
横書き技術書のEPUB電子書籍を作る後半工程では、準備済み原稿を変更前版として一度生成し、OPF・章XHTML・nav/NCX・画像経路を確認してから、一箇所だけ変えて別名で再生成します。二つの生成結果を比べれば、変更が目的の場所へ届いたかと、触っていない構造が保たれたかを分けて判断できます。
四章、本文画像3点、表2点、コードブロック等の原稿、参照、章順、目次対象は準備済みとします。本記事では見出し、表、コード、画像の作り方を繰り返しません。準備済み原稿を横書きltrのEPUBへ生成し、差分で確かめる工程が「横書き技術書の作り方・設定」への答えです。
準備済み入力を受け取る
受け取るのは、原稿ファイル、採用画像、章順、目次対象、作品情報が一組になった一式です。最初にその複製を作り、元の一式は変更しません。見出し、表、コード、画像の設計は前段で済んでいる前提とし、本記事では生成前の受入条件だけをこの一節に留めます。
複製には変更前と分かる名前を付け、原稿ファイル一覧を記録します。画像経路の未解決を含む場合も、画像を外した標本へ黙って置き換えません。画像ありと画像なしは別の生成結果として比べます。
変更前版を別名で残す
変更前の出力は、「変更前」と分かるファイル名で保存します。横書き設定、章順、目次対象、出力ファイル名を一緒にメモし、後の再生成で「どの条件を比べているか」が分かるようにします。
Rune Studioの資料上では、作品情報、巻、原稿選択、章順・目次、メタデータ、確認・出力の流れで横書きEPUBを生成します。準備した設定を読み返し、横書き、言語、章順、目次対象、出力名を確認してから変更前版を出力します。
変更前版は後の比較元です。生成後に同じ名前へ上書きせず、EPUBと設定メモをそのまま残します。

ltr・manifest・spineを確認する
最初にcontent.opfを開き、横書きの読む方向がltrとして出力されているかを確認します。次にmanifestで四章のXHTML、nav、NCX、必要な資源が登録されているかを見ます。
manifestに項目があっても、本文の読む順番はspineで別に確認します。四章が期待順に並び、目次から除外した章も本文へ収録する設計ならspineに残っていることが必要です。画像なしの二章標本では、第二章を目次から外してもspineには残る結果を確認しています。
この段階では画面で横書きに見えたことだけを合格にしません。出力パッケージの方向、登録資源、読む順番を別々の欄へ記録します。
章XHTMLの表とコードを確認する
manifestとspineから各章XHTMLを特定し、準備済み入力の識別値を探します。見出し要素、表の行列と代表セル、コードブロックの改行・先頭空白・記号を、入力側の記録と照合します。
すべてを目視だけで「同じ」にせず、章ごとに確認する値を一つ以上決めます。たとえば認証表なら状態コードのセル、コードなら先頭行とインデントを使います。色付けや端末ごとの折り返しは、このXHTML確認の合格条件にしません。
確認済みなのは、画像なしの二章標本で見出し、表、コード等がXHTMLへ届いた共通範囲です。四章、表2点、コード等を一つの標本で完遂した結果ではないため、記事固有件数の成功とは書きません。
navとNCXをspineから分けて確認する
nav.xhtmlとNCXでは、目次表示名と移動先を確認します。リンク先が存在するだけでなく、期待する章の見出しへ到達するかを見ます。navとNCXは目次の入口、spineは読む順番なので、三つを同じ一欄で合格にしません。
四章がすべて目次対象なら、表示名と移動先を四組照合します。除外がある場合は、nav/NCXから外れてもspineには残るという設計を別々に確認します。
外部URLの到達や複数リーダーでの表示は別の表示確認手順に譲ります。本記事のnavigation確認は、生成パッケージ内部の表示名と移動先までです。
画像経路は三点に分ける
本文画像は、manifestの登録、章XHTMLの参照先、EPUB内の画像ファイル実体を三点で照合します。どれか一つだけを見て画像経路を合格にしません。
画像入り標本では、ZIP内に画像ファイルと参照が実在する一方、完了確認画面で画像不足扱いになる不一致が残っています。このため、画像入り出力を「画像欠落」と断定することも、「完了」とすることもできません。
画像なし変更前版と画像入り変更前版は別の版名で扱います。画像経路の不一致は、ltr、spine、表、コードの確認結果へ混ぜず、判断待ちとして残します。
一箇所だけ変更して新しい版名で再exportする
変更前版確認後、作業用複製の一箇所だけを変更します。例では認証表の一セルを401から403へ変え、ほかの原稿、章順、目次対象、画像参照、横書き設定は変えません。
変更後の出力は「変更後」と分かる別名で再生成します。変更前版を上書きしないため、二つのEPUBを同時に開いて比較できます。表セルのこの変更は読者が試す再現手順であり、この四章標本がすでに成功したという主張ではありません。
画像なしの別標本では、一字修正後の別名再生成とXHTML差分を確認しています。この狭い結果を、四章標本や401→403の成功へ広げません。
差分と不変条件を照合する
最初に変更後版の対象章XHTMLで403を確認し、変更前版の同じ位置が401のままかを見ます。次に、触っていない章XHTML、OPFのltr、manifestとspineの章集合・順番、nav/NCXの表示名と移動先が保たれたかを確認します。
EPUB全体のバイト差分があるだけでは、目的の変更が届いた証拠になりません。生成日時などの管理情報が変わる場合があるため、対象セルの内容差分と、触っていない構造の不変条件を分けて見ます。
画像経路が判断待ちなら、変更前版と変更後版の画像結果も判断待ちのままです。一箇所の本文変更で、未解決の画像検査まで合格へ繰り上げません。
入力正本と変更前版を保護する
作業中に変更するのは複製だけです。準備工程から受け取った原稿一式、変更前版のEPUB、その比較メモは書き換えません。変更後版を作った後も、原稿一式のファイルと内容が開始時と同じかを確認します。
差分が意図と違った場合は、変更後版だけを破棄して原因を調べます。変更前版を新しい出力で置換したり、入力正本へ直接修正を戻したりしません。承認された変更だけを次の入力版へ反映します。
表紙・奥付の作成、入力記法の設計、外部リーダー、ストア審査は本記事の対象外です。これらを増やして「完成」に見せるのではなく、生成と差分の証拠を閉じることへ集中します。
結論:準備済み入力を生成差分で完成へ進める
横書き技術書の作り方・設定の後半は、準備済み入力を変更前版として横書きltrへ生成し、manifest/spine、章XHTML、nav/NCX、画像経路を分けて確認することです。その後、一箇所だけ変えた変更後版を別名で生成し、目的の内容差分と、触っていない構造の不変条件を照合します。
最初の一手は、準備工程で準備した入力一式を複製し、変更前版の版名を付けることです。Rune Studioを使う場合は、Rune Studioの商品ページで現行の横書きEPUB範囲を確認し、画像なしの確認済み経路と画像入りの判断待ちを同じ合格へまとめないでください。


