
答えは「移動前の参照台帳」にある
EPUBの挿絵を整理するときは、画像を先に動かしてはいけません。先に「どの原稿が、どの相対パスで、その画像を参照しているか」を数え、移動後に同じ件数が新しいパスへ移ったことを確認します。今回の中心は、壊れてから直す方法ではなく、原稿と画像を移す前に戻り道を作る方法です。
記事固有の検証では、C02.mdとC04.mdにある画像参照を1件ずつ、合計2件記録しました。画像をassets/illustrationsへ移し、参照を明示的に書き換えた後は、旧パスが0件、新パスが2件でした。検証ステータスはpartialです。参照文字列の整合は確認できましたが、自動追従や実機表示まで確認した結果ではありません。
標本は2原稿・2参照から始める
企画上の題材は、挿絵images/port.pngをC02.mdとC04.mdから参照する小さな原稿です。実行証拠では同じ役割の画像をmap.pngとして作り、移動先をassets/illustrations/map.pngにしました。開始時点の記録は次のとおりです。
- 対象原稿: C02.md、C04.md
- 移動前の参照: 2件、参照元は2ファイル
- 原稿別の内訳: C02.mdが1件、C04.mdが1件
- 移動先: assets/illustrations
企画名と検証用ファイル名が一致していないため、port.pngそのものの成功証明には読み替えません。確認できたのは、2原稿に分かれた2参照を追跡する手順です。
製品に依存しない移動手順を決める
まず原稿フォルダ全体から旧パスを検索し、ファイル名、参照元、件数を保存します。次に移動先を作り、画像を1回だけ移します。その後、参照元として記録した原稿だけを更新し、旧パス検索と新パス検索をやり直します。
合格条件は、旧パスが0件、新パスが移動前と同じ2件、原稿別件数も1件ずつであることです。どれかが合わなければ、参照編集を元に戻して画像を旧位置へ戻します。移動前の台帳があれば、「どこまで戻すか」を推測せずに済みます。
今回は明示的な書き換えで追従させた
実測では、ワークスペースを開き、参照利用箇所を取得し、images/map.pngからassets/illustrations/map.pngへの変更計画を確認しました。その後に画像を移動し、2原稿の参照を明示的に書き換えています。書き換え対象は2件でした。
この順序の意味は、画像の所在と原稿中の文字列を同時に曖昧にしないことです。移動直後に旧パスを探せば更新漏れを検出でき、新パスを原稿別に数えれば、一方の章だけを直して終わる事故も防げます。
実測値は旧0件・新2件
記事固有Stage 4の結果は、references_before=2、reference_files_before=2、rewritten_occurrences=2、old_path_matches=0、new_path_matches=2でした。新パスの内訳はC02.mdが1件、C04.mdが1件です。参照更新計画のplanned_filesは0でしたが、これは今回の記録が自動更新計画を立証していないことを示します。実際の2件は明示的な参照書き換えで揃えました。
別の共通Stage 4では、4項目のツリーを持つ小さなワークスペースで、移動前1件、移動後1件の参照と読み戻しまで確認されています。ただし、こちらもFinderタグの色や再起動後の展開状態を証明する検証ではありません。
partialの外側を成功扱いしない
今回の結果から言えるのは、専用の検証コピー上で、旧参照0件・新参照2件へ明示的に揃えられたことです。Finderやクラウド同期で移動した画像への自動追従、共同編集、ワークスペース外の変更、EPUBリーダー上の見た目は未確認です。画像の内容や代替テキストの品質も評価していません。
そのため、旧パス0件だけを見て「挿絵が表示できる」と結論づけないでください。ファイルが移動先に存在すること、参照件数が保たれていること、必要なら出力後のパッケージにも画像が入ることを別々に確認します。
Rune Studioの公開機能と今回の実測を分ける
Rune Studioの公開仕様では、ワークスペース内のMarkdown原稿が参照する相対パスを、ファイルの移動や名前変更に合わせて更新できます。txt、text、md、markdown内の画像・リンク参照が対象で、../を含む相対パスにも対応します。一方、外部URLやページ内アンカーは更新対象ではなく、削除時は警告の対象です。これはMac版の製品仕様であり、今回のCLI実測そのものではありません。
今回のStage 4で行ったのは、専用コピー上の明示的な参照書き換えです。公開機能の存在と、この記事固有の2件が自動で追従したという主張は分けます。
2件を原稿別に回収できたら移動を終える
この標本の終了条件は、C02.mdとC04.mdの新パスが各1件、旧パスが全体で0件になることです。条件を満たさない場合は、画像を旧位置へ戻し、移動前台帳の2行からやり直します。
EPUBの挿絵移動で重要なのは、「自動で直るはず」と期待することではありません。移動前の2件を記録し、移動後も同じ2件を原稿別に回収することです。今回確認できたのはその参照整合までであり、表示確認や外部環境は次の検証として残ります。


