
一冊の検証は一章の合格から始める
画像入り原稿をいきなり全章まとめてEPUB化すると、失敗したときに本文、画像、章順のどこへ戻るべきか分かりにくくなります。先に一章・画像1枚の最小単位を生成し、その単位が合格してから同じ参照規則で五章へ広げると、追加した範囲だけを疑えます。
一般手順は、最小単位を決める、開始値を記録する、最小版をplan・export・inspectする、参照規則を変えずに章を追加する、拡張版を同じ項目で再検査する、という順です。最小版の合格は完成品の合格ではありませんが、全体を切り分ける比較基準になります。
約1,200字の第一章と画像1枚を開始値にする
企画上の日本語標本は、約1,200字の第一章と画像1枚から始めます。画像名はscene01.png、本文には代替テキストを持つ参照を置く設計です。記事固有Stage 4の専用コピーでは、対応する検証素材がfigure01.pngとして記録されました。ファイル名の違いより、最小版が「一章・画像1枚」であることを固定します。
Stage 4のresult_valuesは章数、画像数、spine、missing、validを返しますが、本文の文字数を再計測した値は返していません。したがって約1,200字は企画上の開始目安であり、今回の実測結果として断定しません。文字量を厳密に管理する場合は、原稿側で別に数えて記録します。
最小版をplan、export、inspectする
最初に一章だけを選び、planでfileCount 1、chapterCount 1を確認しました。次に最小版をexportし、生成物は4,982 bytes、SHA-256は7d12c10dで始まる記録になりました。
inspectではentryCount 10、spineItemCount 4、imageCount 1、missing 0、nav.xhtmlあり、NCXあり、各ナビゲーション項目1件、valid true、issues空でした。一章、画像1枚、ナビゲーション1項目という開始値がそろったため、この最小版を拡張前の比較基準にできます。
最小版で画像が欠けたら、全章を増やさず第一章の参照と元画像へ戻ります。章順が違えば選択とplanへ戻ります。この段階で原因を一章の中に閉じ込めることが、段階方式の利点です。
同じ画像参照規則のまま五章へ広げる
最小版が通った後で、章を五つへ増やしました。ここで画像フォルダや相対参照の規則を変えず、第一章で通ったパターンを維持します。拡張版のplanはfileCount 5、chapterCount 5、valid trueでした。
拡張版の生成物は6,774 bytesで、SHA-256はc4b96dで始まります。inspectはentryCount 14、spineItemCount 8、imageCount 1、missing 0、nav.xhtmlあり、NCXあり、各ナビゲーション項目5件、valid true、issues空でした。章は1から5へ増えましたが、共有する画像参照規則とパッケージ画像1件は維持されました。
前後差は章1→5、spine 4→8、ナビ1→5だった
最小版と拡張版を比べると、chapterCountは1から5、spineItemCountは4から8、navとNCXの項目数は各1から5へ増えました。一方、imageCountは1、missingは0のままです。この差分から、同じ画像参照パターンを保って章を追加し、五章のローカル構造を検査できたと表現できます。
共通基準走行は三章、画像1件、横書き、version 1.7で、spine 7、missing 0、nav.xhtmlとNCXあり、valid trueでした。これは通常出力の補助証拠です。一章から五章へ広げた前後差の根拠は、記事固有の二つの生成物です。
段階検収で確認していない範囲を残す
今回のpassedは、専用コピーで一章版と五章版を明示的に生成し、構造、読む順序、ナビゲーション、画像登録、missingを確認した結果です。画像の見た目、代替テキストの読まれ方、画像の権利処理、ストア側の再圧縮、KDPなどの外部受理は確認していません。
五章版で問題が出たら、最小版が合格した状態へ戻し、追加した四章を小分けにして再投入します。画像の見た目が問題なら元画像へ、外部サービスの診断ならその環境へ戻ります。構造上のvalid trueを、全環境での品質保証へ広げないでください。
Rune Studioの公開機能を段階方式に組み込む
Rune StudioはMarkdown原稿からEPUB 3を出力し、章を読む順序としてspineへ登録し、nav.xhtmlとNCXを生成し、参照画像をパッケージへ取り込む公開機能を持ちます。EPUBのpackage document、manifest、spineの役割はEPUB 3.3で定義されています。
今回の実測は、その公開機能を専用コピーへ明示的に適用したものです。Finderやクラウドの自動追跡、外部ストアや実機での結果は含みません。製品機能は、一章版と五章版を同じ検査項目で比べるための出力手段として位置付けます。
結論:一章の合格条件を保ったまま五章へ拡張する
画像入りEPUB化を見通しよく進めるには、約1,200字を目安にした第一章と画像1枚から始め、章1・画像1・missing 0・valid trueを確認します。その後、参照規則を変えずに五章へ広げ、章5、spine 8、ナビ5、画像1、missing 0を再確認します。
今回の専用標本はこの段階を通過しました。途中で値が崩れたら、合格済みの一章版へ戻り、追加章を分けて調べます。一冊を一度に賭けるのではなく、小さな合格を拡張して一冊へ近づける方法です。


