイトル、著者名、言語などの書誌情報は、本文中の扉ページに書いた文字とは役割が違います。仮題のまま出力しやすいので、入稿候補を作る直前に正本を一つ決め、表記を照合します。

たとえば扉が「夜の航路」、書誌情報が旧題「海の航路」なら、表示の美しさ以前に差し戻しです。著者名の空白、英数字の全角・半角、シリーズ名の有無も同じ基準でそろえます。修正先は本文ではなく、食い違っている書誌項目です。

表紙は一枚だけを参照させる

表紙画像は、見た目が表示されるだけでなく、どの画像を表紙として参照しているかを確認します。旧版と新版を同じフォルダに置く場合は、最終版の名前を決め、生成対象がそちらを指すようにします。

表紙が欠けたら本文の再編集をせず、画像の場所、ファイル名、参照先へ戻ります。古い表紙が出たらキャッシュと決めつけず、まず参照しているファイルを確かめます。表紙を差し替えた後は、目次や章順が保たれていることも再確認します。

入稿候補は初回生成と再生成を比べる

一章標本で初回版を生成して検査した後、管理上の検査対象を一文字だけ直します。初回版を保存したまま、別名の再生成版を作り、修正した文字だけでなく、右開き、章順、目次、表紙、縦中横が維持されているかを再検査します。この二周目までを全五章へ展開する前に完了させ、初回版と再生成版の差分を判定表へ残します。初回だけ整い、再生成で設定が落ちる制作手順は、長編の修正に向きません。

問題が起きたら、最後に触った要素へ戻ります。本文の一文字修正後に表紙が消えたなら、原稿を元に戻すのではなく、再生成時の組み立て条件を確認します。五章すべてを最初から読み直すのではなく、変化した箇所と維持すべき箇所を分けます。

Rune Studioで試せる範囲

現行Mac版の公開機能資料では、Rune Studioは vertical-rl の縦書きプレビューと、右開き・縦中横・記号処理を含むEPUB 3出力を備えるという機能範囲が確認できます。一章標本から全章へ広げる制作手順を、一つのワークスペースで試す候補になります。

これは公開資料で確認した機能範囲であり、この記事の五章標本が合格したという操作結果ではありません。販売先の登録や審査も別です。入稿先の現行要件とプレビュー環境で最終確認してください。

作品情報、組み方向、ページ順、出力ファイル名を表示したEPUB出力前の確認画面
作品情報、組み方向、ページ順、出力ファイル名を表示したEPUB出力前の確認画面。

まず第1章を複製する

今日着手するなら、第1章2,000字を複製し、章題、2桁数字、ルビ、場面区切りを一つずつ入れて試作します。一章で初回生成と検査を行い、一文字だけ修正して別版を再生成し、再検査まで終えます。その後に五章の順番、書誌、表紙を組み立てる順番へ進みます。この順なら、入稿前の確認箇所を分けて記録できます。

ここでいう効用は、工程の確認箇所を分けやすくすることです。所要時間や入稿結果を測定したものではありません。判定表には、本文の列が右から左へ進む、目次の第3項目が第3章へ移る、書誌の著者名が正本と一致する、表紙の参照先が最終画像である、誤字を一文字直した再生成でも章順が変わらない、という五つの条件を別欄で記録します。

たとえば目次の第3項目だけが第2章へ移るなら、戻り先は本文の誤字ではなく目次と章の対応です。表紙が旧版なら、戻り先は書誌や本文ではなく画像ファイルと参照先です。入稿先のプレビューで警告が出たときは、警告文と制作側の確認欄を対応させ、どの条件が未確認かを残します。「確認済み」と「まだ入稿先で見ていない」を同じ合格欄に置かないことが、この記事の標本を本番へ広げる前提です。

入稿前の確認順を固定する

確認順は、一章の初回生成、本文の表示、章の順番、目次の移動先、書誌情報、表紙、一文字修正後の再生成と再検査、全五章への展開、入稿先プレビューの順に固定します。本文の崩れを直している途中で表紙を差し替えると、どの変更が結果へ影響したか分からなくなるためです。

各項目には「合格」「要修正」「未確認」の三つだけを使います。「たぶん大丈夫」や「前回と同じ」は記録に残しません。要修正になったら、修正対象と対象外を一行で分け、修正版のファイル名を変えて保存します。

この順番は、入稿先の要件を置き換えるものではありません。入稿先のプレビューで警告が出た場合は、その警告を制作側の確認表へ戻し、本文・書誌・表紙のどこに関係するかを切り分けます。

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