
EPUB Generateで縦書き小説を生成する流れは、生成ボタンを押す手順だけではありません。この記事では、Generate前のplan、生成時の生成物IDと固定日時、生成後のinspect、右開きの期待値を一つの記録でつなぎます。plan・generate・inspectはこの作業を説明する一般的な段階名であり、特定製品のコマンド名とは断定しません。
対象は、表紙なしの二章小説を使った縦書きの検査版です。表紙付き経路、KDP審査、販売端末保証は扱いません。一章を直して全巻へ広げる往復を中心にする記事とは役割を分け、ここではGenerate前後の条件と成果物の識別に集中します。
Generate前にplanを固定する
planは、生成前の計画表として使います。入力正本のファイル名、章ID、収録順、作品情報、書字方向、ページ進行、表紙の有無、出力先を一行ずつ記録します。二章の小さな入力を使う場合も、第一章の次に第二章が来ることや、目次の各項目がどの章を指すかを先に書きます。
入力を固定した後に本文や章順を変えたら、同じ版とは扱いません。plan-01とplan-02のように計画版を分け、変更理由を残します。これにより、生成物の差が設定の変更なのか、入力正本の差なのかを後から説明できます。
planへ右開きの期待値を記録する
縦書きの見た目と右開きのページ進行を一つの「縦書き」欄へまとめません。期待値として、本文側はwriting-mode: vertical-rlに対応する縦方向、パッケージ側はpage-progression-direction="rtl"に対応する右から左の進行、と分けて記録します。これは業界標準の確認項目をplanへ置く方法です。
さらに、第一章から第二章へ進む順、目次二項目の移動先、特定の閲覧環境で確認するかを記載します。表紙はこの標本に含めず、表紙を含む経路は対象外として別の確認へ回します。期待値が先にあれば、生成後に見えた方向をそのまま正解とせず、どの欄が未確認なのかを判断できます。
生成物IDと固定日時で版を識別する
Generateの前後で、入力版、候補名、固定日時、連番から生成物IDを作ります。例としてST380-sample-20260828T100000+0900-01をIDとし、出力名にもST380-sample-01.epubのように版番号を含めます。作業票、検査結果、閲覧したファイル名へ同じIDを記録してください。
固定日時は、検査のたびに変わらない値です。たとえば2026-08-28T10:00:00+09:00をplanへ記録したら、比較する候補にも同じ値を渡します。修正後は-02へ進め、初版を上書きしません。版管理の目的は、どの設定で作った成果物かを追跡することであり、生成できたこと自体を合格とすることではありません。
初回inspectの後に二周目を行う場合は、管理上の検査文字を一文字だけ変更します。例えば第一章の検査用文字「甲」を「乙」へ置き換え、同じ入力条件と固定日時を保ったまま、初版ST380-sample-20260828T100000+0900-01を残して別名の再生成版ST380-sample-20260828T100000+0900-02を作ります。二版を上書きせず、入力正本、plan、生成物ID、作品情報、spineの章順、目次リンク、縦書き指定、右開きの期待値を初版と比較し、変更した一文字以外に差がないかを記録します。差分の戻り先を説明できない場合は受け入れず、該当するplanまたは生成条件へ戻ります。
Generate後のinspectで構造を確認する
ここでいうinspectは、生成物の構造を点検する一般的な段階名です。Rune Studioのコマンド名として扱いません。EPUBを開けるかとは別に、パッケージ文書の作品情報、spineの章順、目次の対応、各章の識別子を確認し、planの期待値と照合します。
構造表には、生成物ID、確認対象、期待、実際、戻り先を置きます。たとえばspineの順が第一章・第二章でなければ、本文を直さず、収録順を記録したplanへ戻します。目次の表示は正しくてもリンク先が違うなら、目次と章IDの対応を確認します。
構造の確認と、閲覧画面で本文を読む確認は別欄です。EPUBを開けた、または作品名が表示されたという事実だけで、右開きや縦書き表示が合格したとは判定しません。
右開きの期待値と戻り先を照合する
生成後は、planに記録した二つの方向を、別々に確認します。
| 症状 | 確認対象 | 期待 | 戻り先 |
|---|---|---|---|
| 本文が横に流れる | 本文の組版指定 | 縦方向 | 原稿または組版設定 |
| 本文は縦だがページが左から右へ進む | page-progression-directionと生成条件 |
rtl、右から左 |
作品設定またはパッケージ条件 |
| 第2章が第1章より前に来る | spineと収録順 |
第一章→第二章 | planの章順 |
| 目次の項目だけ別章を開く | 目次リンクと章ID | 各項目が対応章へ移動 | 目次・章IDの対応 |
| 一つの閲覧環境だけ違う | 同じ生成物IDとOS・アプリ | 同じ版で比較 | 閲覧環境の切り分け |
右開きが逆なら、まずパッケージ側の期待値と実際を比べます。章順が正しいのに一つのアプリだけ違うなら、原稿を変更せず同じ生成物IDを別環境で開きます。症状、確認対象、戻り先を一行で残すことで、縦書きの見た目とページ進行を同じ原因として扱わずに済みます。
Rune Studioで資料上確認できる範囲
現行Mac版Rune Studioの公開機能資料では、vertical-rlの縦書きプレビューと、右開き・縦中横・記号処理を含むEPUB 3出力を備える機能範囲が確認できます。そのため、Generate前の条件と完成した縦書きEPUBの受け入れを分ける作業の候補・試用対象にはできます。
ただし、これは公開資料で確認した現行機能の範囲です。Rune Studioにplanやinspectというコマンドがあること、上の二章標本が実測で合格すること、全端末で表示が一致すること、表紙付き経路やストア入稿を保証することは示しません。手元で試す場合は、生成物ID、固定日時、右開きの期待値、構造表を自分で記録します。

結論:plan・生成物ID・inspectでGenerateを受け入れる
EPUB Generateで縦書き小説を生成するときは、Generate前にplanを固定し、page-progression-direction="rtl"と右開きの期待値を記録します。生成時には生成物IDと固定日時を付け、生成後のinspectで作品情報、spine、目次、章IDなどの構造を確認します。本文が縦に見えることと、ページが右から左へ進むことは、別の確認欄に残してください。
逆方向になった場合も、本文・章順・パッケージ・閲覧環境のどこへ戻るかを、症状と一緒に記録します。同一入力、同一固定日時、候補名と版番号を揃えれば、別の生成手段との比較も入力差なしで行えます。受け入れ前には、管理上の一文字変更→別版の再生成→初版との比較という制御された二周目まで終え、変更以外の差分が説明できることを条件にします。Rune Studioは資料上の候補範囲と手元の結果を分けて確認し、詳細な一章往復や全巻展開の判断をこの記事へ混ぜません。
現行Mac版の機能範囲は、Rune Studioの商品ページで照合できます。


