
KDP向けの縦書きリフローEPUBは、ローカルで書き出せただけでは完成ではありません。リフローとして文字サイズ変更に追従すること、右開きであること、2桁数字・ルビ・!?・目次が残ることを別々に確認します。
今回の二章標本では、2桁数字6件、ルビ4件、!?4件、目次2項目を入れました。出力後は右開き、ルビ4件、!?4件、navとNCX各2項目、valid=trueを確認しました。一方、文字サイズ変更後の再配置とKDP表示は未確認です。結果はpartialであり、KDP入稿成功とは扱いません。
リフローの答えは「サイズ変更後も読む順序が保たれるか」
リフローは、読者が文字サイズなどを変えたときに本文が再配置される形式です。固定レイアウトのようにページ座標をそのまま保つことを目的にしません。一般的な選択では、本文中心の小説はリフロー候補、画像配置や座標が重要な本は固定レイアウト候補として分けます。
この記事では、形式選択全体ではなく、縦書きリフロー候補を入稿前に検査する手順へ絞ります。縦書きと横書きのどちらを選ぶかはSTUDIO-466の役割で、ここでは縦書きを選んだ後の再配置・右開き・文字処理を扱います。
二章と四種類の定点を標本にする
標本は二章の縦書き小説で、2桁数字6件、ルビ4件、!?4件、目次2項目です。各定点を別の段落へ置き、章をまたいで確認できるようにします。開始値が違えば出力へ進みません。
固定レイアウトの比較用ファイルへ途中で切り替えず、縦書きリフロー候補だけを追います。画像は0件の標本なので、画像配置の再配置は今回の判定対象外です。
実際の操作は構造、文字処理、再配置の順に分ける
専用ワークスペースで作品情報を日本語・縦書きにし、二章を選択してEPUBを出力します。まず構造検査でspine、nav、NCX、欠落画像、右開きを確認します。次に生成XHTMLでルビと!?の件数を数えます。2桁数字は証拠JSONで値が秘匿されているため、factsに記録された6件維持を使い、具体的な文字列は推測しません。
最後に、本来は文字サイズを変えて章順、行送り、2桁数字、ルビ、!?を肉眼で再確認します。今回そこは実行していないため、構造検査で止めます。
実測で確認できた構造と件数
タイトル固有の9操作では、valid=true、spine_count=5、画像0、欠落0、nav・NCXあり、nav項目2、NCX項目2、右開きtrueでした。navはp001.xhtmlとp002.xhtml、NCXも対応する二章を指しました。ルビ4件、!?4件、2桁数字6件もfacts上で維持されています。
共通Stage 4の別検証では、2章、writingMode=vertical、版1.2、spine=6、画像1、欠落0、nav・NCXあり、valid=trueでした。タイトル固有標本とは画像数とspine数が違うため、二つの結果を混ぜません。
この実測で合格にできるのは、二章の読む順序、目次項目、右開き、ルビと記号の件数、ローカル構造です。文字サイズ変更後の見た目は合格にしません。
KDP・実機・目視の未確認範囲
KDP公式ヘルプは、ガイドラインを満たすEPUBを受け付け、アップロード前にKindle Previewerで検証することを勧めています。今回、Kindle Previewer、KDPへのアップロード、販売先審査、Kindle端末やアプリでの表示は確認していません。
また、縦書きプレビューの肉眼表示、文字サイズ変更後の再配置、iPad表示も対象外です。valid=trueはローカルのパッケージ結果であり、外部受理や同一表示の保証ではありません。
- nav・NCXが2項目でない:章選択と目次設定へ戻る
- 右開きでない:作品情報の縦書き設定へ戻る
- ルビや記号の件数が減る:原稿と生成XHTMLの照合へ戻る
- 文字サイズ変更で崩れる:同じEPUBを表示検証へ回し、ローカル構造結果は保持する
- KDPで拒否される:KDP側の指摘を別記録にし、入稿条件から戻る
Rune Studioでできること
現行Mac版Rune Studioは、縦書きプレビュー、右開き、縦中横・記号処理を含むEPUB 3出力を公開機能として備えています。EPUBウィザードでは作品情報、章順、目次、表紙などを設定できます。これはStage 3の製品範囲です。
W3CのEPUB 3.3仕様は固定レイアウトとリフローの制御、spine、ナビゲーションなどを規定します。一般仕様、Rune Studioの生成機能、今回のStage 4、KDP結果はそれぞれ別の根拠です。
結論:構造合格の次に再配置を確認する
KDP向け縦書きリフローEPUBの入稿前確認では、二章の読む順序、右開き、目次、2桁数字、ルビ、!?を固定し、最後に文字サイズ変更後の再配置を見ます。今回、構造と件数は確認できましたが、再配置とKDP表示は未確認です。
したがって現時点では「ローカル構造は合格、リフロー表示とKDP受理は保留」です。同じEPUBをKindle Previewerなどで確認するまで入稿成功とは書きません。現行Mac版の範囲はRune Studioの商品ページで確認できます。


