原稿の推敲で検索とハイライトを使うなら、二段階に分けるのがコツです。第1段階では検索で「何件あり、どこにあるか」を候補表へ集めます。第2段階では、ハイライトを修正命令ではなく読み直しの目印として評価します。色が付いた語を自動的に誤りと決めてはいけません。
人物名の表記を確認した直後に、同じ検索欄で重複表現を探すと、何の18件だったのか、何の11件だったのかが混ざりがちです。長編ほど、検索語ごとに件数と判断基準を分けたほうが、修正漏れも直しすぎも減らせます。
5章の原稿で「名前」と「重複語」を分ける
例は、chapters/01.mdからchapters/05.mdまでの複製原稿です。人物名を示す確認用文字列が18件、重複語を示す文字列が11件あります。さらに、わざと残す反復を4か所用意した想定です。
最初に作るのは置換表ではなく、次の確認表です。
| 種類 | 検索語 | 目的 | 色が付いた後の判断 |
|---|---|---|---|
| 人物名 | NAME603 |
表記と登場位置を確認 | 別人・呼び名・引用かを読む |
| 重複語 | REPEAT603 |
近すぎる反復を探す | リズムとして必要なら残す |
| 注意語 | 自分で決めた語 | 後で読み直す | 修正命令にはしない |
判断規則は、「意味を変えずに重複を減らせるときだけ修正する」です。人物名は一致していることが正解の場合も多く、重複語も台詞の調子や伏線として必要なことがあります。
第1段階:検索結果を推敲候補へ変える
- 複製した5章だけを検索範囲にし、人物名を検索します。ファイル名と一致件数を記録します。
- 検索語を重複語へ替え、前の件数と混ぜずに別行へ記録します。
- 各一致の前後を一文ずつ読み、「修正」「残す」「保留」の三つに分けます。
- 専用のハイライトリストを作れる場合は、共有設定ではなく複製用のリスト名にします。人物名と注意語を加えます。
- 修正後に同じ二つの検索を繰り返し、意図して残した箇所と未処理の箇所を区別します。
ここまでの成果物は「色が付いた原稿」ではなく、「18件と11件を混ぜずに、各一致を修正・残す・保留へ分けた候補表」です。ハイライトを使えるかどうかにかかわらず、この表があれば推敲を進められます。
確認済み事実を公開資料と操作結果に分ける
専用の5章をワークスペース検索した結果、人物名は18件、重複語は11件でした。二つの語を別クエリで取得できたため、「名前の分布」と「反復の候補」を混ぜずに数えられることは確認できています。
続いて、複製用の固有名を付けたハイライトリストを実際に作成し、NAME603とREPEAT603を追加して有効化しました。リストを読み戻すと2語が登録され、有効なリストの位置も新しいリストを指していました。確認後は元の有効設定へ戻し、一時リストを削除しました。最後に設定全体を読み戻し、開始時と一致するところまで確認しています。
Rune Studioの現行Mac版については、公開資料で確認した仕様として、選択文字列と同じ語の強調、用途別の単語リスト、リスト内の語の強調、色と透明度の調整が記載されています。大容量ファイルでは登録語ハイライトを停止して負荷を抑えることも記載されています。これは機能の説明であり、この記事の5章が画面上でどう着色されたかという観察結果ではありません。
第2段階:ハイライトを推敲候補として評価する
操作結果として確認済みなのは、検索件数、リストの作成、2語の登録、有効化、設定の復元です。画面上で対象語がどの色に見えたか、意図して残す4件がどのように表示されたかは未観察です。そこで、製品の採否と文章の修正判断を次の表で分けます。
| 評価対象 | 合格 | 保留・不合格 | 次の判断 |
|---|---|---|---|
| 検索候補 | 18件と11件を別々に再取得できる | 件数や範囲が混ざる | 検索範囲と語を固定し直す |
| リスト設定 | 2語の登録・有効化・復元を読み戻せる | 元設定へ戻せない | 本番設定では使わない |
| 画面表示 | 複製原稿で対象語だけを目印として読める | 未観察、無関係語も目立つ、表示負荷が高い | 検索候補表を使い、色への依存を保留する |
| 文章の修正 | 前後を読んで修正理由を説明できる | 色だけが理由になっている | 「残す」か「保留」へ戻す |
この評価では、画面表示が未観察でも記事の手順は止まりません。候補表を正本にし、ハイライトは自分の複製原稿で安全に確認できた場合だけ補助として採用します。意図して残す4件は、色の有無ではなく文脈と残す理由で管理します。
直しすぎを防ぐ読み方
たとえば「静かに、静かに」と同じ語が続いていても、台詞のためなら残します。一方、「彼はゆっくり歩いた。ゆっくり扉を開けた」のように、近い位置で効果が重なるなら片方を具体的な動作へ替える候補です。
迷った一致は保留にし、章全体を読み終えてから戻ります。ハイライトの色を消すことより、残す理由を説明できることを優先してください。
原稿用テキストエディタを選ぶ基準
検索件数をファイル別に追え、対象範囲を限定でき、ハイライトを修正操作と切り離せるエディタが向いています。Rune Studioは、公開資料で確認した仕様と、既存の検索・リスト操作結果までは評価材料にできます。画面表示は未観察なので、必要なら複製の5章だけで候補表と突き合わせ、採用・保留を決めます。現行Mac版の案内はRune Studio公式サイトにあります。
実際の推敲メモには、検索日、対象5章、検索語、件数、残した理由を一行ずつ残します。翌日に読み直したとき、18件から何件を直したかだけでなく、残した反復が意図どおり働いているかも確認できます。検索語を追加する場合は既存の二つへ混ぜず、新しい行と色を割り当てます。こうすると、人物名の確認と文体の推敲が同じ作業に見えても、やり直す範囲を分けられます。
最後に、保留へ回した一致だけをもう一度読みます。修正と残す判断を先に終えてから保留へ戻ると、章全体の調子を基準にでき、最初の一文だけで決めるより判断が安定します。
保留件数も数字で残し、次の推敲日にゼロから探し直さないようにします。
結論は、検索で候補を漏れなく集める第1段階と、ハイライトを補助として採用するか決める第2段階を混ぜないことです。18件と11件を別々に数え、4件の例外を理由付きで残せば、画面表示を未確認のまま「確認済み」と書かずに、推敲を安全に進められます。
検索とハイライトの対応範囲を詳しく見る方は、Rune Studioの商品ページで現行Mac版の案内を確認できます。