出力前に章をそろえる!Mac向けEPUB編集、メタデータ・目次を編集

EPUBのメタデータと目次を分けて編集するアイキャッチ

MacでEPUBのメタデータと目次を編集するなら、作品名や著者を持つpackageメタデータと、章名・リンク先を持つnavigationを一枚の表で同時に書き換えないでください。作品情報の変更はpackageの正本から、目次の変更は章一覧の正本から行い、変更しなかった側が保たれたことを生成後に確認します。

この記事では二つの小さな変更を分けます。作品名を「風の港」から「風の港 改訂版」へ変える試行と、第二章の目次表示名を「第二章 対岸」から「第二章 夜の対岸」へ変える試行です。既存EPUBを展開してcontent.opfやnav.xhtmlだけを恒久的な正本として直接直す方法ではなく、Mac上の制作プロジェクトへ戻して再生成する方法を扱います。

packageメタデータとnavigationは答える質問が違う

EPUBパッケージ文書のメタデータは「この本は何か」を答えます。作品名、著者、出版社、言語、発行日、識別子などが対象です。目次に第二章がどう表示されるかは、作品名を表す値ではありません。作品名の改訂で章リンクまで書き換える必要は通常ありません。

navigation文書は「読者がどこへ移動できるか」を答えます。表示ラベルとリンク先の組があり、リンク先は実際のXHTML内の位置へ到達する必要があります。第二章の表示名を変えても、著者や出版社を変える理由にはなりません。章ファイル名やアンカーを変えないなら、リンク先を変えずラベルだけ変える場合もあります。

二つを分けると、差分の意味を短く説明できます。「作品名変更、navigation差分なし」「第二章ラベル変更、package基本五項目差分なし」のように、一方の更新と他方の保持を組で確認します。

作品情報の正本は値だけでなく採用表記を持つ

作品情報側には、項目名、採用値、表記理由を残します。今回なら作品名は「風の港 改訂版」、著者は「水城澪」、出版社は「凪文庫」、言語はja、発行日は2026-08-30とします。旧作品名を履歴として残しても、現在値と同じ欄へ並べません。

作品名を変える一回目では、章一覧を変更しません。作品設定の正本だけを直し、新しい出力名でEPUBを作ります。生成後にcontent.opfのtitle相当を確認し、nav.xhtmlの章ラベルとhrefが前版から変わっていないことを確認します。

もし作品名変更だけで目次の章名や順番が変わったなら、別の設定まで巻き込んだ可能性があります。生成物のnavだけを元へ戻すのではなく、再生成時に使った章一覧と設定を調べます。

目次の正本はラベル、リンク先、掲載可否を組にする

章一覧側では、章ID、本文見出し、目次表示名、リンク先、掲載可否、読む順番を持ちます。例の第二章はC02、本文見出し「第二章 対岸」、新しい目次表示名「第二章 夜の対岸」、リンク先chapter02.xhtml#start、掲載あり、読む順番2です。

二回目の試行では、目次表示名だけを変えます。本文見出しも変える企画なら別の変更として記録します。ラベルを変えた後、目次から移動して同じ第二章へ到達することを確認します。リンクが旧章や同名の別章へ向くなら、見た目のラベルが正しくても完了ではありません。

生成後はnav.xhtmlの該当ラベルとhrefを見て、content.opfの作品名、著者、出版社、言語、発行日が一回目から変わっていないことを確認します。これで目次編集が書誌へ漏れていないと説明できます。

二回の生成結果を差分の期待値で読む

最初の生成物をharbor-metadata.epub、次をharbor-navigation.epubのように分けます。同名で上書きすると、一回目の保持確認ができません。各生成物へ、変更した正本、期待する差分、保つ値を一行で結び付けます。

作品名変更の期待差分はpackageのtitleだけです。目次表示名変更の期待差分はnavigationのC02ラベルです。実際には生成日時や識別子等が変わる設計もあるため、その値は制作環境の仕様として別に確認します。意図した変更と自動更新値を混同しないことが重要です。

リーダーでは、ライブラリに出る作品名と、目次に出る第二章名を別画面で確認します。一画面だけでは両方の正本が反映された証拠になりません。構造確認とリーダー表示確認も別の結果として扱います。

Rune Studioで二つの入力を分ける範囲

Rune Studioの公開資料では、6ページのEPUBウィザードで作品名、著者、出版社、言語、バージョン、発行日、表紙を設定し、チャプター順で章順と目次掲載を選ぶ構成が説明されています。

複製した制作環境で書誌、発行日、章順、目次掲載を設定し、生成物のnav.xhtml、NCX、content.opfへ反映されることを確認しました。これにより、メタデータとnavigationを別の入力から生成できる範囲が分かります。

表紙入り経路はZIP内容の一部を確認できたものの、完成物検査には合格していません。6ページの画面順と、本文固有の「作品名だけ変更」「第二章ラベルだけ変更」という二生成差分も未確認です。また、既存の第三者EPUBを読み込み、content.opfやnav.xhtmlを直接編集して保存する機能とは記述しません。KDP等の受理や全リーダー一致も対象外です。

タイトル・もくじ・第一章・第二章の順序と、もくじ掲載の可否が並ぶRune StudioのEPUB作成画面
EPUB作成のファイル順序の画面。タイトル、もくじ、各章の並びと、章ごとのもくじ掲載の可否が一覧で見えます。生成が成功したことは、この画面からは分かりません。

最終照合と可視目次から役割を分ける

本文確定後に書誌票・章順票・生成計画を並べ、一回の出力を承認する最終照合は別工程です。本記事は全項目を承認せず、packageだけを変える試行とnavigationだけを変える試行を分け、変更境界を確かめます。

本文中に表示される目次ページと、リーダーの移動用navigationを分ける作業も別に行います。本記事では表示用目次のデザインやspine上の位置を設計せず、navigationのラベル・hrefとpackageメタデータの正本分離に限ります。

既存EPUBしかない場合は直接編集の前に正本を確認する

手元に完成EPUBしかない場合、展開して値を確認することはできます。ただし、次回生成の元になるプロジェクトが別にあるなら、生成物だけの修正は消えます。まず作品情報と章一覧の正本がどこにあるかを特定し、そこから新しい候補を作ります。

正本を失っており、既存EPUBの修復が唯一の選択肢なら、本記事の制作プロジェクト再生成とは別の作業です。DRM、署名、ストアから取得したファイルの改変を含めず、複製と専門のEPUB編集・検証手段を用意してください。

結論:一方を変え、もう一方が保たれたことを確認する

最初に作品名だけを変えて生成し、packageのtitleが新しく、navigationの章ラベルとhrefが同じことを確認します。次に第二章の目次表示名だけを変え、navigationのラベルと移動先が新しく、packageの基本作品情報が同じことを確認します。

最初の行動は、作品情報正本と章一覧正本を二つのファイルまたは欄へ分けることです。Rune Studioを候補にする場合は、Rune Studioの商品ページで作品情報ページとチャプター順ページの現行範囲を確認できます。