
電子書籍を横書きで作るときは、本文を横向きに表示できたことだけで完成にしないでください。横書きEPUBでは、文字の流れは上から下、ページは左から右へ進みます。ルビや画像、目次もその流れに合っている必要があります。確認用の四章作品を実際に横書きで作ると、書誌の文字方向は horizontal-tb、ページ進行は ltr になりました。ここを基準に組み立てます。
横書き向けの原稿を一冊分そろえる
例として「はじまり」「地図」「画廊」「おわりに」の四章を用意します。第二章に地図、第三章に写真と「東京」「紫陽花」のルビを入れます。作品名、著者、発行所、表紙も決めます。縦書き用の原稿を流用する場合は、全角英数字や縦中横のための表現が残っていないかを見直してください。
横書きでは、英数字を無理に全角へそろえる必要はありません。URL、年号、型番は読みやすい表記を優先します。ルビは文字方向に関係なく、親文字と読みの対応を一語ずつ決めます。
書き方より先に文字方向を設定する
EPUBの作品設定で横書きを選び、言語を日本語にします。タイトルや著者を入れた後、四章を読む順に選びます。表紙ページと目次を本文より前、奥付を本文より後ろへ置く構成なら、読者は表紙、書名、目次、四章、奥付の順に進みます。
確認用の出力では、四つの章見出しが目次に並び、本文は第一章から第四章へ左開きで進みました。横書きなのに右開きになっていれば、原稿の文章ではなく作品の文字方向設定へ戻ります。
ルビと画像を生成後のページで読む
第三章へ付けた東京の読み「とうきょう」と紫陽花の読み「あじさい」は、生成された本文でルビ要素になりました。第二章の地図と第三章の写真も、それぞれのページに収録され、代替文が残りました。編集画面で見えたことと、EPUBへ変換されたことは別なので、完成ファイル側を確認します。
画像が欠けたら、文字方向を変えても直りません。原稿から見た画像の場所を確認し、移動後なら参照を書き換えます。ルビが抜けたら、親文字の範囲と読みを原稿で直して再出力します。原因ごとに戻り先を分けます。
CSSに縦書きの定義があっても慌てない
横書きで作った確認用EPUBの共通スタイルには、縦書き用クラスの定義も含まれていました。しかし本文の body にはそのクラスが付かず、書誌は horizontal-tb、ページ進行は ltr でした。スタイル内に vertical-rl という文字が一つあるだけで、縦書き出力だと決めつけないでください。
見るべきなのは、作品の書誌設定、本文ページに付いたクラス、ページ進行の組み合わせです。三つが横書きとして一致しているかを読みます。
改ページは読む単位で入れる
横書きでは画面幅によって一ページの行数が変わるため、紙のページ番号を再現しようとして空行を重ねないでください。章の開始、場面転換など、内容上の区切りへ改ページを使います。画像の直前に改ページを入れる場合は、小さい画面で画像だけの空白ページが生まれないかを確認します。今回の四章構成では、章単位のページ分けを基準にし、段落途中の固定改ページは加えていません。
英数字と約物を横書きとして読む
縦書き原稿から移した文章には、縦中横を意識した短い数字や全角英字が残ることがあります。横書きにした後は、年号、URL、感嘆符の並びを通常の行として読み、不要な全角化を戻します。ルビや画像だけでなく、検索で英数字を拾って確認すると、縦書き版の処理を持ち越しません。
表と箇条書きは小さい画面でも試す
横書きは横幅を使いやすい一方、列の多い表はスマートフォンで縮んだり横へはみ出したりします。表を入れるなら列数を減らし、一つのセルへ長文を詰めません。箇条書きは行頭記号とインデントが残っているかを確認します。今回の標本は画像とルビを中心にしたため、複雑な表の表示結果までは確認していません。表が作品の中心なら、表を含む専用標本を追加してから入稿します。
横書きという設定だけで、すべての要素が自動的に小画面へ最適化されるわけではありません。代表的な狭い表示幅で段落、画像、見出しを読み、横スクロールなしで本文を追えるかを確認します。
横書きの失敗を戻す順番
ページが逆に進むなら文字方向設定へ戻ります。目次順が違うなら章選択へ、画像欠落なら画像参照へ、ルビ違いなら原稿のルビ範囲へ戻ります。出来上がったEPUBの中身を直接直すのではなく、元の設定または原稿を修正して同じ四章を作り直します。
この記事は横書きEPUBの組み方に限定しています。縦中横、右開き、縦書きCSSの設計は別の工程です。結論として、横書き設定、左から右の進行、四章の目次、ルビ、画像を同じ完成ファイルで確認してください。画面が横向きに見えるだけでなく、読み順と生成内容まで横書きとしてつながったとき、一冊として完成です。

